【岐阜市】十八楼離れ 宿いとう

清流長良川の左岸、かつて川湊として栄えた“川原町”エリアに、2023年5月にオープンした長良川の景色を一望できる一棟貸しのヴィラ「十八楼離れ 宿いとう」さん。

敷地内には、春を告げる鳥の「鶯(うぐいす)」と「燕(つばめ)」と名付けられた1日1組限定のヴィラが2棟あり、そのうちの「鶯」を見学させていただきました!

玄関を入ると、立派な欅(けやき)と杉でできた大正時代の箪笥など、歴史を感じる調度品が迎えてくれます。

ふと見ると、玄関に「旧いとう旅館のパンフレット」が飾られていました。

実はこちらは、昭和21年から鵜飼観覧を楽しむ旅行客をもてなす宿として営業していた「いとう旅館」さんが平成2年に休業されて以降、長らく使われなくなっていた建物を活かしてリノベーションし、長良川温泉で160年以上の歴史を持つ老舗旅館「十八楼(じゅうはちろう)」さんが離れとしてオープンした宿なんです。

「いとう旅館の2代目女将だった照子さんは『この旅館を岐阜の観光のために活用してほしい』と遺言を残されていたと知り、その遺志をなんとしても受け継がなくてはとの想いで、この『宿いとう』をオープンしました」と、ご案内してくれた十八楼女将の伊藤知子さん。

いとう旅館さんは、皇族や政治家、著名人らが鵜飼観覧をする際の定宿として愛されていた宿で、小説家・舟橋聖一氏の長編小説「白い魔魚」の舞台にもなっています。 実際に舟橋聖一氏はいとう旅館「桜の間」で原稿を執筆しており、昭和31年に「白い魔魚」が映画化された際も、いとう旅館がロケ地として使われたという由緒ある旅館でした。

ダイニングへ続く廊下の大きなガラス戸越しに見渡せる庭園には、いとう旅館の頃からの灯籠(とうろう)や蹲(つくばい)が置かれていたりと、宿のそこかしこに往時のいとう旅館の面影を見つけることができます。

広々としたダイニングは、窓の向こうに長良川を望む絶好のロケーション!

夕食は宿にキッチンや電化製品も完備されているので、岐阜の食材を使って料理を作ることもできますし、十八楼本館のレストランをはじめ、川原町エリアにある和食料理店、フレンチレストラン、鮎料理専門店、飛騨牛料理店などに出かけて、岐阜ならではの料理を堪能するのもおすすめです。

また、朝食は十八楼本館でバイキング(要予約)がいただけます。もちろん、近くの喫茶店やカフェ、パン屋さんなどで岐阜名物のモーニングを楽しむのも◎。

※「宿いとう」の食事についての案内はこちら

見上げると開放的な高い吹き抜けの天井には、太くて立派な梁が巡らされ、梁と梁を斜めに結ぶ火打梁(ひうちばり)が組まれているのもよくわかります。

浴室はモダンな六角形の露天風呂とシャワールームを完備。こちらも庭園と木々の向こうに長良川を望むことができて、なんとも贅沢…!「宿いとう」の宿泊者は、徒歩5分ほどの十八楼本館の長良川温泉にも無料で入浴できるので、ゆっくり温泉に浸かりたい方はそちらを利用するのもおすすめです。

1階のベッドルームには、セミダブルのベッドが2つ備えられているほか、宿泊者の人数に合わせて2階の和室にも敷布団を用意してもらえます。

2階には広い窓から長良川が眺められる落ち着いた広縁と、9畳と8畳の和室が2つ。こんな空間でのんびりと本を読んだり、ぼんやり川の景色を眺めたりしたら、どれほど気持ちがいいことでしょう!

鶯の2階の窓には、旧いとう旅館にあしらわれていた波状の造作が美しい無双窓(むそうまど)が残されています。手前の縦格子を左右に動かすことで開閉ができ、この窓のおかげで屋内に心地よい風が通るのだそう。それにしても、とても粋な欄間窓ですよね。

時代や歴史、職人の手仕事の素晴らしさを随所に残しつつ、現代のモダンさや過ごしやすい快適さも取り入れて、川原町で新しい歴史を紡ぎ始めた「宿いとう」さん。

大切な人を岐阜にお招きするときにはもちろん、自分や家族、友人と特別な思い出の時間を過ごしたいときにも、ぜひこの素晴らしい宿に泊まってみてくださいね。


十八楼離れ 宿いとう

住所:岐阜市元浜町35-6

営業時間:チェックインは15:00~、チェックアウトは~11:00までで、いずれも十八楼本館にて受付

WEBサイト:https://yadoito.18rou.com/

TEL:058-265-1551(十八楼)

予約サイト:宿いとう公式予約サイト

2023年10月01日作成
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