【岐阜】まちなかでの開業を考える人の後押しに。図書館主催のセミナー開催!/メディアコスモス

2018年1月31日に岐阜市「みんなの森 ぎふ メディアコスモス」で岐阜市立中央図書館主催のビジネス支援セミナーが開催されました。

全3回のセミナーのうち、第2回目である今回のテーマは「まちなかでの開業を考える〜店舗・オフィスは必要?〜」。

会場のおどるスタジオには、起業を考えている方や、すでに個人事業主として独立されている方など12名の参加者が集まりました。

 

講師を勤めるのは柳ケ瀬周辺に店舗、オフィスを構える加藤さん、末永さん、樋口さん(写真左から)。

実際にまちなかで起業された3名の生の声から、起業するうえでのアドバイスやまちなかで働くことの実情を伺いました。

末永さんの司会進行のもと、まずは講師の自己紹介から。

昨年10月に柳ケ瀬商店街にオープンした「ロイヤル40」にアトリエ兼アートギャラリー「Lucca445」を構える加藤さん。

「扉も敷居もない、まちなかギャラリー」として、地元現代美術作家の作品を中心とした展示販売、ワークショップやセミナーを通して、一般の方にもアートが身近になるような働きかけをしています。

加藤さんの場合、岐阜というまちをあえて選んだわけではないそうですが、美術に縁の薄い方にもアートに触れて欲しいという想いから、人や情報の絶対数が多いまちなかで起業する必要があったといいます。

続いて建築デザイン事務所「ミユキデザイン」の末永さん。

末永さんは5年ほどから岐阜市美殿町のシェアオフィス「まちでつくるビル」に事務所を構えています。

仕事柄パソコンとプリンターさえあれば自宅でも作業ができるため、起業してから半年ほどは自宅を事務所として利用していたそうですが、サラリーマン時代よりも人に合う機会が少なく、徐々にストレスがたまっていったそうです。

つくるビルに入ってからは、入居者同士で一緒にご飯を食べたり相談し合ったり、仕事をするうえでも刺激を受けることが多く、明らかに仕事のパフォーマンスがよくなったのだとか。

今はインターネットが発達しているので、つながりはいくらでも広げられるけれど、やはり生の人間関係を築くことの大切さを感じるといいます。

 

最後に岐阜市神田町のシェアアトリエ「カンダマチノート」で2017年4月から「喫茶 星時」を営んでいる樋口さん。

もともとはイベントでの出張喫茶などでコーヒーを淹れていましたが、ご縁がつながってこの場所で開業することになりました。

いきなりカフェをスタートするのはなかなかハードルの高いことですが、継続的にイベント出店をしていたことで、店を持つことへのハードルを下げることができたといいます。

 

先生方の自己紹介に続いて、参加者のみなさんも一人ずつ自己紹介。

「実際に場所を持ってみたけれど子育てとの兼ね合いでなかなかうまく使いこなせない……」

「独立してやりたいことはあるけれど、なかなか資金面やハード面がついてこない……」

「岐阜に移住してきたばかりなので、どんな人がいるのか気になって来ました。」

など、参加されている方の立場はさまざまです。

 

参加者の方の自己紹介とこの日訪れた理由のなかで、度々出てきたキーワードが「まち」や「岐阜」といった開業の拠点となる場所のこと。

「まち」に対する場所を「郊外」だとすると、スタートアップに向いているのは「まち」なのではないかと末永さんはいいます。

実際にこの日の先生方3名に共通しているのはまちなかで開業しているということ。もちろん駐車場が広いことや自然豊かなこと、家賃面では郊外のメリットもありますが、独立するというのは最初は孤独……そんなときに、もともとネットワークやコミュニティが成熟しているまちに救われる場面がでてきます。

最近はまちなかでもリーズナブルな物件があるので、家賃面の問題は解消しやすくなっているそう。

そして、岐阜は特に人のつながりやご縁を大切にする土地柄、県民性があるように感じると言うのは樋口さん。

待っていても縁は広がりませんが、まちなかには縁をつくりやすいきっかけ(イベントや人が集まる場)があり、樋口さんは積極的に参加することを心がけているそうです。またご自身も無意識のうちに、星時という場を通して、人と人とをつなぐハブ的存在にもなっています。

 

参加者のみなさんは、実際の経験に基づいた説得力あるトークに、深く頷きながら真剣にペンを走らせます!

後半にかけては、会場から起業や独立に関する質問や悩みが飛び出しました。

例えば「助産師さんがまちなかで妊婦さんや子育て中の母親の相談役として活躍するためには……?」。

始めはボランティアでできていても、お金にならなければ続かない、行政との連携のハードル、助産師さんの世間的な認知度の低さ、など次から次へと出てくる壁に、先生方だけでなく参加者からも意見が飛び交います。

そんななかで、場が盛り上がったのが「助産師×◯◯」のように何かとコラボレーションしてみてはどうかというアイディア。

「まちなかでは普段は交わらない人や物事の組み合わせで生まれる新しい展開が魅力的だ」という加藤さんの意見を受けて、じゃあ「助産師×サンデービルヂングマーケット」や「助産師×カフェ」はどうだろう? とわくわくするような想像が膨らみました!

 

セミナーが終わるころには、緊張気味だった場の空気もほぐれ、参加者のみなさんと先生方が交流する様子も見られました。

参加者のみなさんがそれぞれの道に進むのに背中を押されるような時間になったのではないかと思います!

 

最後に岐阜市立中央図書館の吉成館長からのごあいさつ。

岐阜市立中央図書館はこれから本の貸し出しだけにとどまらず、情報を介した人のつながりを生む場として変わろうとしています。

ビジネス支援と図書館というと、一見遠い存在のような気がしますが、図書館には起業、創業の支援になるような情報がたくさん詰まっています。

そこから情報を拾うお手伝いをしてくれる司書さんもいます。

図書館は一般の人が立ち寄りやすい場所なので、ビジネス支援に限らず、あらゆる情報が集まった”観光案内所”のような役割を担っていければ、と吉成館長。

第3回目のビジネス支援セミナーはすでに満席ですが、みなさんもそれぞれに必要な情報を集めるときに図書館をその窓口的な存在として利用してみてください!

 


平成29年度ビジネス支援セミナーⅡ「図書館からはじめよう 起業・創業のはじめの一歩」
第2回 まちなかでの開業を考える〜店舗・オフィスは必要?〜

日時:1月31日(水) 18:30~20:30

場所:みんなの森 ぎふ メディアコスモス おどるスタジオ

講師:末永三樹氏(ミユキデザイン)
加藤誉使子氏(ロイヤル40 Lucca445)
樋口尚敬氏(カンダマチノート 星時)

 

 

 

 

 

 

 

2018年02月02日作成
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