《TOFU magazine 旅する岐阜 08》/【飛騨市】ソヤ畦畑 SOYA UNEHATA

TOFU magazine 08」に掲載した特集記事をご紹介しています。
岐阜県の42市町村を1号につき一つずつめぐる特集「旅する岐阜」。第8回は飛騨市を訪れました。

《旅する岐阜08 Hida》

美しく、力強い、野菜のいのちを
巡らせる自然栽培の農業

青々としてころんと丸い青巾着茄子。赤や緑の万願寺とうがらしやオクラ。ハンガリーの伝統品種である鈴ピーマン。フルーツほおずき、ズッキーニ、バターナッツかぼちゃ。

訪れた畑で、採れたばかりの野菜たちのみずみずしさと艶、その美しさに目を奪われた。

飛騨市古川町畦畑(うねはた)地区で、農薬や肥料を一切使わない自然栽培で豆や野菜を育てる「ソヤ畦畑」の森本悠己さんと恵美さん。

「私たちのテーマは “いのち” です」。土地の力を生かし、野菜を育て、味わい、種子を採り、翌年へと繋げる。それはいのちを巡らせるということ。

飛騨市古川町で生まれ育った悠己さんは、高校生の頃から食に関わる仕事に就きたいと思っていたという。高校卒業後、静岡県の製菓学校に入学。その後、カフェダイニングに働いていたことがきっかけで恵美さんと出会った。

結婚後、東日本大震災の年に子どもが生まれたことや、悠己さんが多忙な毎日に追われていたこともあって、それまでの暮らしを変えようと話し合った。

「もともと私は子どもや友人と、無農薬無肥料で除草もしない自然農法で小さな畑をやっていたんです」と恵美さん。「でも、彼が転職して、週末に一緒に野菜を作れたらいいかなっていうくらいに思ってたら、急に農家になろうって言われて。もう、えーって驚いて!」。

「僕はずっと農家に憧れてたんですよ。だから畑をやってる彼女がうらやましくなっちゃって」。

お互いに関心があることは同じだけど道筋が違うんだよね、ずっと勘違いの連続だよね、と当時を振り返って笑い合う二人。そして2014年夏、二人は一緒に農家になる道を選んだ。

郡上市石徹白地区に家族で移り住み、自然栽培農園を営む「農園サユールイトシロ」での2年半の研修を経て、独立。2017年に悠己さんの故郷に戻り、山の斜面に段々畑が連なる畦畑地区に1町5反の畑を借りた。

現在は、夏から初秋にかけて50種類ほどの豆や野菜を収穫する。飛騨市伝承作物のインゲン豆「白たまご」の緑のアーチの中で、悠己さんは言う。

「植物って種子に記憶を残すんですよ。いろんな情報を種子にインプットして、次に繋げていく。種子をつくるって、そこに未来があるってことなんですよね。だから、毎年自家採種して種子を継いでいくと、少しずつ環境に合った野菜になって、その土地の味になる。まだまだ勉強中ですが、いつか、畦畑に根付いたオリジナルの野菜がつくりたいんです」。

朗らかに土を耕す二人の夢が、この畦畑で実を結びはじめている。

ソヤ畦畑

飛騨市古川町畦畑1230-3
オンラインストア:https://soyaunehata.stores.jp/
facebook:https://www.facebook.com/soya.unehata/
インスタグラム:https://www.instagram.com/soya.unehata/

ソヤ畦畑さんのオンラインストアでは、7月から11月頃まで野菜を販売。
クロモジから抽出した爽やかな香りの芳香蒸留水も人気です。
クロモジ芳香蒸留水30ml 1,980円(税込・送料別)

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2020年11月06日作成
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