《TOFU magazine 旅する岐阜 27》/【安八町】食品スーパー ハイショップヤスイ

TOFU magazine 27」に掲載した特集記事をご紹介しています。
岐阜県の42市町村を1号につき一つずつめぐる特集「旅する岐阜」。第27回は安八町を訪れました。

《旅する岐阜27 Anpachi 》

美味しく安全な“本物”を揃え
客に健康を届ける小さなスーパー

安八郡安八町に遠方からもわざわざ客が訪れる小さな店がある。「食品スーパー ハイショップヤスイ」。昭和の名残を感じる外観はいかにもレトロだが、ひとたび店内の商品棚に目を向けると、誰もが驚く。

近隣農家の無農薬栽培野菜、ヴィーガン対応のオーガニックスープ、抗生物質や抗菌剤無投与の精肉、有名ブーランジェリーの天然酵母パン。豆腐や納豆、味噌、塩や酢などの日配品や調味料も、県内はもとより全国各地から届く珍しいものが何類も揃い、客を夢中にさせる。

ここを食のテーマパークと呼ぶのは、大げさだろうか。

さらに特筆すべきは、旬の魚介がとりどりに並ぶ鮮魚売り場。島根の生イカ、岩手のキンキ、長崎の天然鯛、鹿児島のカツオ。店で捌く刺身も目移りするほどに豊富だ。「週に1度は新潟から直送便が届きますし、毎月1回は福井県敦賀まで片道2時間かけて仕入れに行きます。魚が好きなんですよ」と2代目店主の安井宏未さん。

昭和35年に「安井商店」を開業した両親とともに、昭和55年に現店舗をオープンした安井さん。「20歳からもう42年です」。

30代後半の頃、近くに大型スーパーが次々と建った。「売り場面積はたった40坪。大手には商品数も価格も負けてしまう。じゃあ、うちの存在価値は何だろうって考えて」。

自身が得意とする鮮魚と母が手作りする惣菜の売り場を強化した。

そんなある日、料理雑誌にふと目が止まった。載っていたのは、京都のメーカーが71回もの試作を経て完成させたという胡麻ドレッシング。「こんなドレッシングを店に置いてみたい」。

偶然巡り合ったドレッシングをきっかけに、徐々に店の棚に全国のこだわり商品が並ぶようになった。それは、他店と差別化を図り、生き残っていくための選択でもあった。

「最初は全然売れなかったです。でも、捨てても仕入れてまた置いて。地元の昔からのお客さんに『ヤスイさんの商品は高くなったねえ』って言われても、『いいもんやで、仕方ないんやわ』って。長年かかって、少しずつ分かってもらえるお客さんが増えていきました」。

惣菜は魚も肉も野菜も調味料もすべて店で販売している商品を使い、厨房で調理したてを並べる。実はスタッフはなんと17人。「会計士さんには人件費が他に比べて3倍だって言われます」と笑う安井さん。

「でも、何とかやっていけて、お客さんに喜んでもらえればいい。私たちの体は、食べたものによって創られます。うちの使命は、お客さんにいい商品、安全で美味しい“本物”を伝えることだと思っています」。

風に揺れるのぼりには、“新鮮と親切を売る店”とある。現在は安井さんが惚れ込んだこだわり商品が8割以上を占め、その日のおすすめや新入荷をInstagramで発信している。

食品スーパーハイショップヤスイ
安八郡安八町森部1321-2
11:00~14:00、17:00~20:30
日曜・第3月曜定休
TEL.0584-64-3209
https://hishop-yasui.jimdofree.com/
Instagrm @haishop_yasui

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2022年06月03日作成
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