【白川町】農LAND BEER

岐阜県中濃エリア、加茂郡白川町にある「農LAND BEER(ノウランドビアー)」さんに行ってきました!

2022年にTOFU magazineで取材をさせていただいた、白川町黒川地区でオーガニック農園を営む「暮らすファームSunpo」さんが、2023年6月にオープンしたクラフトビールの醸造所。以前は更地だった場所に暗紅色の立派な建物が建っていました!

※《TOFU magazine 旅する岐阜 30》/【白川町】暮らすファーム Sunpoの記事はこちら

周囲に広がるのは、森林率9割以上という白川町の山林と里山の景色。

“農LAND BEER”は、“里山をまるごと遊び場に!”という想いから、<農を軸にした遊び場=農LAND>と名付けられました。さらに、英語表記は「ИOLAND BEER」で、“農のネガティブなイメージをポジティブに!NOの概念にとらわれず、ひっくり返しちゃおう!”と、「NO」の文字をひっくり返しているんだそう!“農夫が造るクラフトビール”として、多くの想いが込められているんですね。

左から吉田さん、児嶋さん、菊地さん

白川町に2012年に移住して就農し、「暮らすファームSunpo」を立ち上げた児嶋健さんと、2022年に移住して新卒で入社した吉田未沙希さん、2023年に移住した菊地啓太さんの3人が主となってビールの醸造を手掛けています。

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実は、今回農LAND BEERさんを訪れたのは、ある特別なビールの醸造の過程を取材させていただくためでした。そのビールとは、東京・日比谷にある岐阜のアンテナショップ「岐阜トーキョー」が2025年4月にオープン2周年を迎えるのを記念して発売する、限定の「岐阜トーキョー×農LAND BEER コラボビール」なんです!

この日、コラボビールの醸造を行うということで現場に潜入…!その様子をレポートします!

まずは、ビール造りの流れを簡単に説明すると、

「糖化釜」(写真の一番右)に麦芽(モルト)にお湯を入れて糖化し、麦汁を作ります。

「煮沸釜」(写真の中央)に麦汁を移して煮沸し、ホップや副原料を投入します。

冷却して「発酵タンク」(写真の一番左)に移し、酵母を入れてアルコールを発生させます。

貯酒・熟成をして完成です!

タンク1本で約300ℓのビールが造れます。「糖化釜」で麦汁を造るために1回に使用する麦芽は、なんと75kg!糖化が終わった廃棄麦芽は、田畑にまいて肥料にすることで再利用し、持続可能な社会の実現に取り組んでいます。

岐阜トーキョー2周年記念のコラボビールは、どんなビールがいいか事前に打ち合わせを重ねて、「ジンジャーセゾン」に決定しました!

「セゾンビールという、爽やかで飲みやすいスタイルのビールがベースで、岐阜県産の生姜を入れることでほんのりと生姜が香り、昼飲みにもおすすめの一杯になると思いますよ!」と吉田さん。早速、ビールの原料や副原料を見せてもうと…。

麦芽は大麦と小麦を使用することで、柔らかな口当たりになるんだそう。焙煎していない麦なので、仕上がりは黄金色になります。副原料には、美濃加茂市で有機栽培された生姜をスライスして水に漬け、アクを抜いて投入します。それにしても、なんて大きくて立派な生姜…!

ビールに香りや苦味をつけるホップは10種類ほどを使い分けていて、今回のコラボビールでは、アロマホップと呼ばれる香り付けの「アイダホ7」と苦味をつける「ナゲット」をセレクトしているそう。どちらも美味しそうな名前ですね!(笑)

「煮沸釜」に移した麦汁を煮沸しながらホップを入れ、スライスした生姜もネットに入れて投入!

ホップや副材料は入れるタイミングや量によって風味の出方が変わるため、事前によく検討し、製造途中でも何度か数値を測って記録しながら調整を行います。

しばらくすると、醸造所の中はいわゆるビールらしい匂いと、かすかな生姜の香りが充満!この後、煮沸が終わった麦汁を冷却して酵母を加え、貯酒・熟成して1〜2週間ほどでコラボビールが完成します。醸造の現場を覗いたおかげで、一体どんなビールができあがるのか、ますます楽しみになりました!

近年、人気が高まっている小規模なブリュワリーで造られるクラフトビールですが、その特長はなんといっても個性的な味わいとバラエティの豊富さ。醸造の過程で地元のフルーツやハーブ、農産物、スパイスなどの副原料を加えることで、その地域ならではの味わいのビールを造ることができるんです。

農LAND BEERさんでも、“白川町らしさ”、“里山のフレーバー”、“農夫がつくるビール”といった軸を大切にさまざまなビールを生み出しています。

定番は「暮らすファームSunpo」の農園で育てた無農薬米を使用したラガービール「ライスラガー」、香り高いホップをたっぷり使用してパンチがありながらも飲み飽きない「農LAND IPA」、白川町産のほうじ茶をを使用した「ほうじ茶アンバー」、白川町産の和紅茶を使用した飲みやすいペールエールの「和紅茶エール」といった6種類。

定番の中でも、日本で初めてバナナを食べた人物とされる織田信長にゆかりのある岐阜で作られている「信長バナナ」をヴァイツェンスタイルにブレンドした「信長バナナヴァイツェン」は、そのユニークさで話題に!

期間限定ビールには、原木栽培しいたけを使用した「だしエール」や、レモンとレモンバジルとレモンバームの3種類のレモンを使用した「トリプルレモンサワー」などの変わり種も。とにかく、それぞれに全く異なるベクトルのビールなので、何種類も飲み比べて、自分好みのビールを見つけていくのもクラフトビールの楽しみ方の一つです!

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岐阜トーキョー×農LAND BEER コラボビール「ジンジャーセゾン」は、ただいま、オリジナルラベルも製作中!岐阜トーキョーで2025年3月22日(土)〜26日(水)に開催される白川町イベント「はじめまして、白川町」でひと足先にお披露目され、販売がスタートします!

岐阜トーキョーと農LAND BEERがコラボした限定ビール、どうぞお楽しみに!


農LAND BEER

住所:加茂郡白川町黒川2412

TEL:0574-80-0016

Instagram:@nohland_beer

WEBサイト:https://nohlandbeer.com/

オンラインストア:https://nohlandbeer.base.shop/

2025年03月14日作成
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