【各務原市】飛行機の面白さが分かる1日「はじめて知る飛行機」が開催されました!
2023年10月28日(土)に、一般社団法人日本航空宇宙工業会さん主催のイベント「はじめて知る飛行機」が開催されました。
東海地域在住の中高校生とその保護者や学校の先生を対象にしたイベントで、航空自衛隊岐阜基地の見学、川崎重工業岐阜工場の見学、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館での講演会・見学を通して、航空機産業のものづくりについて学ぶ1日。さかだち編集部もその一部を見学させていただきました!
まずは航空自衛隊岐阜基地へ。戦闘機の格納庫で「F-4EJ」「F-2A」「F-15J」を見学することができました。参加者は3つのグループにわかれ、それぞれの戦闘機について現役の隊員さんから説明を聞きました。
見学した「F-4EJ」は、アメリカから輸入した最初の機体なのだそう。2人乗りで、前の人は操縦を行い、後ろの人はレーダーを見て敵の居場所を捜索します。
旅客機より繊細な動きを求められる戦闘機の翼はパタパタと折れるようになっています。「旋回するときに動く羽根」「離着時に揚力を調整する羽根」など、それぞれ異なる役割を持っていて、旅客機より繊細な動きができます。
続いて見学した「F-2A」は、船を攻撃するための戦闘機。炭素繊維の複合材を翼の材料にしているため、金属で作るよりも軽くできるのが特徴です。
説明が進む中で「機体の上面と下面で塗装の色が異なる理由は?」「先端だけ色が異なるのはなぜ?」と、参加者の方からの質問も活発に飛び交いました!
ちなみに、質問の回答はというと…F-2は攻撃する相手の船に見つからないよう海面スレスレを飛行するため、上面だけ海の色に近いブルーの塗装が施されているとのこと。また、機体の先端は電波を通しやすい素材を使っているため色が異なっているのだそう。機体の用途によってさまざまな工夫が施されているんですね!
そして、この日一番注目されていたのは世界トップクラスの実力を持つ機体「F-15J」。「イーグル」という別名もあり、F-15のパイロットは「イーグルドライバー」と呼ばれています。
スリムな機体ながら、900発(正確には940発)の弾とミサイル8発、ドラム缶12本分の燃料を積むことができるというので驚きです。
こちらは、F-15の「エンジンノズル」。ノズルの先端を開いたり締めたりして推力を調整しているのだそう。ホースの口を手で押さえると水の勢いが増すのと同じように、ノズルを締めることで推力がアップするのです。
飛行時にノズルからゴオオと火が出るのが、「アフターバーナー」。ジェットエンジンの推力を増大させる役割をもちます。
普段は見られない機体の内部の作りまでじっくりと見ることができ、迫力満点でした!
最後は翌日に浜松基地で行われる航空祭の予行として飛行するF-15とF-2の離陸を見学!
まずは格納庫前の駐機場所でフライト前の点検が行われます。
点検が済んだら牽引車に引かれて少し離れたところにある最終の誘導滑走路へ移動。再度点検を行ってから安全ピンを外すと、離陸をすることができます。およそ10分の間、ワクワクしながら待つ参加者の前に、ついにF-15の姿が!!
そのスピードと迫力に「おお〜!」と歓声が上がります。わずか数秒の間でしたが、皆さん見えなくなる最後の1秒まで真剣にF-15の姿を追っていました。
岐阜基地での見学を終えたら、川崎重工業岐阜工場での工場見学を経て、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館へ!シアタールームで飛行機を作る面白さや航空機産業の現状と将来の展望について講演を聴いたのち、航空機部品についての展示を見学します。
※以前にさかだちブックスで岐阜かかみがはら航空宇宙博物館をご紹介した記事は↓
【各務原】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館/前編
【各務原】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館/後編
一言で「航空機産業」といっても、300万点もの部品からなる飛行機の製造には、「部品を作るための型を製造する会社」「座席を作る会社」「部品の組み立てを行う会社」「製造過程で削った材料を外に搬出する機械を作る会社」など、本当にたくさんの企業が携わっています。
今回は川崎重工業さん、加藤製作所さん、天龍エアロコンポーネントさん、各務原航空機器さん、岩戸工業さんなど、岐阜県下の航空機産業に関わりのある15の企業・学校が出展されていて、事業内容や製品についてのお話を聞くことができました。
<出展企業>
川崎重工業(株)、名北工業(株)、岩戸工業(株)、鳥羽工産(株)、各務原航空機器(株)、榎本ビーエー(株)、(株)水野鉄工所、APCエアロスペシャリティ(株)、(株)加藤製作所、メイラ(株)、天龍エアロコンポーネント(株)、徳田工業(株)、旭金属工業(株)、光製作所(株)、中日本航空専門学校
「飛行機の機体はツルツルですが、実は溶接はほぼ行っておらず、ボルトを使って部品同士を精密に組み立てているんです」「機器同士の接続に使用するハーネスは、部品が細かいのでほとんどの工程を手作業で組み立てています」など、各企業のさまざまなこだわりや、高い技術力を知ることができました。
コロナ禍で移動が制限された時期、航空業界は大きなダメージを受けました。そんなマイナスなイメージを払拭し、コロナ前の状態まで回復するだけでなく今後さらに発展をしていくことをアピールしたい!という思いで開催された今回のイベント。
飛行機や宇宙に興味がある学生やその保護者の方々が集まっていたこともあり、参加者の皆さんが熱心に話を聞いたり、飛行機を観察している様子が印象的でした!
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「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」では、航空機産業の歴史や機体の部品について学ぶことができる展示を常時行っていますので、興味を持った方はぜひ足を運んでみてくださいね!また、岐阜基地では定期的に基地の見学ができる日を設けているそうなので、気になる方はHPからチェックしてみてください。
航空自衛隊岐阜基地
住所:各務原市那加官有地無番地
TEL:058-382-1101
WEBサイト:https://www.mod.go.jp/asdf/gifu/index.html
岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
住所:各務原市下切町5-1
開館時間:10:00〜17:00(土日祝は18:00まで)※最終入館は閉館の30分前まで
入館料:大人 800円、高校生 ・60歳以上 500円、中学生以下は無料
休館日:第1火曜(祝日の場合は翌平日休み)※メンテナンスのため、臨時休館をさせていただく場合があります、年末年始(12月28日〜1月2日)
TEL:058-386-8500
WEBサイト:http://www.sorahaku.net/index.html
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