《TOFU magazine 旅する岐阜 33》/【坂祝町】SHIBATA RACING TEAM 蕎麦切広大

TOFU magazine 33」に掲載した特集記事をご紹介しています。
岐阜県の42市町村を1号につき一つずつめぐる特集「旅する岐阜」。第33回は坂祝町を訪れました。

《旅する岐阜33 Sakahogi 》

チームでドリフトレースに挑み
世界のトップを目指す

きっかけは、父親と出かけたレース観戦だった。小学5年生の少年は、眼前で爆音と白煙をあげてサーキットを滑走するドリフトレースに瞬く間に魅了された。「ひたすら迫力があって、車も選手も、かっこいい!と思って」。

彼は今、レーサーとして、その憧れの舞台に挑んでいる。加茂郡坂祝(さかほぎ)町にある柴田自動車のSHIBATA RACING TEAMエースドライバー、蕎麦切広大(そばぎり こうだい)さん。

神奈川県生まれの広大さんは、小学生でドリフトレースに魅せられ、1/10サイズのラジコンカーでドリフトの技を競う「ラジドリ」の存在を知ると、13歳でラジコンカーの操縦を始める。すぐさま頭角を現した彼を周囲の大人たちは皆、心から応援し、親身になってサポートしてくれた。

そんな彼に「うちのチームでやってみないか」と声をかけた人物がいた。柴田自動車の代表であり、自社に精巧なラジコンコースを備え、培ってきた自動車に関する技術を活かしてラジコンカー製作も展開していた柴田達寛さんだった。

柴田自動車とスポンサー契約を結んだ広大さんは、ラジドリに没頭。毎月のように大会に出場し、夏休みは1カ月間、坂祝町に滞在してラジコン操縦の腕を磨いた。

ある日、柴田さんが言った。「本物の車のレースに出ないか」。柴田自動車でチームを結成して、1/1サイズの本物のレースカーを作り、ドリフトレースに参戦しよう、と。それは、地域密着の“まちの車屋さん”として2代にわたり技術を築き上げてきた柴田自動車と、ドリフトへの情熱でテクニックを磨いてきた広大さんが出逢ったからこそ起きた奇跡だった。

「素直に嬉しかったですね。やれるかどうか、自分の才能への不安よりも、やってみたい、という気持ちの方が大きかったです」。

2017年、広大さんは21歳で柴田自動車に入社。SHIBATA RACING TEAMのドリフトレーサーとして、2020年に国内最高峰のドリフト競技大会D1グランプリでデビューを果たした。翌年からはFORMULA DRIFT JAPANにも参戦。年々着実に実績を伸ばし、今年は全10戦が行われるD1グランプリで年間チャンピオンを狙う。

「ラジコンの時代から、僕は一人で走ってるんじゃない。周りのいい方々に恵まれて、チームやファンのみんながいてくれて、走れています。だから、プレッシャーは感じません。プレッシャーって、そこにたくさんの人の応援があるってことだから、むしろ嬉しいし、その期待に応えたいと思います」。

彼の眼差しはまっすぐ勝負の先へ、世界トップの座に輝く夢へと向けられている。

柴田自動車では、約30年前に製造された日産SKYLINE R31型を扱う専門店「R31HOUSE」を展開するほか、タイヤメーカーとしてオリジナルタイヤの「シバタイヤ」も製造販売している。

柴田自動車 SHIBATA RACING TEAM
加茂郡坂祝町黒岩1081
TEL.0574-25-5011
https://drift-koudai.com/
Instagram @koudai.sobagiri

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2023年12月25日作成
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