【東京】体験型の作品が約40点! レアンドロ・エルリッヒ過去最大の展覧会!

さかだちブックスを運営するリトルクリエイティブセンターの東京事務所からもすぐ近く、六本木の森美術館で開催中の「レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル」。

エルリッヒはアルゼンチン出身の現代アーティストで、日本では金沢にある21世紀美術館の「スイミング・プール」でご存知の方も多いのではないでしょうか?

今回の展覧会はエルリッヒの24年間を遡る過去最大規模のものとなります!

「 体験こそがアート、世界が違って見えてくる!」のキャッチコピー通り、ほとんどが体験型の作品で、日本の美術館としては珍しく写真撮影も自由にできます(フラッシュ撮影禁止)!

約40点の作品は自らが作品の中に入り込むことで、常識が覆されたり、普段当たり前すぎて気がついていないことに目を向けさせてくれます。

 

例えば、展示室に入って最初に登場するこちらの作品。

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《反射する港》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

一見水の上に浮かぶボートのようですが、よくよく見ているとそこに水面は無いことに気がつきます。

わたしたちはボートは水の上に浮いて入るものだという固定概念を持っているから水面があると錯覚してしまうのです……!

作品の仕掛けに気がついたときのハッとするような驚きはまさに快感。

 

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《雲》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

無秩序なものに秩序や形を与えようとする人間の習性を自覚させてくれる《雲》という作品。

各国の形をした雲が並んでいるのですが、自分が形を知らない国はただの雲にしか見えません。一方、日本は作品名を見なくても自然と日本列島だと認知してしまうのです!

日常的にも、空に浮かぶ雲に何かの形を見出そうとする瞬間が誰にもあると思いますが、その無意識な習性を改めて体験できました。

解説には「数十万年単位でみれば雲と同じように、変化を続ける地形に対して人間が勝手につくりだしたものが国家なのだ」とも。

 

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《教室》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

廃校になった教室を舞台にしたこの作品は今回の展示のための新作! 観客がガラスに映り込むことで自身が亡霊のように現れるという仕掛けで、現代日本が抱える「少子化」「過疎化」に対しての問題提起でもあります。

エルリッヒの作品はテーマが分かりやすく、社会的な問題提起を受け取りやすいのも、今回の展示が人気な理由の一つかもしれません。

 

作家名/作品名:レアンドロ・エルリッヒ《建物》
この写真は「クリエイティブ・コモンズ表示 – 非営利 – 改変禁止 2.1 日本」ライセンスでライセンスされています。

そして、一番の目玉作品がまるで重力に逆らって建物の壁面をよじ登って入るかのような写真が撮れる大型のインスタレーション。

巨大な鏡を利用した単純な仕掛けですが、写真で見ると騙されること間違いなし。

順番待ちの列が絶えない人気ぶりでした。

みなさんユニークなポーズで上手によじ登っていますが、これが意外と難しい……!

撮影係が必要なので、複数人で遊びに行くことをおすすめします!

 

子どもから大人まで体全体で楽しめる「レアンドロ・エルリッヒ展」。

純粋に体験を楽しむのはもちろんのこと、「見ることのリアル」という副題のとおり、自分の眼に映る物事を一度疑ったり考え直すことで、身近な世界がもっとおもしろくなるような展覧会でした!

4月まで開催していますので、東京にお出かけの際はぜひ足をお運びください。


レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル

会 期:2017年11月18日(土)〜2018年4月1日(日) ※会期中無休
会 場:森美術館
住 所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
時 間:10:00〜22:00 (最終入館 21:30)
※火曜日のみ、17:00まで(最終入館 16:30)
料 金:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳ー中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円
H  P:https://www.mori.art.museum/jp/index.html

2018年01月05日作成
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