【東京】花屋「Forager」

2024年5月に発行した「TOFU magazine 36号」の取材で、東京・渋谷区西原にある花屋「Forager(フォレジャー」さんに伺いました!

閑静な住宅街の一角にひっそりと佇む「Forager」さんは、月に数日だけオープンする小さなお花屋さんです。

ささやかで素朴な花が輝く“脇役劇場”

店内へ足を踏み入れると、正面には花瓶に差された美しい花々が出迎えてくれます。Foragerさんの特徴は、派手なバラやカラーのような、誰もが思い浮かべる“主役”の花が並ばない代わりに、普段は主役の陰に隠れて目立たない、ささやかで素朴な花が集まっていること。

お客さんから“チーコさん”の愛称で親しまれる店主の上野智枝子さんはそれを“脇役劇場”と呼んでいます。

「昔から、主張が強い花よりも、ちょっとクセがあったり、素朴な可愛さを持つ草花に惹かれて。あえて主役の花を外すことで、一見地味な花の魅力を伝えたいと思ったんです」とチーコさんは語ります。

高校時代、駅前にある老舗花屋で裏方のアルバイトを経験したチーコさん。大学生になって洋書やインテリア雑誌を読むようになって、そこに載っている花と高校時代のアルバイト先で扱っていた花とのギャップに「花って触れる人によってこんなに変わるものなんだ」と驚き、花に携わる仕事に面白さを見出したといいます。

30歳で独立し、小さな花屋をオープン

大学卒業後は大手生花店に7年勤め、30歳で独立。

「初めは独立したら大きなショップや展示会で立派な生け込みの仕事をしないといけないのかなと思っていたけれど、ある人が『一つでも花束の注文を受けて、それを喜んでもらえばそれでいいんだよ』と声をかけてくれて、その言葉に背中を押されました」。

独立後はイベントに出店したり、知り合いのレコード&カフェの店で週末限定の花束「ウィークエンドブーケ」を販売したり。自らお客さんのところへ出向くことで、お客さんが何を求めているのか考えながらセレクトする、花の“編集力”や“提案力”が鍛えられたといいます。

「昔から野心はないけれど、少しずつステップアップしていくことが楽しいんです」とチーコさん。出店を重ねていくうちに着実にファンを増やし、2016年に下北沢に実店舗をオープンし、2018年に渋谷区西原へ移転しました。現在は、店舗の生け込みや雑誌のウェブ連載も手がけています。

花が持つ“自然な魅力”が引き出された花束

今回の取材に合わせて、チーコさんにオリジナルのブーケを作っていただきました!

春先の短い時期にしか市場に出回らないクロユリを主役に、クロユリとのコントラストが鮮やかな黄色いミディファレノ、動きのあるギリア、全体を調和させるダスティーミラーをセレクト。棚に飾って映えるよう、正面から見た姿が美しい組み合わせにしていただきました。

「アジサイを飾れば梅雨の日陰の空気感が生まれたり、夏の花を飾ればカンカン照りの日差しが差し込んでいるように感じたり…。花を飾ると、その花が育った景色や光が再現されるんです」。

そんな風に話すチーコさんの手で作られる花束やアレンジメントは、本当に自然の中に咲いているかのような生命力に溢れているのです。受け取った花束を眺めながらチーコさんの話を聞いていると、クロユリが自生するという高山の風景が、確かにそこにあるように感じられます。

その花が持つ自然な魅力を大事にした、生命力溢れる花に出会えるForagerさん。チーコさんの飾らない人柄が表れた、とても素敵なお花屋さんでした!


Forager(フォレジャー)

住所︰東京都渋谷区西原2-26-5

営業時間:13:00〜18:00

定休日:不定休(詳しくはInstagramで営業情報をご確認ください)

Instagram:@forager_nishihara_tokyo

WEBサイト:https://forager-tokyo.tumblr.com/

2024年06月09日作成
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