【本巣市】「脱炭素はじめるガイド」取り組み事例紹介②/大洞印刷株式会社

「脱炭素」とは、地球温暖化の原因となるCO2(二酸化炭素)をはじめとする温室効果ガスの排出量を減らすための取組みのことで、岐阜県でも多くの企業が積極的に脱炭素経営に取り組んでいます。岐阜県商工労働部 新産業・エネルギー振興課では、脱炭素経営を行っている企業の取組み事例をわかりやすく紹介する「脱炭素はじめるガイド」を発行しました。今回は、そのパンフレットの中で紹介されている「大洞印刷株式会社」さんの脱炭素に向けた取組みを詳しく紹介します!

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本巣市に本社工場を構える「大洞印刷株式会社」さんは、クリアファイルや企業のノベルティ、キャラクターグッズなどを中心とした印刷物を手がける印刷会社です。

大洞印刷さんでは、脱炭素の取り組みに限らず、常に会社としてどんな社会貢献ができるかを問い続けてきました。

工場でドイツ製の印刷機を使っていることから、10数年前からクリアファイルを1kg製造するごとに、戦争孤児や怪我をした子どもたちを保護している「ドイツ国際平和村」に1円を寄附するといった活動も行なっています。

そんな中、どんな環境に良いことができるのかを考え、大きく二つの脱炭素に向けた取組みに着手されました。

一つ目は、社内の照明をLEDに変え、さらに印刷機にはCO2排出ゼロの「ゼロ・エミッション」の電源を採用したこと。

これにより電力コストはやや上がりましたが、工場から排出されるCO2の排出量を大幅に削減することができたそうです!

そして、二つ目が大洞印刷さんのメインの商材であるクリアファイルの素材に「グリーンナノ」を取り入れたことです。グリーンナノとはプラスチックに添加することで、焼却時のCO2の排出量を通常のプラスチックよりも約30%削減できる日本発の新素材で、環境にやさしい素材として注目を集めています。

大洞印刷さんはメーカーと共同開発というかたちで、グリーンナノを使ったクリアファイルの製造を、半年間の開発期間を経て2021年秋に実現しました。使い勝手が通常のクリアファイルと変わらないことを重視して開発したため、環境だけでなく、消費者にとってもやさしい商材となっています!

実際に、クリアファイルを製造している現場を見せていただきました!

工場では巨大な印刷機がリズミカルに稼働して、次々とクリアファイルが印刷されていきます。1日の生産量はなんと最大30万枚も…!

ただし、いくらエコな素材を使ったとしても、最も大切なのは「無駄な印刷物を出さないこと」。食品ロスの問題と同様に、必要な分だけ印刷することが何よりも環境に良いことなのです。

そのため、大洞印刷さんでは、印刷の精度が高い「現像レス」の版を使用したり、オンデマンド印刷によって小ロット多品種の印刷に対応することで、できる限り印刷のロスを減らすことにも力を入れています。

大量に安定した印刷を実現するためにコンピューター関連企業の「HP」さんと5年の歳月をかけて共同開発したのが、こちらのデジタルオフセット印刷機。

極めてロスが少ないこの印刷機を持っているのは、日本でたった4社しかなく、アジアで初めて導入されたのが大洞印刷さんなんです…!

さらに、HPさんとの共同開発で改良を重ね、世界で初めて透明素材の印刷を実現しました。

その他にも、工場で出た紙やプラスチックの破片は積極的にリサイクルに出し、今後は社用車を全てEV車に変えることも検討されています。

大洞印刷さんは今後も岐阜県における脱炭素化のリーディングカンパニーの一社として、環境問題の解決に取り組んでいきます。

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「大洞印刷株式会社」さんの脱炭素の取組みについて詳しく紹介する動画がありますので、ぜひこちらもご覧ください!


大洞印刷株式会社

住所:本巣市下真桑290-1

TEL: 058-320-5123(代)

WEB:https://www.obora-pri.co.jp/

2022年03月27日作成
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