【各務原】岐阜かかみがはら航空宇宙博物館/企画展「空とぶ船UF-XS展」10/10まで開催中!

各務原市にある「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」、通称“空宙博(そらはく)”では、2022年7月16日(土)〜10月10日(月・祝)に企画展「空とぶ船UF-XS展―荒波をこえる飛行艇のはじまり―」が開催されています!

飛行艇(ひこうてい)とは、船と飛行機の特徴を併せ持った、水に浮き、空を飛ぶ乗り物のこと。世界でも飛行艇を作れる国は数少なく、現在日本では海難事故の救助などで活躍しています。

今回の企画展でスポットを当てている「UF-XS実験飛行艇」は、現在運用されている飛行艇「US-2」の始まりとなった機体です。

館内1階の常設展示でもUF-XS実験飛行艇を見ることができますが、もっと間近に実物を見ながら、その魅力を深く知ってもらいたいということで、この企画展が実現したんだそう!

そこで今回は、この企画展の見どころをご紹介します!

…その前に「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」について詳しく知りたい方は、館内のみどころをたっぷりご紹介したこちらの記事をぜひお読みくださいね!

>>>岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 前編
>>>岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 後編

***

今回の企画展が行われているのは、1階のA3ゾーン。普段は戦後に開発された航空機がずらりと展示されているエリアですが、企画展のためにUF-XS実験飛行艇をより近くで見られるレイアウトに。展示は第1章〜第5章で構成されていて、初心者からマニアの方まで楽しめるものになっています。

第1章:飛行艇ってなに?/第2章:戦後日本の飛行艇開発の流れ

まずは、そもそも「飛行艇ってどんなもの?」という疑問に答えてくれる第1章「飛行艇ってなに?」からスタート!

大きなパネルで、飛行艇の基本的な仕組みや機能、戦前の開発の歴史について知ることができます。飛行艇はどんな特徴を持っているのか理解することができて、飛行艇ビギナーでも安心です!

続く第2章は「戦後日本の飛行艇開発の流れ」。戦後、日本では潜水艦を探知・探索することを目的に対潜飛行艇の開発が進みました。

そんな日本の飛行艇の特徴は、荒波でも離着水できること。パネルでは、その特徴を実現するために必要な3つの工夫「ゆっくり」「ふわり」「しっかり」について説明がされています。また、アメリカ海軍から貸与され、UF-XS実験飛行艇の基となった「UF-1」についての紹介も。

パネルの反対側には、戦前の飛行艇やUF-XS実験飛行艇、UF-1の模型も並んでいます。UF-1がアメリカから運び込まれた際の報告書も、実物のコピーを手に取ってみることができますよ。

第3章:UF-XS実験飛行艇を見てみよう

第3章は企画展の目玉!UF-XS実験飛行艇を間近で見ることができます!

グレーの機体に蛍光オレンジがかっこいい!格子状に入った白線は、波の高さを計測するために描かれているそう。

実物とパネルの説明を見比べながら、機体のさまざまな工夫を学ぶことができます。第2章で解説されていた「ゆっくり」「ふわり」「しっかり」の観点で整理されているので、理解が深まります。

たとえば、機体の底にある溝はしぶきを抑えて、できるだけ「ふわり」と離着水するためのもの。

こちらの「マスト」は、安定して離水するための角度を調べる計測器。当たり前ですが、大きな機体の中のそれぞれのパーツに意味があることを実感します。

そして、UF-XS実験飛行艇の機内も覗くことができるんです!階段を上がって中を覗くと…

あれ、椅子がない…?!そして大部分の床板がありません…!

そう、UF-XS実験飛行艇は実験のための飛行艇なので、搭乗するのは操縦士や計測を担当する人だけ。そのため、椅子は必要ないんです。また床板が貼っていないのは、さまざまな装置を出し入れするから。階段に上がって、高い位置からUF-XSを眺めることができるのはこの企画展の期間中だけなので、どうぞお見逃しなく!

第4章:受け継がれたUF-XSの技術/第5章:UF-XS実験飛行艇とUS-1A 78号機空宙博へ

UF-XS実験飛行艇は、1967年に99回の実験を終え、その役割を終えました。しかし、実験から得られた知見はその後の飛行艇の開発につながっています。

第4章「受け継がれたUF-XSの技術」では、UF-XS実験飛行艇の実験があって生まれた「PS-1対潜飛行艇」や、現行機US-2の前身である「救難飛行艇US-1A」について紹介しています。

「US-1A 78号機」は屋外に展示されているので、こちらにもぜひ立ち寄ってみてくださいね。

そして、最終章である第5章「UF-XS実験飛行艇とUS-1A 78号機空宙博へ」では、UF-XS実験飛行艇とUS-1A 78号機が空宙博で展示されるまでの道のりを展示。US-1A 78号機が到着した際の様子や、UF-XS実験飛行艇の修復の様子を映像で見ることもできますよ!

ミュージアムショップには、UF-XS実験飛行艇にちなんだお土産も!企画展開催中だけゲットできるアイテムもあるので、ぜひ覗いてみてくださいね。

さらに、企画展の開催期間中には、UF-XS実験飛行艇にちなんださまざまな講演会や体験教室、イベントも実施しています。どれも好評で、すでに満席となっているものもあるので、興味のある方はぜひ早めにご応募を!

UF-XS実験飛行艇を至近距離で眺めながら、飛行艇の歩みを知ることができる企画展「空とぶ船UF-XS展―荒波をこえる飛行艇のはじまり―」。夏休みのお出かけに、ぜひ足を運んでみてくださいね!

(企画展「空とぶ船UF-XS展―荒波をこえる飛行艇のはじまり―」のフライヤー、ポスター、パネルのデザインは、株式会社リトルクリエイティブセンターが担当させいただきました。)



企画展「空とぶ船UF-XS展―荒波をこえる飛行艇のはじまり―」

期間:2022年7月16日(土)〜10月10日(月・祝)
※期間中休館日:7月19日(火)、9月6日(火)、9月20日(火)
場所:岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 1階 A3ゾーン
料金:企画展入場料無料(別途入館料が必要)

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

住所:各務原市下切町5-1

開館時間:10:00〜17:00(土日祝は18:00まで)※最終入館は閉館の30分前まで

入館料:大人 800円、高校生 ・60歳以上 500円、中学生以下は無料

休館日:第1火曜(祝日の場合は翌平日休み)、年末年始(12月28日〜1月2日)

TEL:058-386-8500

WEBサイト:http://www.sorahaku.net/index.html

2022年08月10日作成
関連記事