【本巣市】丸金青果

本巣市の特産品・富有(ふゆう)柿。毎年10〜11月にかけては、本巣市内の至る所で柿の実がなる農園が見られます。今回はそんな農園の一つ、「丸金青果(まるきんせいか)」さんに取材に伺いました!

丸金青果さんは、富有柿の栽培から販売までを一貫して行う、全国でも珍しい柿専門の農家です。

約90年もの歴史がある農園で現在4代目とともに柿づくりに励むのは、5代目の小藪果寿(かず)さんと太田匡隆(くにたか)さん。

実はお二人はいとこ同士!そう言われると、顔立ちも似ていらっしゃいますね。

幼い頃から柿農園で遊んだり、手伝いをして育つうちに、いつしか「自分たちが柿農園を継ぎたい」という想いを抱くようになったと言います。

そんなお二人が5代目として農園で働くようになったのは数年前。それぞれ全く別の仕事から転身し、柿づくりの道へと歩み始めました。

富有柿の収穫時期は秋ですが、枝の剪定や、収穫できる果実へ養分を集中させるための「摘蕾(てきらい)」「摘果(てっか)」、果実の重みで枝が垂れ下がらないようにする「枝吊り」といった作業を1年かけて行います。

「言葉にまとめると毎年同じ作業をしているように聞こえますが、自然と向き合って、畑の状態や気候などの条件を見ながら判断するので、対応は常に変わってきます」と匡隆さん。

また、道の駅やデパートへの出店、WEBサイトやSNSでの広報、効率よく柿栽培を行うためのカルテづくりなど、お二人は新たな取り組みも精力的に行っています。

「私は前職で広報の仕事をしていたのもあって、情報発信は積極的に行っています。匡隆さんは、農園を歩いてデータを収集したり、分析するのが得意。それぞれできることを生かして、補いあえるのがいいですね」と果寿さん。

さらに、本巣市の富有柿づくりを支えたいと、近年は後継者不足に悩む近隣の柿農園に代わって農作業も請け負っています。

「広報の仕事をしていた時に、まちの魅力を高めるには住んでいる人や、作るものが魅力的であることが大切だと実感したんです。だからこそ、いつも自分の身近にあった富有柿を通じて、本巣市の魅力を高めていきたいと思うんです」。

果寿さんの言葉からは、柿づくりに対する強い想いがひしひしと感じられました。

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取材に伺ったのは、10月末。ちょうど食べごろを迎えていた早生(わせ)の富有柿(早い時期に収穫できる富有柿)と太秋(たいしゅう)をいただくことができました!

まずいただいたのは、鮮やかな朱色の早生の富有柿。一口かぶりつくと、濃厚でとろけるような口あたり。そこにしっかりとした甘みが広がって、「甘柿の王様」と呼ばれるのも納得の味わいです!

早生の富有柿

太秋は初めていただきましたが、富有柿よりも黄色がかった色味が特徴。シャキシャキとした食感と爽やかな甘みが感じられて、柿のとろっとした歯ざわりが苦手な方でも美味しくいただけます。

太秋

丸金青果さんでは、丹精込めて育てた富有柿をできるだけ長く楽しんでもらいたいと、12月〜2月末までは“冷蔵富有柿”も販売しています。

富有柿を1つずつ袋にいれて保存します

研究を重ねて実現した特別な富有柿は、低温追熟のおかげで甘みが強く感じられ、自宅用はもちろん、贈答用にもおすすめです。丸金青果さんのWEBサイトから購入できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

丸金青果さんの富有柿は市場に卸されているほか、道の駅や農園脇にある直売所でも販売されています。直売所では、富有柿以外のさまざまな柿も購入できますよ。

※直売所の営業期間は10月下旬〜12月中旬です。12月中旬〜2月末までは規模を縮小して、冷蔵富有柿を販売しています。最新の情報はWEBサイトまたは電話でご確認ください。

遠方の方は、本巣市のふるさと納税の返礼品として受け取ることもできます。

「“丸金青果”の屋号は、初代の名前の“太田金造”と、“柿のように丸く縁を育みたい”という想いが由来になっているんです。私たちもこの想いを胸に、富有柿が結んでくれたご縁を大切にしながら、日々柿づくりに励んでいます」。

積み重ねてきた歴史と、さまざまな新たな試みで、真摯に柿づくりに取り組む丸金青果さん。想いが詰まった柿を、ぜひ味わってみてくださいね。

※「丸金青果株式会社」さんは、本巣市の「広報もとす」のさかだちブックスの連載コラムでも、2022年12月号でご紹介しています


丸金青果株式会社

住所:本巣市上保296

TEL:058-324-0181

WEBサイト:https://marukinnseika.jp/

Instagram:@marukinseika


2022年11月27日作成
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