【各務原市】奥村晃史展「村国theミュージアム」11/6まで開催中!
各務原市在住の画家・奥村晃史さんの個展「村国theミュージアム」が、2022年10月22日〜11月6日に各務原市各務おがせ町にある村国座で開催されています!
とにかくインパクトあるチラシに導かれて、さかだち編集部も観覧に行ってきました!
作品が展示されている会場は、なんと国の重要文化財にも指定されている芝居小屋の「村国座」。
村国座は、壬申の乱の英雄「村国男依」を祭神にまつった村国神社の境内にあり、年に一度の祭礼で地芝居を奉納上演するために明治10年ごろに建設されました。こんな歴史のある建物で、どんな風に現代アート作品が展示されているのか…入る前からわくわくします!
そして、木戸をくぐるとその先には…
奥村晃史さんのなんとも独創的で、どこか神秘的でさえある世界観が広がっていました!
中央正面の舞台の前には、奥村さんと二人の陶芸家がコラボレーションした狛犬(こまいぬ)ならぬ「狛羊」や「狛山羊」が鎮座しています。
手前の「狛羊」は岐阜市で「陶房蟲蔵(むしくら)」を主宰する陶芸家の大野裕之さんが制作。羊毛のかわりに大野さんの作品のシンボルでもある棘(とげ)をまとった姿が異彩を放っています。
奥にある「狛山羊」は各務原市在住の陶芸家・木村洋子さんが制作した陶作品。奥村さんをイメージしてチャーミングに着飾っているのだそう!
中央の舞台に展示された2つの作品は、今回の個展のために描き下ろされた新作で、1941(昭和16)年に各務原飛行場で初飛行し、各務原市で生産された三式戦闘機「飛燕(ひえん)」をモチーフとしています。
「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館に展示されている機体を初めて見たときから、いつか“飛燕”を描きたいと思っていました。でも、最初はイメージを膨らませても行き詰まってしまったんです。そこでまず、僕がいつもモチーフとしている家畜を描き、そこに飛燕のエッセンスを入れていくことで、自分らしい絵を完成させることができました」と奥村さん。
今にも歩き出しそうな羊と山羊の体からは、飛行機の翼や尾翼が生えています!羊のふさふさとした毛のリアルさと、可愛らしいワッペン、金属質な翼との対比…。実物を間近でじっくり観るほどに、本当にこんな羊がどこかに存在するような、現実と空想の境界が曖昧になっていくような不思議な感覚に陥ります。
回り舞台にはおがせ池の鯉が描かれた布が敷かれていて、その上を歩くことができます。
こちらは「黄金の羊」と「黄金の山羊」。黄金に輝く五重塔や東京タワーの角が生えていて、その神々しさに、つい手を合わせて拝みたくなりますね。
奥村さんの作品に登場するのは、羊や山羊、豚、ウサギなど、家畜や身近な動物たち。「家畜って、人間が生きる上で利用するために育てている動物ですよね。そういう“野生ではない動物”には、どこか“人間らしさ”が備わっているような気がします。だから、僕は家畜というフィルターを通して、人間や人間の社会像を描いているんです」。
トラディショナルなネクタイを巻いた羊、発光する飾りをつけた山羊、小さなティディベアをたくさんぶら下げた子羊、おしゃれなパッチワークをまとう豚…。
たしかに、そこに描かれている動物たちはそれぞれに人間のような個性を備えていて、ふと身近な誰かのことが思い浮かんだり、クスリと笑いたくなったりと、どの作品にも思わず引き込まれてしまいます。
一見するとユーモラスで可愛らしい動物たちの中に、はっとする気付きが隠されているんですね。
さらに、会場には写経ならぬ「写動物」が無料で体験できるスペースも!
こちらでは、奥村さんの絵画がセットされた転車台に半紙を重ねて、ペンでなぞりながら描き写すことができるんです。最後に判子を押して完成させた後は、記念に持ち帰ることも、寄贈して会場に展示することもできますよ!
会場では、展覧会の記念図録やポストカードなども販売しています。
また、今回の展覧会は、VRで体験することもできるんです!遠方で会場を訪れることができない人も、これから展覧会を観に行く予定の人も、ぜひバーチャル展覧会を楽しんでみてくださいね!
奥村晃史さんの「村国theミュージアム」は、「美術館やギャラリーに出かけるのは敷居が高い…」「アートって難しそう…」と思っている人も、気軽に観覧できて楽しめる展覧会です。
各務原市では、11月3日には「マーケット日和」も開催されますので、合わせて村国座にも足を運んでみてくださいね!
(奥村晃史個展「村国theミュージアム」のフライヤーのデザインは、さかだちブックスを運営する株式会社リトルクリエイティブセンターが担当させていただきました。)
奥村晃史展 村国theミュージアム
会場:村国座(各務原市各務おがせ町3-46-1)
会期:2022年10月22日(土)〜11月6日(日)
展覧時間:11:00〜16:00
観覧料金:無料
駐車場:無料駐車場あり
WEBサイト:https://www.kakamigahara-mirai.or.jp/event/2413/
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