【白川村】村民みんなで祝うお盆の成人式「当日編」

この記事は2020年9月にリリースされるWEBメディア「飛騨日日新聞」編集部による投稿です。さかだちブックスではサイトオープンまでの間、プレ投稿として記事を更新していきます。
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■ 村民みんなが待ちわび、迎えた当日

■ オンライン成人式開幕!

■ 想像を越える素晴らしい時間に

豪雪地帯である白川村は岐阜県で唯一、お盆の時期に成人式が開かれます。毎年、荻町にある野外博物館「白川郷合掌造り民家園」に新成人とその家族が集まり、色鮮やかな浴衣を身にまとった新成人の門出を祝う、村ならではの成人式です。
しかし、新型コロナウイルスの影響を受け、例年通りの開催ができなくなってしまった今年の成人式。実行委員会はそれでも新成人の門出をお祝いしたいと、「オンライン成人式〜村民みんなでつくる新しい成人式〜」を企画しました。2カ月以上の準備期間を経て迎えた成人式当日の様子をお届けします。

■ 村民みんなが待ちわび、迎えた当日

2020年8月14日、白川村オンライン成人式当日。

村内3カ所に設けられたパブリックビューイング会場には、お祝い旗を手にした村民が集まりました。

例年、会場に集まるのは新成人とそのご家族や来賓が中心ですが、今年は「みんなでつくる」がテーマ。

家族や親戚だけでなく、幼い頃から新成人たちの成長を見守ってきた、たくさんの村民がこの日を待ちわびていました。

本部の白川村役場では実行委員会のメンバーが5台のパソコンを立ち上げ、万全の体制でスタンバイ!

緊張しながらも和やかな雰囲気の実行委員(本部担当班)

今では機材を操る手つきはすっかり慣れたものですが、実行委員会のメンバーは普段はそれぞれ別の仕事をしているため、動画編集や配信については全くの初心者。

この日のために、オンラインでの配信方法を勉強してきたのです。

29名の新成人のうち、参加が叶ったのは15名で、岐阜県内や関東、留学中の海外から参加した新成人も。

その一人一人と接続のチェックを済ませ、式のスタートを待ちます。

■ オンライン成人式開幕!

村民はパブリックビューイング会場で、新成人は自宅で画面を見守る中、オンライン成人式は実行委員長の高森純豊さんの開会宣言と成原村長からの祝辞で開幕!

始まる前は緊張していた高森委員長ですが、新成人へのお祝いと、成人式をつくりあげてきた村民への感謝を堂々と伝えることができ、村長室を出るときには安堵の表情を浮かべていました。

委員長は挨拶が終わるとすぐに本部に戻り画面の中の会場を盛り上げます!

式の冒頭には、ご家族の提供による新成人の幼少期の写真と、現在の写真を収めたスライドショーを上映。

上映後は新成人が一人一人、実行委員会からのインタビューに答える形で元気な姿を見せました!

こうしてみんなの成長を心から喜ぶことができるのは小さな村だからこそ。

家族や親戚の方々とともに地域のみなさんが見守るパブリックビューイング会場は、終始あたたかい空気に包まれていました。

今回の成人式の大きな企画のうちの一つが、村民から新成人へのお祝いのプレゼント。

会場には新成人を祝おうとご厚意で集められたたくさんのプレゼントがずらりと並び、抽選で当選した新成人に贈られます。

中には、29名全員にプレゼントを準備していた村民もいました。

野菜や飲食店のチケット、祝い酒など、どれも白川村らしいプレゼントばかりです!

とうもろこしにお祝いのメッセージが!

当選した新成人には後日郵送でプレゼントが送られます

1時間半におよぶ式はあっという間に終盤を迎え、新成人の恩師からのビデオメッセージ、そして村民からの手づくりのお祝い動画がスクリーンに映し出され、「村民みんなでつくる新しい成人式」は幕を閉じました。

■ 想像を越える素晴らしい時間に

新成人の下方凪さん(写真中央)と両親の健弘さん、亜里砂さん。凪さんはこの日、ご実家からオンラインで成人式に参加。お母さんお手製の浴衣がよく似合っています

成人式の終了後、新成人の下方(したかた)凪さんとご両親に、オンライン成人式についての率直な感想を伺いました。

「最初は例年通りの成人式は中止と聞いていたので、同級生のみんなに会えないのは寂しいなと思っていました。でも、こうして画面越しでも久しぶりにみんなと会えて嬉しかったです!」と笑顔で答えてくれた新成人の凪さん。

式の配信終了後も、画面をつないだまま、同級生との久しぶりの会話に花を咲かせたそうです。

凪さんの晴れ姿をパブリックビューイング会場で見守ったご両親の健弘さんと亜里砂さんは、次のように今年の成人式を振り返りました。

「今日は会場に行って見るだけかと思ったら、家族としてメッセージを伝える場面や抽選会などの企画もあってびっくりしました。正直、最初はちょっと抵抗があったけど、終わってみると参加しているという実感があってとてもよかったです!」(健弘さん)

「私は毎年来賓として成人式に参加していますが、運営側のことも考えると今年の実行委員会のみなさんは本当に大変だったのではないかと思います。オンラインと聞いたときはどうなるのかと思ったけど、もう来年もオンラインでもいいと思えるくらい、想像をはるかに越える素晴らしい時間でした!会場が近かったおかげで、足の悪いおばあちゃんも参加できたのもありがたかったです。」(亜里砂さん)

実行委員会の「こんな状況だからこそ、村民参加型でみんなが楽しめる企画にしたい」という想いは、新成人とそのご家族にもしっかりと届いていました。

健弘さんによると、白川村で夏の時期の成人式が始まったのは昭和50年代後半のこと。昭和、平成、そして令和と、村民が協力して続けてきた村の大切な文化のひとつです。

成人式実行委員会と村の方々のあたたかい気持ちから生まれた手づくりのオンライン成人式。今年の成人式は例年通りが叶わなかったからこそ、村の歴史に残る式になったのではないでしょうか。

白川村の新成人のみなさん、改めましてご成人おめでとうございます!


飛騨日日新聞

世界遺産白川郷で知られている白川村のありのままの日常や、村にゆかりある人を紹介するWEBメディアです。2020年9月創刊に向けて、準備中。

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2020年09月03日作成
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