【東京】「ラーメンどんぶり展」が21_21 DESIGN SIGHTで6/15まで開催中!
東京・六本木にある「21_21 DESIGN SIGHT」で岐阜にまつわる展示が開催中という噂を聞きつけた編集部。早速、現地に向かいました!その企画展とは…「ラーメンどんぶり展」です!

日本を代表するグラフィックデザイナーの佐藤卓さんと、ライター・学芸プロデューサーの橋本麻里さんが2012年から取り組んでいる“美濃焼”に関するプロジェクトがきっかけとなり、企画された「ラーメンどんぶり展」。
2014年に「美濃のラーメンどんぶり展」が初開催され、その後海外での巡回展も経て、今回は2025年3月7日〜6月15日にさらにパワーアップした内容で開催されています。
▶︎身近な「ラーメンどんぶり」をテーマに、“美濃焼”や“デザイン”を紐解く展示

岐阜県東濃地域において、1300年以上の歴史を持つ美濃焼。実は、日本に流通しているラーメン丼(どんぶり)の約90%が美濃焼なのだそう!
佐藤さんと橋本さんは、美濃焼の歴史や作り手の活動を広く伝え、美濃焼に親しみを持ってもらうため、「ラーメン丼」をテーマに美濃焼の文化を楽しく紐解くこの展示を企画したのだといいます。



まず来場者を迎えるのは、ラーメンの歴史と現在に関する展示です。
中国から“中華そば”が伝わり、日本で独自の発展を遂げてきたラーメン文化について、さまざまなデータや図、さらには漫画などを用いて紹介。加藤賢策さんの目を惹くデザインによって面白くまとめられています!

続いては、ラーメン丼コレクターの加賀保行さんのコレクション展示。北海道から鹿児島まで、加賀さんが日本全国を巡って集めたラーメン丼のうち、なんと約250点がずらりと並ぶ様子はまさに圧巻!岐阜からは「ニボチャチャ‼︎ラーメン あらき軒」さんや「麺切り 白流」さんなどのラーメン丼が展示されていましたよ。
こうして見ると、「ラーメン丼」と一口に言っても、大きさや形、柄のデザインと、実に個性豊かなことがわかります!
「ラーメンと丼の解剖」の展示では、佐藤卓さんによる「デザインの解剖」という手法で、ラーメンと丼が「名称」「見た目」「香り」から「触感」「温度」などの細かい要素に切り分けられ、デザインの視点で”解剖”されています。
実際に匂いを嗅いだり、触ってみたり、音を聴いたりと、五感で楽しめました!
▶︎総勢40名が参加する「アーティストラーメンどんぶり」

そして、「ラーメンどんぶり展」最大の目玉と言えるのが、「アーティストラーメンどんぶり」の展示!建築家、デザイナー、イラストレーター、料理研究家など、40名のクリエイターがデザインしたラーメン丼とレンゲが、屋台風に展示されています。






21_21 DESIGN SIGHTのディレクターを務める深澤直人さんや、同じく同館のディレクターであり今回の展覧会ディレクターでもある佐藤卓さんをはじめ、仲條正義さん、佐野研二郎さん、髙田唯さん、塩川いづみさん、ヒグチユウコさん、皆川明さん、土井善晴さん、糸井重里さん…などなど、錚々たる顔ぶれの丼が並びます。



実は、「アーティストラーメンどんぶり」は一つ一つが手づくり!平面で描かれた図案を立体のどんぶりに仕上げるため、複雑な絵柄は特に再現するのが難しく、職人さんの試行錯誤の末に出来上がったものなのだそう。



ラーメン丼の横には、アーティストたちが丼のデザインに際して考えたことなどを綴った文章が展示されています。
学生時代の思い出やラーメンにまつわるエピソードなど、個人的な記憶がデザインに反映された作品もあり、読むことでより一層、それぞれの丼のデザインの面白さがわかってきます。

赤い椅子は自分で動かして座ることができるので、ラーメン屋台に立ち寄った気分で、より間近にラーメン丼を堪能することもできますよ!
▶︎美濃焼の特長は“土をデザインする技術”
最後は、美濃焼についてより深掘る「美濃焼の産地」の展示。



作家ものから100円ショップで販売されるようなマスプロダクト、タイル、アート作品まで、その幅広いバリエーションが特長の美濃焼。
その多様性を生み出しているのが「土をデザインする技術」なのだといいます。どんな土を使って、どんな製品がつくられてきたのか、種類豊富な原材料の展示や写真、映像を用いて、美濃における“土”と“焼きもの”の関係が紹介されています。



「みのやきのあした」のセクションでは、美濃で1990年代から他地域に先駆けて行われてきた、資源循環の取り組みが紹介されています。
不要になった食器を回収し、粉砕・原料化した「セルベン」というリサイクル素材を開発するなど、美濃の「土をデザインする技術」が、ここでも活かされているんですね。

セルベンを使った器の展示は、来場者からも「どこで買えるんですか?」とお問い合わせがあるほど好評なのだそう。
右手前の急須は晋山窯ヤマツさんの「Frustum(フラスタム)」シリーズの土瓶で、日比谷にある岐阜のアンテナショップ・岐阜トーキョーでも販売しているので、気になった方はぜひお店に足を運んでみてください!



展示を楽しんだ後は、1階のギャラリーショップへ。展示に使われていたラーメン屋台の暖簾がデザインされた手ぬぐいや、なるとの形のタイルなど、本展のオリジナルグッズも販売されています。
「アーティストラーメンどんぶり」は、在庫次第ではありますが、購入して持ち帰ることができます。気に入ったものがある方はぜひ!
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身近なラーメン丼を切り口に、美濃焼の文化について体験しながら学べる「ラーメンどんぶり展」。会期は6月15日までなので、気になる方はお見逃しなく!
21_21 DESIGN SIGHT企画展「ラーメンどんぶり展」
会期:2025年3月7日(金)〜6月15日(日)
場所:東京都港区赤坂9-7-6 21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2
休館日:火曜日
開館時間:10:00〜19:00(入場は18:30まで)
入場料:一般1,600円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料
HP:http://2121designsight.jp/program/ramen_bowl/
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