《TOFU magazine 旅する岐阜 03》/【関市】志津刃物製作所

TOFU magazine 03」に掲載した特集記事をご紹介しています。
岐阜県の42市町村を1号につき一つずつめぐる特集「旅する岐阜」。第3回は関市にある刃物工場を訪れました。

《旅する岐阜03 Seki》

刃物のまち関市にある町工場
新たなものづくりへの挑戦

morinokiパン切りとパン

初めてそのパン切りナイフを使ったときのよろこびを覚えている。波型の刃先がバゲットの硬い表面にすっと入り込んで、軽やかに切れていく。

あれ、楽しいな。断面の美しさに見惚れ、心が弾む。切れ味の良いナイフとはこれほど使い心地が違うのかと嬉しくなった。

パンを切っているところ

鎌倉時代に刀鍛冶が移り住み、以来、名刀の産地として日本中に名を馳せた関市。やがて、包丁やハサミ、カミソリ、彫刻刀といった刃物製造業が栄え、「刃物のまち関市」として知られるようになった。

その関市で1959年に創業した志津刃物製作所から生まれた刃物ブランド「morinoki」が、近年人気を集めている。

morinokiシリーズ

「もともとうちはOEM(他社ブランド製品を受注生産すること)が中心でしたが、新たな市場に挑み、自分たちはこれを作っているんだと誇れる自社ブランド商品を作りたいと思ったんです」と社長の堀部久志さん。

堀部社長

従来、作り手である職人も使い手の料理人も男性が多い刃物業界では、包丁もごつごつして重いものが主流だった。「それならば視点を変えて、キッチンに立つ女性がつい使いたくなる、テーブルに置きたくなるようなものが作れないかと考えたわけです」。

そこで着目したのが、パン切りナイフだった。自社の女性スタッフや外部の女性デザイナーとチームを組み、手に馴染みやすい軽さや長さ、無垢のケヤキを使った持ち手の緩やかなカーブなど、細部にまで検討を重ねた。

「さらに刃物メーカーとして目指したのが、〝感動する切れ味〞でした」。

営業企画を担当する堀部喜学さんは、試作ではとにかくたくさんのパンを切って食べました、と笑う。

堀部さん親子

チームも職人も一丸となって試行錯誤した末にたどり着いたのが、刃の波型を刃先の部分は間隔を短く、手元の部分は広くする設計だった。これならハード系のパンにも切れ込みが入れやすく、食パンのような柔らかいパンも美しく切れる。

刃は職人が一本ずつ、専用の砥石を使って削る。さらにロゴやパッケージにもデザイン性を持たせ、それまでの刃物専門店ではなく、雑貨屋やセレクトショップで販売。すると、折からのパンブームも追い風となって、多くの女性たちに支持されるヒット商品となった。

pomme

志津刃物製作所では、ステンレス製のナイフに特殊な加工を施し、使い込んだ真鍮のようなアンティークな風合いを持たせた「pomme」シリーズなどの新ブランドも展開している。柔軟な発想と職人の誇り、時代を捉えた挑戦が詰まったものづくりの現場から、わたしたちのキッチンにときめきが届く。

志津刃物製作所
関市小瀬2771-1
TEL.0575-22-0956 https://www.shizuhamono.net/

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2020年06月29日作成
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