【東京】シェ・リュイ 代官山店

「TOFU magazine 35号」(2024年2月発行)の取材で、東京・代官山にあるパティスリー「シェ・リュイ 代官山本店」さんに伺いました!

1971年に洋菓子の卸として創業した「日本ガストロノミー研究所」が1975年にオープンした第1号店。パリの街角を思わせる可愛らしい佇まいは、開店当時から変わりません。“Chez Lui(彼のところ)”という店名の通り、洗練された都会にありながらも、どこか懐かしく親しみが感じられます。

店内には90種類以上のパンやサンドイッチとともに、約30種類もの焼き菓子がずらり!バゲットやクロワッサン、カレーパンといった定番パンから、記念日にぴったりなホールケーキ、手土産に贈りたいスイートポテトやカヌレなどの焼き菓子まで、幅広いジャンルの品々が並びます。

シェ・リュイさんのお菓子は時代よって少しずつ作り方を変えてきたそうですが、基本的にはancien (古風)なスタイルを守っています。

たとえば、大きなケーキを12〜16等分したものではなく『プチ・ガトー』と呼ばれる小ぶりのケーキが多いのが特徴。大きなケーキを一つ作る方が効率良く多くのケーキを販売することができますが、『プチ・ガトー』のように小さなケーキを一つずつ丁寧に作り上げるのが、シェ・リュイさんが守る“古風な”スタイルです。

お客さんに“ああ、ここのケーキを食べて良かった”と思ってもらうことを目指し、惜しみない手間暇によって作り上げた美味しさこそが、シェ・リュイからお客様へ贈るメッセージ。そんな作り手の真心が、創業から50年近く人々に愛され続けている秘訣なんですね。

カヌレ・ド・ボルドー(手前)、ショコラ(奥左)、メイプル(奥右) 各300円(税込)

そんな粒揃いのラインナップの中でも“看板商品”と言えるのが、1990年代ごろから販売され、現在は年間5万9000個を売り上げるというカヌレ!

定番は「カヌレ・ド・ボルドー」「メイプル」「ショコラ」の3種類で、季節によって「桜」や「抹茶」などの限定フレーバーも販売されます。ほんのり洋酒が香る芳醇な味わいに、サワークリームによってコクが加わったカヌレはしっとり、滑らかな食感が特徴です。

※写真は店頭に並ぶ「ショコラ」

ちなみに毎日14時には、店頭に焼き立ての「カヌレ・ド・ボルドー」が並びます!外はパリッ、中はとろりとした格別の食感は出来立てならでは!ぜひタイミングを狙って足を運んでみてくださいね。

さらに、お土産やギフトを贈るときに注目したいのが、鮮やかなブルーが目を引く包装紙。創業者の平井政次さんが考案したデザインで、平井さんが幼い頃、家の庭に咲いていた泰山木(タイサンボク)の花が描かれています。

実は、最初にこの包装紙ができたときには、枝の隙間に描かれた小鳥の巣に卵は描かれていなかったのだといいます。それから10年が経った時に、巣の中に5つの卵が産み落とされました。この卵は①パティシエ(菓子)②ブーランジェ(パン)③キュイズィ二エ(料理)④ショコラティエ(チョコレート)⑤グラシエ(氷菓)と、シェ・リュイさんが手がける5つの専門領域を表しているのだそう。

蕾の状態から花ひらこうとしている泰山木や小鳥の卵の絵柄には「少年の頃に描いた夢を叶えるため、これからも自身を磨き、努力し続けたい」という創業者の思いが込められていて、今後、お店がさらに成長した先に卵が雛にかえる日が来るのだといいます。お店とともに包装紙も育っていくなんて…。包装紙に込められたストーリーも素敵ですね。

2024年3月には「フォレストゲート代官山」内にショコラトリー&グラッスリー「LA BASE de Chez Lui(ラ・バーズ・ドゥ・シェ・リュイ)」をオープンされる予定。5つの専門領域のうち、長らく休止していた④ショコラティエ(チョコレート)⑤グラシエ(氷菓)に特化したお店を開くことで、より多くのお客様に美味しさをお届けすることを目指しています。カカオ豆から一貫製造するビーントゥバーのチョコレートや自家製ジェラートを提供されるとのことで、オープンがとても楽しみです!

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代官山の地で50年という歴史の中で培われた技術やこだわり、お客さまへの温かい思いが詰まったお店「シェ・リュイ 代官山本店」さん。お近くを訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてくださいね!


シェ・リュイ 代官山本店

住所︰東京都渋谷区猿楽町 23-2

営業時間:9:00〜21:00(年末年始を除く)

定休日:火曜(祝日の場合は営業)

TEL: 03-3476-3853

HP:https://www.chez-lui.com/

2024年02月15日作成
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