【さかだちインタビュー】門脇磨奈美さん、パン喫茶「円居」レシピ本『暮らしのパンごよみ』出版!/後編

さかだち編集部が気になっている人と一緒お昼ごはんを食べながら、
ざっくばらんにいろんなことを聞くゆるい企画
「さかだちランチインタビュー」
今回は特別編として“おやつ”インタビューを決行です!

2011年に岐阜市長良にパン喫茶「円居(まどい)」をオープンし、
2024年3月14日に円居のレシピ本を出版した
門脇磨奈美さんに会いにいってきました!

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2024年3月にパン喫茶「円居」のレシピ本『暮らしのパンごよみ』を出版した門脇磨奈美さん。本づくりの裏話や、編集者のおおいしれいこさんを招いて開かれた出版記念トークイベントの様子などもご紹介します!

※【さかだちインタビュー】門脇磨奈美さん、パン喫茶「円居」レシピ本『暮らしのパンごよみ』出版!/前編の記事はこちら

「円居のレシピを本というかたちにできたことが、とてもありがたくて、貴重な経験だったなあって思います」

【インタビューした人】 門脇磨奈美 さん

岐阜市生まれ。20歳でパンを焼き始め、25歳で「あこ天然酵母」と出会って、独学で自分らしいパンを焼くことにのめり込む。2011年、岐阜市長良にある築100年以上の建物を改装し、月に1回営業する「円居」をオープン。やがて、毎週水曜と金曜、第一日曜にパン喫茶の営業をスタートすると、ランチはほぼ予約で満席となり、県外からも多くのファンが訪れる人気店に。2023年3月にパン喫茶としての営業は終了し、2024年3月にレシピ本『暮らしのパンごよみ』を出版。現在は不定期で酵母ドーナッツの販売、パンや酵母ドーナッツの発送を行っている。
※2021年7月に「円居」さんをご紹介した記事はこちら

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パンや料理を楽しんで作る、そういう気持ちを本を手にしてくださった方と分かち合えたら嬉しいなって思います。

-パン喫茶「円居」さんのパンや料理のレシピを綴った『暮らしのパンごよみ』ですが、二十四節気に合わせて、パンだけじゃなく料理のレシピもたくさん載っていますよね。

門脇さん そうなんです。数えてみたら74ありました!

-74種類もレシピが載ってるんですか…!それは…レシピを考えるのも大変だったと思いますが、撮影も大変だったでしょう…?

門脇さん 撮影は11年前に和菓子職人のまっちん(町野仁英さん)が出版したおやつのレシピ本「まっちんのおやつ」と同じカメラマンの大沼ショージさんが担当してくださったんですが、実は4日間で撮影したんです。

-え!?4日間でこのレシピを全部撮影したんですか…!?特にパンは生地づくりの工程がとても細かく載っているし、材料や道具の写真、完成した料理の空気感のある写真、扉やコラムのイメージ写真…。全部、取りこぼすことなく4日間で撮影するって…本当にすごいですよね!

門脇さん そうなんです!!!自分で撮影のスケジュールを組んだんですけど、それがちょっと…本当に凄かったんですよ!(笑)その時の手書きのスケジュールはどうしても捨てられなくて取ってあるんですけど…見ますか?

-ぜひ、見せてください!

-うわあ!想像以上にすごい!

門脇さん この紙には事前に作っておくジャムやソース、数日前に作っておくマリネやディップ、当日作るサラダや変色しやすいディップやマリネなど、全部を書き出しています。こっちは1日ごとのスケジュールで、ここでこの生地をこねる、ここでこの料理を作る、焼く、材料を解凍する、発酵してふくらんだ生地を撮影する…みたいに組み立ててあって。この組み立てにめちゃくちゃ時間がかかりました。

-まさに神がかってますね…!

門脇さん それから、夏にすべてのレシピを撮影したので、食材も揃えるのも大変でした。金柑のコンポートは前年に作ったものを冷凍しておいたりしたんですけど、梨が岐阜県内で手に入らなくて、東京の果物屋さんですごく高い梨を買って持ってきてもらったり!(笑)

門脇さん 本当に、撮影もこんなに大変なんだ…!って、実際に本を作ってみて実感しました。編集者のおおいしさんやカメラマンの大沼さんだけじゃなく、うつわも円居で使っていたものだけで足りなくて、お向かいにあるQQ実験所さんや古くからの知り合いの本田さんににお借りしたり…。とにかくいろんな方に関わっていただいて、『暮らしのパンごよみ』というかたちにできたんですよね。それって、とてもありがたくて、貴重な経験だったなあ、って思います。

-一つ一つのレシピに、並々ならぬ想いやこだわりが詰まってるんですね。そう思うと、尚更この本が愛おしく感じられます。

門脇さん 本当にこの本は丸1年かけて作ったので、我が子のようです(笑)。あ、そろそろ、マフィンが焼き上がるので、見に行きましょう!

-はーい!!楽しみです!

門脇さん うん、ちょうどいい感じに焼けました!

-わあ、何この、しあわせな匂い…!めちゃくちゃいい匂いがします!これが、家でも作れるんですね…ほんとに…!

門脇さん そうなんです!作れますよ!(笑)

-ああ、まさに円居さんで買って食べていたあのマフィン!!!しかも、できたてってこんなに美味しいんですね…。これは作る人の特権…!私も自分で焼いてみたくなりました!

門脇さん 私は食べることも好きなんですけど、きっと“作る”っていうことや、食べてもらうことの方が好きなんですよね。パンや料理を楽しんで作る、その過程の全てが楽しくて、パン作りでも生地を育てる、発酵して膨らんでいくのを見るのが一番のわくわくポイントで、すごくしあわせって感じるんです。だから、この本を通して、そういう気持ちを本を手にしてくださった方と分かち合えたら嬉しいなって思います。

-『暮らしのパンごよみ』を通して、たくさんの人に“円居のエッセンス”や、磨奈美さんの想いが伝わるといいですね。いろいろと楽しいお話を聞かせていただいてありがとうございました!そして、マフィン、本当にごちそうさまでした!

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会場は眼前に金華山と長良川を望む「長良川うかいミュージアム」のあずまや。円居さんに長年通っていたお客さまを中心に、たくさんのファンがトークイベントに訪れました。

「実は書店のレシピ本の棚は激戦区で、毎月、いろんなレシピ本が発行されてサイクルが早いんです」と編集者のおおいしさん。その中で、円居さんの“らしさ”を大切にすることと、とにかく初心者でも作れるレシピの簡素化を心がけたと話します。

「私自身がパン作りはハードルが高くて、自分が暮らしの中でやれるのかなっていうことを基準にしてレシピの簡素化をお願いしたんですけど、実際に自分で作ってみたらちゃんと作れたんです!特に作って嬉しかったのは“雪パン”ですね!」といったおおいしさんの編集者ならではの告白もあり、興味深いトークが繰り広げられました。

最後はイベントに参加した方に円居さんの代名詞の一つともいえるフルーツサンドや酵母ドーナッツの振る舞いもあり、和やかな雰囲気の中でイベントが終了しました。

それにしても、久しぶりのフルーツサンドの美味しかったこと…!もちろん、『暮らしのパンごよみ』の中にはフルーツサンドや酵母ドーナッツのレシピも載っていますので、これが自分でも作れるんだ、ということにちょっと感動すら覚えます(まだ実際には作っていないのですが、きっと作れると思います…!笑)。

現在、円居さんでは不定期で酵母ドーナッツや書籍の販売も始まっていますので、円居さんの Instagramをご確認のうえ、ぜひお店にもお出かけくださいね!


パン喫茶「円居」『暮らしのパンごよみ』

著者:門脇磨奈美
出版社:すばる舎
発行日:2024年3月14日
価格:1,870円(税込)
ISBN-10 ‏ : ‎ 4799111949
ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4799111949

Instagram:
円居:@_madoi
暮らしのパンごよみ:@_madoi.recipe

《購入先》
円居オンラインストア(オリジナルカレンダー付・数量限定):https://madoi.base.ec/items/83168189
すばる舎:https://www.subarusya.jp/book/b637820.html
amazon:パン喫茶「円居」 暮らしのパンごよみ
カクカクブックス(オリジナルカレンダー付・数量限定):https://kakukakubooks.stores.jp/items/65bc5ad479443d04f6c7c224
そのほか、全国書店で販売中

2024年04月30日作成
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