【岐阜・山県】伊自良湖/観光名所
二十年近く前に「ひとつ屋根の下」というドラマが放送していました。
家族愛が描かれた名作で「ひとつ屋根の下2」も制作されました。
そのドラマの主人公である、あんちゃんの決めゼリフが両作ともにあり、
1が「そこに愛はあるのかい?」で
2が「心にダムはあるのかい?」です。
観光案内になんの関係があるんだと思われていると思いますが
今回、紹介させていただく伊自良湖には大いに関係があるのです。
岐阜県山県市にある伊自良湖は人工的に作られた貯水を目的とする湖です。
春は桜が咲き、夏は花火大会が行われ、秋には紅葉が美しく、冬はワカサギ釣りできる、四季を通して楽しめる観光地として整備されています。
紅葉には少しだけ早いですが、うっすらと赤らんだ葉でも湖と相まって
綺麗なのではないかと足を運んでみようと思いました。
行く場所を決めてからその場所へ行くまでに
頭の中でなんとなく書く方向性を定めるのですが
伊自良湖の景色の美しさを写真と言葉のどちらがより良く伝えられるのだろうか
というような点から書いてみようかななどと思っていました。
例えば、「緑、赤、黄色の入り混じった草木が湖面に反射して絵具を水に垂らしたように溶け合っている。絵具ならば混じり合って濁ってしまうが、濁ることなく色を残したまま、風にまかせて揺らめく姿はまるで印象派の画家が筆跡を残しながらキャンバスに絵具を塗りつけているように鮮烈である」という文章と
それを写した一枚の写真ではどちらが魅力的なのだろうか
みたいなことを思いつつ向かいました。
ご覧の通り、水がありませんでした。
どうやら堤防の耐震補強工事をするそうで水が抜かれていたのです。
水のない湖はただのでかい窪みです。
隕石によってできたクレーターならば窪みにもロマンが生まれますが違います。
伊自良湖ではなく伊自良の窪みです。
ただの窪みに紅葉が反射なんてできるはずもありません。
伊自良湖にはナッチョル君という怪獣が住んでいるようなのですが
どこへ行ったのでしょうか。
無事を祈るばかりです。
水に浮かんでいないアヒルボートはなぜ見ているだけで寂しくなるのでしょう。
早く浮かべる日がくると良いなと思います。
伊自良湖の工事は来年の春に終わるようです
今の景色を楽しむためには湖があったとしたらどう見えるのかを想像するしかありません。
「ひとつ屋根の下2」のあんちゃんのセリフが蘇ります。
「心にダムはあるのかい?」
伊自良湖
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