【各務原】世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ/前編

各務原市の「河川環境楽園」内にある「世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ」。みなさんは行かれたことがありますか?世界各地の河川や湖などに生息する淡水魚や水辺の生きものを飼育・展示している、世界最大級の淡水魚水族館なんです!

“海なし県”であり、長良川や木曽川、揖斐川といった清流に恵まれている岐阜県ならではの水族館…!ということで、さかだちブックス編集部が取材したみどころを、たっぷり前後編に分けてご紹介します!

まずは入館券を購入して、いざ、水族館の中へ。
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さっそく、大きなカメがお出迎えしてくれました。インド洋のアルダブラ環礁に生息するリクガメのアルダブラゾウガメ。甲羅の長さがなんと80センチを超えていて、間近で見るとかなりの迫力です!

そして、エレベーターに乗って4階へ。こちらの水族館は、4階から1階へと順路が続いているんです。

岐阜県内を流れる木曽三川のうちの長良川の上流から河口までをたどるツアーをスタート!

最上階の4階は天井がガラス張りになっていて、とても開放的!本物の植物を配して、長良川の源流の一つ、郡上市高鷲町叺谷(かますだに)の滝や渓谷を再現しています。

水槽の中には、長良川の源流や上流に生息するサツキマスやヤマトイワナ、環境省のレッドリストに「絶滅危惧Ⅱ類」と掲載されているヤマトサンショウウオなどが展示されています。

4階と3階の一部は吹き抜けになっているので、手摺り越しに3階を見下ろしてみると…。ん?何かが見上げている…?

…その正体は、後ほどじっくりご紹介します!

スロープを降りて3階へ。3階は長良川の上流から中流や下流、河口までの淡水魚や水辺の生きものと出会えます。

長良川上流エリアの「滝壺の魚」に展示されているのはアマゴやサツキマスなど。釣りをする人にとっては憧れの魚かもしれません。ちなみに、どちらも「サケ目サケ科」に属し、一生を川でのみ過ごす河川残留型をアマゴ、川から海へ下って産卵のためにまた川を遡上してくる降海型をサツキマスと呼ぶのだそう!(勉強になります!)

このように体側に斑点(パーマーク)があるのがアマゴです。

こちらは国の特別天然記念物に指定されているオオサンショウウオ。日本の固有種で、70年以上生き、大きな個体は全長1.5メートルにもなるという世界最大級の両生類なのですが、現在はほとんどの生息地で個体数が激減していて、環境省のレッドリストで「絶滅危惧II類」に分類されています。

こうした絶滅の危機に瀕している生きものを飼育・展示を通じて紹介することも水族館の大きな役割なんですね。

瀬と淵の魚の水槽では、オイカワやカワムツ、タカハヤ、アブラハヤなどが泳いでいます。岩の組み方や苔の付き方、シダの生え方なども、とってもリアル。川の中って、こんな風になっているんですね。

そして、長良川といえば”アユ”。「清流長良川の鮎」は、2015年に世界農業遺産に認定されています。

そのほかにも、「水田や用水路の生きもの」や、岐阜県の大垣市周辺と滋賀県の湧水にのみ自然分布するハリヨ、「下流の魚」などの展示があり、夏休みに子どもたちがタモを持って元気よく田んぼのあぜ道や川原を走り回っていた頃のような、どこか懐かしい日本の原風景を感じ取ることができます。

ちなみに、今回の取材に対応してくださった企画広報チームの津々木さんも、子どもの頃に友だちと近くの川によく遊びに行って川辺の生きものや魚をきれいだと思ったことがきっかけで、水族館のスタッフになったんだそう!

「ほかのスタッフも釣りが好きだったり、希少種の保護活動に協力していたりします。魚や水辺の生きものが好きな人にとっては、この水族館はすごく楽しい場所ですね」。

「ゆるい流れの魚」の展示では、水槽を掃除しているスタッフさんの姿も発見!なるほど水族館には、日頃は見えないバックヤードで、たくさんのスタッフが飼育や展示、研究、環境整備、企画や広報など、さまざまな仕事をしているんですね。

さて、前編の一番の見どころポイントがやってきました!それは、コツメカワウソの「ポイントガイド・フィーディングウォッチ」。

実は先ほど4階から見下ろしたときに目が合ったのは、このコツメカワウソたちだったんですね!1日3回のフィーディングウォッチでは、エサを与える様子を公開しています。

魚の切り身が入ったバケツを持って登場したスタッフのひざに手を置いて、じっとエサがもらえるのを待つ姿が可愛らしい…!スタッフがコツメカワウソについて説明をしている間もずっとエサをおねだりしいてました。

エサを水中に投げ入れると、追いかけて水中に飛び込み、見事に両手でキャッチした後、木の枝や岩場に登って食べます。

実はこのコツメカワウソは、日本ではなく中国や東南アジアに生息するカワウソです。かつては日本でも、各地でニホンカワウソの姿を見ることができましたが、河川の汚染や環境の変化、毛皮を目的とした乱獲などで激減し、2012年にはついに絶滅種に指定されました。

こちらの水族館では、日本にもかつてはカワウソがいたことや、ほかにも絶滅が危惧されていたり、すでに絶滅してしまった生きものがたくさんいることなどを学び、考えるきっかけになればと、コツメカワウソの展示をしているんです。

それぞれの展示に、いろんな工夫が凝らされているんですね。「世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ」をまだ訪れたことのない方や、夏休みに家族でどこか近くにゆっくり行きたいなと思っている方は、ぜひ出かけてみてくださいね!

※充実した展示を見ていたら、あっという間に時間が過ぎていましたが、まだまだ展示は続きます!長良川の上流から河口までのツアーの次は、いよいよ世界の河川や湖をめぐる旅へ…。「世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ/後編」をお楽しみに!


世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

住所:各務原市川島笠田町1453

開館時間:9:30〜17:00(土日祝は18:00まで)

入館料:大人1,540円、中学生/高校生1,130円、小学生770円、幼児(3歳以上)380円 ※当日に限り再入館可

定休日:無休

TEL:0586-89-8200

WEBサイト:https://aquatotto.com/

2021年08月09日作成
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