《TOFU magazine 旅する岐阜 18》/【瑞浪市】カマドブリュワリー

TOFU magazine 18」に掲載した特集記事をご紹介しています。
岐阜県の42市町村を1号につき一つずつめぐる特集「旅する岐阜」。第18回は瑞浪市を訪れました。

《旅する岐阜18 Mizunami 》

釜戸生まれのクラフトビールで
東濃を盛り上げていきたい

定番や限定のクラフトビールは、随時オンラインストアで販売されるほか、毎週日曜の9:30~醸造所でも直売

2020年12月。瑞浪市釜戸町に設立された小さなクラフトビール醸造所「カマドブリュワリー」に、90人近くの地域住民が招かれ、初めて造られたビールが披露された。

この地方で久しぶりという意味の方言「やっとかめ」から名付けられた「Yatto Came Ale(やっとかめエール)」や、工夫するという意味の「勘考」になぞらえた「Kan & Co.IPA(かんこうアイピーエー)」などの4種類。ネーミングの親しみやすさもあり、日頃は個性的なクラフトビールに馴染みの少ない年配の住民にも評判は上々。醸造所に笑顔があふれた。

発端は東恵理子さんと岡部青洋さんが参加したある飲み会での会話だった。東さんは釜戸町の出身。全国の地方創生やまちづくり事業に関わってきた経験とビール好きな一面からある構想を抱いていた。

「故郷の岐阜県東濃エリアにクラフトビールが誕生すれば、地域活性化の可能性が広がる」。

たとえば、五平餅や朴葉寿司、栗きんとんなどの郷土料理とのペアリングや、伝統産業の美濃焼の酒器とのコラボ、中山道の宿場町と醸造所をめぐるビアツアーの開催。アイデアは尽きなかった。一方で、岡部さんは静岡県浜松市出身で、ドイツに留学経験がある自称〝ビール宣教師〞。同じ東濃の多治見市でまちづくりの仕事をしており、東さんの構想を聞いて「東濃にクラフトビールの醸造所を造ろう!」と意気投合した。

二人の夢の実現を可能にしたのが、ベテラン醸造家の丹羽智さんだ。出身地の中津川市で1997年から「博石館ビール」の醸造を手掛け、岩手県、山梨県、静岡県でもブリュワリーの立ち上げや醸造責任者を務めてきた日本のクラフトビール界の第一人者。二人は構想をまとめた紙一枚を携えて彼のもとを訪れた。

東濃にブリュワリーを造る。それはまだ、夢のような話だった。

しかし、還暦を過ぎていずれ故郷に戻りたいと考えていた丹羽さんは、やがて、釜戸町を醸造家としての最後の地に決めた。

こうして、年齢も性別も来し方も違う三人が出会い、カマドブリュワリーは誕生した。多様なスタイルの醸造経験を持ち、好奇心と独創性に満ちた丹羽さんは、醸造所のオープンから約半年で20種類近いビールをリリース。いずれも販売直後に完売する人気ぶりだ。

「常にどんどん新しいビールを造っていきます。クラフトビールにはいろんな世界がある。それを皆さんに楽しんでいただきたいですから」。7本のタンクの前で丹羽さんは嬉しそうに笑う。今年10月にはビアバーを併設し、徐々に設備も拡大する。

三人は今、壮大な夢の一歩を踏み出したばかりだ。

カマドブリュワリー
岐阜県瑞浪市釜戸町3154-3
TEL.0572-51-2620 
https://camado.jp/
Instagram:@camado_brewery

※販売についての詳細は公式ウェブサイトやSNSにて要確認
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2021年09月05日作成
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