【下呂市】奥田又右衛門膏本舗

受け継がれる秘薬を、
もっと身近に感じてもらうために

岐阜県下呂市にある奥田又右衛門膏本舗(おくだまたえもんこうほんぽ)さん。会社としての創業は昭和9年になりますが、その歴史は江戸時代末期に、二世奥田又右衛門さんが整骨の術を習得したところまで遡ります。

技術が神業と称えられた接骨医である五世奥田又右衛門さんは、多くの患者さんから懇願されて、門外不出として固く守られてきた家伝の秘薬を「東上田膏」として発売します。特殊に漉いた美濃和紙を使用した生薬系医薬品は多くの方から支持され、今では7代目により「奥田家下呂膏」として受け継がれています。

そんな秘伝の下呂膏と現在展開されている下呂膏の成分を含んださまざまな商品について、日向靖成さんにお伺いしました。

「下呂膏は昔から多くの方に親しまれてきましたが、“ 特有の匂いが気になる ” という声が多かったのが新しい商品を作る経緯になったきっかけです。もっと多くの人に下呂膏のことを知ってほしいと思って、まずはこの “ なごみしーと ” をつくりました。」と日向さん。

左が昔から親しまれている下呂膏。松のヤニを使用しているため、少し炙って使うと貼りやすくなります。漢方とヤニの独特な香りがしますが、愛用者曰く、この匂いがたまらないのだとか。

新しく開発した「なごみしーと」は下呂膏よりもコンパクトで使いやすいサイズとなっています。こだわりのエッセンシャルオイルによりリラックス効果もあり、貼ってみるとまさに名前の通り心が “ なごみ ” ます。また、美濃和紙を用いていることから “ 和のかみ ”という意味も込められているそうです。

築140年ほどにもなる建物は非常に趣があり、かつて、お店で使っていた道具や看板がずらりと並んでいます。懐かしさとともに、それだけの時代を跨いで人々に愛され続けてきている奥田又右衛門膏本舗さんの歴史をひしひしと感じます。

創業当時の店舗の写真や漢方をひくときに使う道具など、貴重なものも見せていただきました。実は大手消費財メーカー「花王」の創業者とも血縁関係があるそうで、店内には創業当初の花王の看板も掲げられていました。

こちらは下呂膏の主成分であるヨウバイヒ(左:ヤマモモの皮を乾燥させたもの)とキハダ(右)。 

“ 若い人たちにもこの下呂膏の成分を知ってほしい! ” という日向さんの想いはなごみシートの開発のみに留まらず、温泉ブームに合わせて「下呂膏の湯」、そして新シリーズである「楊貴肌(よきはだ)」のラインナップへと展開していきました。

こちらは楊貴肌シリーズの「玉せっけん」。ぷるんぷるんの玉の形をした石鹸で、さまざまな香りの種類があります。“ 楊貴妃の肌 ” と “ 良い肌 ” をかけ合わせた名前の通り、洗顔後はすべすべでもっちりとした肌に仕上がります。

「できる限り岐阜のものを使用して商品を展開するようにしているんです。伝統的な下呂膏を継承して、多くの方の生活の中に馴染んでいけるよう、これからも時代に合わせたアイテムを紹介していきたいです」。

奥田又右衛門膏本舗さんのアイテムは、JR岐阜駅隣接のアクティブG2FにあるTHE GIFTS SHOPでもお買い求めいただけます。寒さが厳しくなってきた今の季節にぴったりなアイテムですので、気になる方はぜひお試しください。


奥田又右衛門膏本舗

住所:岐阜県下呂市森28

営業時間:月〜土 9:00〜17:00、日 9:00〜12:00

TEL:0576-25-2238

2022年12月22日作成
関連記事