岐阜まち歌舞伎・後編
岐阜まち歌舞伎・前編に引き続き…。
2016年4月4日に開催された、岐阜まち歌舞伎の日。
18時になり、開場しました!
舞台は3階にも関わらず、1階入り口前まで列がずらり。
来場された方はプログラムの横には
前回ご紹介した若旦那スペシャルお土産袋や、かわらや支店さんのお弁当が販売されていました。
開場15分後。
既に満席です!
長良川おんぱくを主催されているNPO法人ORGANの蒲さんが、
先に座っているお客さんへ
今回の案内や若旦那スペシャルお土産袋の中身を紹介していました。
振る舞い酒も行われていました。
そんなこんなで時間は過ぎてゆき、周囲もどんどん暗くなってきました。
18時30分、開演時間です!
会場内に入りきらず、立ち見のお客さんが出るほど。満員御礼です!
この日のプログラム。
一、口上
二、長唄素囃子『雛鶴三番叟(ひなづるさんばんそう)』
三、舞踊『春霞伊奈波彌栄(はるがすみいなばのいやさか)』
四、歌舞伎 若緑勢曾我『外郎売』
五、納め唄『おばば』
千龝楽
はじめに若旦那たちによる、演奏。
小鼓、大鼓、三味線など、日本ならではの楽器を用いた演奏です。
続いては、舞踊です。
鳳川伎連の幇間 喜久次さんが、扇子を持ちながら舞う姿はいつみても素敵。
鵜飼の時期になると、鵜飼を楽しみながら舞を楽しめる会も開催されています。
今年は鳳川伎連に3人の舞妓さんと、幇間見習いさんが入られました!
舞妓さんはみんな「喜久」の字が頭に付き、喜久春さん、喜久勝さん、喜久豆さんという名前がつけられたそう。
何と、喜久勝さんは北海道の十勝地方から岐阜へ舞妓になるためにきたそうで、
十勝の“勝”が名前に入っているんだとか。
幇間見習いさんは…名前なんだっけ?(笑)そうそう、辰次さんです!
そうしてお披露目も終わり、「歌舞伎」といったら連想されるこの縦縞の幕がかけられました。
いよいよです!
上演のスタートと同時に拍手とシャッター音が鳴り響きます!
演奏はこちらの黒い壁の向こう側で、生演奏されていたそうです。
花道から、「外郎(ういろう)売り」が登場!本日の主役です。
この話は曾我五郎時致という人物が、小田原名物の薬・外郎の売人に変装し、
父親を討った工藤左衛門祐経のもとに敵討ちに乗り込むというストーリーなんだそう。
外郎売りを演じるのは、彩多屋喜猿(さいだやきえん)さん。
長良川サイダーをつくっているから「さいだや」。
若旦那衆はみんな洒落っ気あふれる名前がつけられているんです。
よ!外郎売り!
ストーリーの見せ場はなんといっても「早口言葉」!
その場面がとても人気で、独立して人気狂言として、市川家の歌舞伎十八番のひとつとなるなど
今も愛されているんだそう。
途中の一説を見てみると、
「京の生鱈 奈良生学鰹、ちょっと四五貫目、
お茶立ちょ茶たちょちゃっと立ちょ茶立ちょ、青竹茶筅(あおたけちゃせん)でお茶ちゃと立ちょ。」
「武具・馬具・ぶぐ・ばぐ・三ぶぐばぐ、合わせて武具・馬具・六ぶぐばぐ、
菊・栗・きく・くり・三菊栗、合わせて菊・栗・六菊栗、
麦・ごみ・むぎ・ごみ・三むぎごみ、合わせてむぎ・ごみ・六むぎごみ」
わー。難しい。
彩多屋喜猿さん、凄いです!
そうして物語は進み…。
最後は決めポーズ!
拍手喝采!
紅白のおひねりも沢山飛んでいます!
若旦那の皆さん!素敵な舞台をありがとうございました!
納め唄は、みんなで『おばば』!
知っていますか?
岐阜県民謡の『おばば』。
今でも祭りや結婚・出産などの祝い事の際に、笛や太鼓のお囃子で唄われる祝いの唄です。
ちなみに…。
おばば唄は、天文10年(1541年)揖斐城主 堀池備中守の姉、お政が上善明寺 春淨(後の春空)の許へ嫁ぎ、
初孫(後の春巧)の誕生を町中が喜び、
お婆々さまとなられた坊守が在所の揖斐城へお祝いに訪れた際、笛や太鼓のお囃子で唄われた祝い唄です。
(上善明寺HP参照)
要するに、岐阜のあれこれの締めにはもってこいの曲なんです。
ぜひ締めに使ってみてください。
特別出演の山本さん。油屋佐太次さん。
顔の化粧に少し青色が入っています。
歌舞伎では、青色=悪役ということなんだそう。
このくらいだと、ちょいワルですかね。(笑)
舞台も終わり、関係者やテレビの取材の方が最後残っています。
岐阜のケーブルテレビCCNで、今回の様子を放送されるそうです。
見逃した方は、ぜひこの放送をチェックしてみてください!
放送予定日時:
4月23日(土)16時〜18時
4月24日(日)10時〜12時
4月27日(水)14時〜16時
4月30日(土)16時〜18時
5月1日(日)10時〜12時
5月4日(水)14時〜16時
最後に、今回関わった皆さんで記念撮影。
みなさん、おつかれさまでした!
綺麗に後片付けもして、今年の岐阜祭奉賛 岐阜まち歌舞伎は終了。
来年も楽しみにしています!!
岐阜祭奉賛 岐阜まち歌舞伎
日時:2016年4月4日(月)18時30分開演
場所:伊奈波神社参集殿「稲葉座」
平成二十八年度実行委員長 達磨屋瓦楽(高橋製瓦 高橋秀太)
一、口上/
岐阜町若旦那会 安乗院善光(善光寺安乗院 松枝秀晃)
二、長唄素囃子『雛鶴三番叟』/
◇鳴物指導 菊長曾主宰 住田尚子
◇笛
小野崎隆賢
◇小鼓
筆屋画左衛門(加藤画材店 加藤拓也)
恵比寿包之丞(エビス 古田浩紹)
藤井進左衛門(藤井仏壇 藤井進一)
長崎屋健之祐(岐阜小四年 牧野健祐)
長崎屋宇之祐(長崎屋総本舗 牧野浩之)
大鼓 亀甲屋隆之進(亀甲屋本舗 寺澤隆浩)
浅野 朱音(岐阜伎芸学校)
三、舞踊 春霞伊奈波彌栄
_一、舞踊 寳船(たからぶね)/立方 鳳川伎連 幇間 喜久次
_二、口上 新人舞妓披露/
鳳川伎連 舞妓 喜久春
鳳川伎連 舞妓 喜久勝
鳳川伎連 舞妓 喜久豆
四、歌舞伎 若緑勢曾我『外郎売』
改訂・補綴・指導振付・演出 鳳川伎連 喜久次
外郎売 実は曾我五郎時致 彩多屋喜猿(金森生糸店 金森崇真)
朝比奈妹舞鶴 焙豆屋明右衛門(Yajima Coffee 矢島明)
八幡三郎行氏 俵屋角三郎(大平米穀店 大平雅章)
梶原平三景時 麩屋兵右衛門(麩兵 川島徹郎)
近江小藤太成家 安乗院善光(善光寺安乗院 松枝秀晃)
工藤左衛門祐経 油屋左太次(山本佐太郎商店 山本慎一郎)
五、納め唄『おばば』
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