【柳ケ瀬】フィルム映画館の舞台裏!/ロイヤル劇場

岐阜市にぎわいまち公社さんが主催する「親子・大人の社会見学 柳ケ瀬商店街探検隊」のプログラムのうちの一つ、「フィルム映画の舞台裏を見学」が3月25日に開催され、子どもを含む15名が参加しました。

舞台は、先日1階にBLUE BLUE GIFUがオープンし、話題となっているロイヤル劇場。

今年で40周年を迎えるこの映画館は、現在もフィルム映画が常時上映されている全国的にも珍しい場所です。

昭和の香り漂う入り口からエレベーターで4階へ。

いつもなら客席へ向かうところを、この日は特別に階段でさらに上へあがり、映写室に案内していただきました。

2台の映写機が並ぶ小さな部屋で待っていたのは、現役の映写技師である橋本義信さん。

昭和41年から半世紀もの間、ロイヤル劇場のスクリーンに映画を映し出してきました。

橋本さんが柳ケ瀬に来た頃は、日本ではちょうど映画の全盛期。この街にも10軒以上の映画館があり、休日や雨の日には立ち見が出るほどの盛況ぶりだったといいます。

映画技師は花形の職業で「働くのが楽しい時代だった」と、橋本さんは当時を振り返ります。

その後、映画産業は衰退していき、息を吹き返す時期もあったものの、現在ではフィルム映画を上映している映画館はほとんどありません。

映写機が残っていたとしても、フィルムそのものが傷んでしまっていたり、映写機を動かすための部品がもう製造されていないため、上映することが難しいのが現状です。

そんななか、常時フィルム映画を上映しているロイヤル劇場が、いかに貴重な存在であるかがひしひしと伝わってきます。

ひと段落ついたところで、映写機の中身を見せてくださいました。

参加者の皆さんは初めて見る映写機を目の前に、カメラを構え興味津々!

投光器のふたを開けると直視できないほどの強い光が漏れ出します。

昔、橋本さんは映写機の光で目を火傷したことがあるとか…

当時の映写機にはカーボンが入っており、そこに電流を流すことで発光するという仕組みです。

橋本さん曰く、カーボンの入れ替えが腕の見せどころ。映画が途切れないように瞬間的に入れ替えます。同じ機械でも、一台一台クセがあって映画技師はそれを頭に入れたうえで、映写機と付き合っていく。まさに職人技でした。

フィルムをつなぐ作業を実演していただきました。

現在、ロイヤル劇場で上映しているフィルムは、何十年も映画会社の倉庫で眠っていたフィルム。傷つきもろくなっている部分を事前に取り除いて上映できる状態にする必要があります。それでも上映中にフィルムが切れることもあるそうです。そんなときは映写技師が手際よくフィルムをつないで上映を再開します。

専用のテープで固定し、刃のついた道具で挟み込むとくっつく仕組みになっていますが、こちらも刃の部分がもう製造されていないものだそうです。

参加者の女性がこの作業を体験してみることに!見事、成功していました!!

さて、夢中で橋本さんの話に聞き入っていると、いつの間にか映画の上映時刻が迫っていました。現在は映写機が全自動式になっているため、上映時刻になると自動で映写機が動き出します。この日の上映作品は「ゴルゴ13」、すでに客席にはお客さんの姿が見えます。

20kg近くもあるという、大きなフィルムのロールが、くるくると動き出したのを見届けてから、わたしたちも客席へ。

橋本さんは、「世の中がいくら発達しても、こういうもの(フィルム映画)が残っていけばいい。」とおっしゃいます。その話しぶりからは、フィルム映画をこよなく愛す橋本さんの想いが伝わってきました。

舞台裏を知ると、ものごとが違って見えてくるのがおもしろいですね。

ロイヤル劇場では「昭和名作シネマ上映会」と題し、入場料500円でフィルム映画を楽しむことができます。客席後方の映写室の小窓に、橋本さんと相棒の映写機を感じながら楽しんでみてください!


ロイヤル劇場

住所:岐阜県岐阜市日ノ出町1丁目20

HP:http://www.tochiko.co.jp/royal.html

 

2017年03月27日作成
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