【東京】江戸趣味小玩具 仲見世 助六

東京都台東区の「浅草」にある江戸の風情が残る仲見世通り。この通りの浅草寺(せんそうじ)から数えて2番目の場所にある「江戸趣味小玩具 仲見世 助六」さんを訪れました。

助六さんは、江戸時代から受け継がれる「豆おもちゃ」を専門に販売しています。お店の外から中にかけてずらりと並ぶ、3,500点以上の玩具たちは圧巻で、思わずキョロキョロと中を見渡してしまいます。どれも小さいけれど、細かなところまで丁寧に作られています。

江戸時代の享保年間に、贅沢を禁じる奢侈(しゃし)禁止令が出されたことによって、大きくて豪華な玩具がご法度になった際、小さくて精巧な豆おもちゃを作る文化が発展していったのだそう。当時は、一つひとつ手作りで表情が違う土人形や、その飾りを設えた羽子板が、粋な江戸のおもちゃとして流通していたそうです。

中には、こんな小さなひょうたんの中にコマが入っているものも…!こちらは、見た目通り “ひょうたんからこま” という名前。本物の駒(こま)は出てこないけど、こんなに小さなコマが5つも出てくるのにはびっくりです…!

「小綺麗、小忠実(こまめ)などという言葉の通り、江戸時代には “小さいを美しい” とする文化があったんだよ」と説明してくださったのは、5代目の木村吉隆さん。生粋の江戸っ子らしく、陽気で流暢なお話に思わず引き込まれてしまいます。

来年の干支 “寅” の江戸時代から伝わる玩具も見せてくれました。

(左:すぼんぼ / 右:とんだりはねたり)

紙できた“ずぼんぼ” は、どのような形で宙へ投げても、必ず上手に着地します。これは、“怪我なく、ますます元気に” という健康への願いが込められているんだそうです。足の部分には、なんとしじみ貝が!当初は隅田川でとれたしじみを使用していたそうで、限りある材料の中で工夫を凝らして作られた玩具だったんですね。

愛くるしい表情の寅の“ずぼんぼ”に、思わずほっと心が和みます。

もう一つの“とんだりはねたり” は、竹と糸のからくりによって飛び跳ねる小さなおもちゃ。竹の柄を反対側に倒して押さえ込み、手をはなすとぴょんと飛び跳ねて、被り物の下の顔が明かされる仕組みなんです。

ちなみに、来年の干支である寅の顔の下には、再来年の干支の兎が隠れていました…!洒落がきいていますよね。

この“とんだりはねたり”は、あの金太郎と一緒に縁起物のひとつとして絵画に描かれるほど、江戸時代には馴染み深いおもちゃだったそうです。(絵の中の左下に描かれている小さなおもちゃが “とんだりはねたり”です!)

助六さんの包装紙にも、もちろん “とんだりはねたり”が…!
創業当初から変わらない、昔ながらの温かみと伝統が感じられる包装紙ですよね。

助六さんでは先代の頃から他のお店への卸もやめたため、この小さくて可愛らしい豆おもちゃたちは、ここでしか買えないものばかり。

「うちは日本で唯一、つまり世界で唯一の江戸趣味小玩具屋さんだからね」と木村さん。

浅草にお出かけの際は、ぜひ足を運んでみてくださいね!一歩足を踏み入れると、助六さんだけで体験できる小さくて素敵な豆おもちゃの世界に出会えますよ!


江戸趣味小玩具 仲見世 助六

住所:東京都台東区浅草2丁目3−1

営業時間:10:00〜18:00

不定休

TEL:03-3844-0577

2021年12月16日作成
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