【本巣市/北方町】岐阜農林高校 まくわうりひろめ隊
織田信長の好物だったと伝わるウリ科の果物「まくわうり(真桑瓜)」。岐阜県の伝統的な野菜の一つですが、岐阜県民であっても「よく知らない…」という方もいるのではないでしょうか?
そんなまくわうりの知名度向上のため、岐阜農林高校で「まくわうりひろめ隊」という活動があると聞き、取材に行ってきました!
まくわうりひろめ隊とは?
お話を伺ったのは、「まくわうりひろめ隊」に立ち上げから関わっている岐阜農林高校動物科学科の広瀬大和先生。
「まくわうりひろめ隊の活動が始まったのは2013年です。まくわうりは本巣市(旧・真桑村)が特産地と知られていて、江戸時代には将軍家に献上され、日本各地で生産されていました」。
しかし、新たな品種の果物の誕生や、人々の嗜好の変化により、消費量は徐々に減少しています。本巣市でも作り手が減っていく中、「地元の食文化を受け継いでいきたい」という想いで結成されたのが、岐阜農林高校動物科学科の生徒たちによる「まくわうりひろめ隊」です。
「最初に開発したのはアイスクリームです。まくわうりの特徴である、豊かな香りや、さっぱりとした甘さを引き出すよう、生徒たちが試行錯誤して完成させました」。
早速、真桑瓜アイスを試食させていただくと、なるほどメロンのような芳醇な香りが口いっぱいに広がります!ウリ科の果物特有のざらつきが少なく、あっさりとした甘みも感じられます。
「真桑瓜アイスは、試食していただいた藤原勉本巣市長にもとても好評で、地元の道の駅やJA、直売場などで販売することになりました。ところが、まくわうり自体の知名度が低いために、なかなか手に取ってもらえなくて…。そこで、まくわうり自体のPRにも取り組むようになったんです」。
パンフレットや絵本の制作や、ゆるキャラの考案、収穫イベントの開催、店頭販売…。生徒たちのアイデアや特技を活かし、さまざまな広報活動を実施!
さらに、樽見鉄道とコラボした「まくわうり列車」の企画も行われました!
そんなさまざまな広報活動は、メディアでもたびたび取り上げられ、徐々に地元での知名度が向上。「真桑瓜アイス」は発売から2年で10,000個を売り上げる人気商品となっていったのです。
地元企業と協力して商品開発
その後も、まくわうりひろめ隊の活動は生徒たちに脈々と引き継がれ、御菓子所吉野屋さんとは、一緒に「まくわうり大福」を開発。
さらに本巣市でオリジナル麺の製造を行う「ナガヤワークス」さんと協力して「まくわうり拉麺(ラーメン)」の開発にも取り組みました。
「まくわうりは加熱すると風味が飛んでしまうため、生徒たちは長年、麺にまくわうりを練り込む方法を研究し続けてきました。その結果、未熟な果実を使うことで色や食感が活かせると発見したんです!」。
できあがった「まくわうり拉麺」は、2022年の「ぎふ信長まつり」で販売。まくわうりの爽やかな香りや、つるりとした舌触りやもちもち感がおいしいと好評だったそうです!
新たに生まれる商品にも期待!
現在、まくわうりひろめ隊として活動しているのは、動物科学科の7人の生徒たち。取材に伺った日も、商品開発の方向性について話し合いをしたり、試作を行ったりと、開発に勤しんでいました。
「アイデア出しや試作は大変ですが、商品やイベントを通じて地域の方にまくわうりを知ってもらえるのが嬉しいです」と岐阜農林高等学校動物科学科3年の小寺里奈さんと櫻井優里奈さん。
(左から)小寺里奈さん、櫻井優里奈さん
現在はまくわうりの饅頭や、シフォンケーキ、石鹸の開発に挑戦中だという「まくわうりひろめ隊」の皆さん。生徒たちのアイデアや創意工夫でどんな商品が生み出されるのか、今から楽しみです!
※「まくわうりひろめ隊」さんは、本巣市の「広報もとす」2023年8月号のさかだちブックスの連載コラムでもご紹介しています。
岐阜農林高等学校 まくわうりひろめ隊
住所:本巣郡北方町北方150(岐阜農林高等学校)
Instagram:@makuwauri_hirometai
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