【大垣市】「艶金」さんに工場見学に行ってきました!

大垣市で衣類の染色や加工を行う「艶金(つやきん)」さん。1889年に創業し、化学繊維や天然繊維の生地を染めたり、起毛・撥水などの加工を施す「染色整理加工」を専門としています。

2011年には、食べ物や植物を加工する過程で生まれる「のこりもの」を使って生地を染色する「のこり染」の自社ブランド「KURAKIN(くらきん)」を立ち上げました。果汁をしぼった後のブルーベリーや、和菓子店からゆずり受けたあずきの皮で染め上げた、ランチョンマットやコースター、タオルなどが展開されています。

さらに、加工の過程で捨てられてしまう生地を活用したアパレルブランド「retricot(リトリコ)」もスタート。こちらも「のこり染」で染められているので、天然の素材ならではのやさしい色合いを楽しむことができます。

このように生地の染色業から自社ブランドの立ち上げまで、幅広く事業を広げる「艶金」さんの工場へ取材に伺いました!

艶金さんの工場に潜入!

染色の工程にはたくさんの水を使うので、艶金さんの工場は水の豊かな大垣市の西部、揖斐川の支流である「相川」の近くにあります。赤い文字で「ツヤキン」と書かれた看板は、遠目で見ても存在感抜群!

工場内は、ベテラン社員の中山貴晴さんと小林那美さんが案内してくださいました。

早速中へ入ってみると、工場に届いた染色前の生地がどっさりと積まれています。

ロール1本あたりの単位を「1反(たん)」と呼び、艶金さんの倉庫には1万5千反もの生地が保管されているのだとか。毎日400反ほど入ってくるというこの白い生地に、ここから先の工程で色を染めていくのです!

工場内では、ぎっしりと並んだ大きな機械があちこちで稼働しています。大きな音を立てて動いていたり、蒸気を出したりとスケールの大きさは圧巻です!

時代の先を行く、環境配慮型の染色工場

こちらが、生地を染めるための染色機。「洗う」→「色をつける」→「洗う」の流れで行う染色の工程は、すべて通すと10反ほど染めるのに8〜12時間ほどかかり、その間およそ10トンもの水を使用します。たくさんの水を使っているからこそ、艶金さんでは使用後の排水は浄化して流すなど環境への負荷を可能な限り軽減することを意識しているそう。

さらに、染色に使う水を適切な水温(80〜130℃)に上げるためにも膨大なエネルギーを消費します。

艶金さんは1987年に工場の燃料をバイオマス燃料に転換。木材チップをつかうことで、二酸化炭素の排出量と吸収量が均一になりカーボンニュートラルを実現しました。

「染色業は、大量の水とエネルギーを必要とするため、とても環境負荷が大きい産業なんです。だからこそ、今後長くこの事業を続けていくために、私たちは環境にできるだけ負荷をかけない方法を考えています」と中山さん。

環境への取り組みは、事業以外の部分にも広がっています。

工場の敷地内にある「TSUYAKIN FARM」と名付けられた菜園では、社員食堂などで使う野菜や果物を栽培しています。菜園には、社員食堂の廃棄物として出た生ゴミを段ボールコンポストに入れて堆肥化した土を利用するなど、会社全体でエコを意識した取り組みを行っているのだそう。

「環境にやさしい商品を」という思いから誕生した「のこり染」

そんな艶金さんは、「将来も長く事業を続けていくために、少しでも何かエコロジーをテーマとした開発ができないか」との思いから2011年に「のこり染」のオリジナルブランドを立ち上げました。

当初は食品や加工品の要らなくなった部分を他の商品に再利用することが一般的ではなかったため、協力してくれる企業を見つけるのが大変だったそう。

染料として使用する栗の皮

木材の加工の際に余ったひのきの皮、老舗栗菓子店から譲り受けた栗皮、岐阜県根尾地域の桜の枝など、岐阜県産の素材を中心にラインナップを増やしていき、現在は12カラーが展開されています。

艶金さんは「環境のことや、のこり染のことをもっと知ってほしい」という思いから、のこり染で染色したエコラップに好きな絵を描く「オリジナル蜜蝋ラップ作り」など子供向けのワークショップも積極的に開催しています。

さらに、毎年地元の高校生にSDGsの普及のため、授業の中で会社の取り組みを紹介したり、コラボしてのこり染で染めた生地を使ったオリジナル商品を考案する取り組みを行なっているそうで、2023年1月にはファッションショーも開催したのだとか!「環境問題について考えてもらうのはもちろんのこと、“ファッションショー”という一つの目標に向かって達成感を味わう経験になっていれば嬉しいです」と小林さん。

今後について「自分たちの取り組みに賛同してくれる仲間を増やし、イベントの開催や新商品の開発に挑戦していきたい」と語ってくれました。

艶金とTHE GIFTS SHOPのコラボ商品が1月30日に発売!

艶金さんのオリジナルブランド「KURAKIN」シリーズは、JR岐阜駅直結のアクティブG2階にあるTHE GIFTS SHOPにてお買い求めいただけます。

さらに2023年1月30日には、THE GIFTS SHOPとのコラボにより生まれたオリジナルギフトセットが発売されます!明日の記事で詳細をお知らせしますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね!


株式会社艶金

住所:岐阜県大垣市十六町字高畑1050

TEL:0584-92-1821

WEBサイト:https://www.tsuyakin.co.jp/

Instagram(艶金):@tsuya_kin

Instagram(KURAKIN):@kurakin_nokori

2023年01月25日作成
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