【関市】「脱炭素はじめるガイド」取り組み事例紹介①/秋田屋フーズ 洞戸工場

「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスの排出量を減らすための取組みのことで、岐阜県でも多くの企業が積極的に脱炭素経営に取り組んでいます。
岐阜県商工労働部 新産業・エネルギー振興課では、脱炭素経営を行っている企業の取組み事例をわかりやすく紹介する「脱炭素はじめるガイド」を発行しました。
今回は、そのパンフレットの中で紹介されている「秋田屋フーズ 洞戸工場」さんの脱炭素に向けた取組みを詳しく紹介します!

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養蜂全般および蜂産品の製造・販売を行っている「秋田屋本店」さんから分社化された「秋田屋フーズ」さん。関市にある洞戸工場へ取材に訪れたのは、ちらちらと粉雪が舞う2月のある日のことでした。

小高い山に囲まれた広々とした敷地に立派な工場が建っています。この洞戸工場では、清涼飲料チアーパックを生産しています。

工場の中を見学させていただくと、OEM生産している森永製菓さんの「in ゼリー」が次々とパック詰めされていました。こちらは「in ゼリー」生産専用工場として、24時間稼働でたくさんの商品を製造し、全国に出荷しているんだそう!

「秋田屋フーズ 洞戸工場」さんでは、2019年に国から第2種エネルギー管理指定工場(原油換算エネルギーが年間1500kl以上の工場)の指定を受けたことをきっかけに、LED照明への変更や冷暖房の設定温度変更といった省エネに取り組みはじめました。

「しかし、自社での対応だけでは目に見えた効果が見込めず、手詰まりを感じていたんです」と話すのは、工場長の塩野谷学さん。

「そこで、何かヒントを得られたらと、2019年7月に岐阜県省エネ相談地域プラットフォームが主催する省エネセミナーを受講しました。その後、専門家による無料の省エネ診断を受診すると、プロの目を通した具体的な省エネの提案をいただくことができました」。

その提案に基づいて、ボイラーやコンプレッサーの運転方法を見直しや、ポンプの駆動モータインバータの制御化、ほとんどの照明のLED化などを実施。すると、年間でCO2排出量136t、光熱費としては約500万円の削減効果が得られたのだそう…!

「無料省エネ診断を受けたことで、省エネに対する知見が深まったのと同時に、その効果を見える化することで達成感や喜びを感じることができ、現場での省エネに対するモチベーションも上がりました!」と塩野谷さん。

さらに、こちらの工場では新たな取組みとして、株式会社マルエイさんの「RPFボイラーシステム」を導入して、蒸気供給を行なっています。

RPFとは、産業廃棄物の中でもマテリアルリサイクルが困難な廃プラスチックや古紙などを固めた固形燃料のこと。燃料ヤードで保管しているRPFをコンベアで燃焼炉に送り、小型回転型燃焼炉で燃焼させて、発生した熱をボイラーで蒸気に変えて工場へ供給するのが「RPFボイラーシステム」です。

燃焼炉やボイラーなどが設置された建物にもご案内いただきました。

扉を開けると、中から立派な燃焼炉が現れます!

炉の中では渦状の旋風の中で炎が煌々と燃え盛っています。黒々とした燃焼炉は、一見するとまるで昔の機関車のようなアナログっぽさが感じられたのですが、もちろん、コンピューターにより細かな数値までしっかりと管理されていました。

廃棄物を新たなエネルギーに変えるRPFボイラーシステム。「秋田屋フーズ 洞戸工場」さんでは、このシステムを併用することで、これまで使用してきたA重油の使用量を減らしています。これは、CO2の排出量を減らす脱炭素化の向けた取組みであり、SDGsに対する取組みにも繋がっています。そして、今後もさらなる省エネのブラッシュアップを図り、脱炭素への取組みを進めていくとのことです!

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「秋田屋フーズ 洞戸工場」さんの脱炭素の取組みについて紹介する動画がありますので、ぜひこちらもご覧ください!


秋田屋フーズ 洞戸工場

住所:関市洞戸飛瀬106-1

TEL:0581-58-7038

WEBサイト:https://www.akitayahonten.co.jp/

2022年03月23日作成
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