【山県】ヤマウチ工業所/さかだち社会見学

岐阜県山県市旧美山(みやま)地区。
地名の通り、美しい自然に囲まれたこの地域は「水栓バルブ発祥の地」と言われているのをご存知でしょうか?

取材当日は大雨の直後だったにも関わらず、水源に近いため川の透明度が非常に高い。

水道管や蛇口など水回りの様々な部品を製造する企業が立ち並び、澄んだ空気と純度の高い山からの水を使ったものづくりの文化が根付いています。

今回さかだち編集部がお邪魔させていただいたのは、美山地区で「ろう付・バフ研磨」の技術を活かした製品を製造している「ヤマウチ工業所」さんです。

作業ごとに本社工場と第1工場、第2工場と3つの建物に分かれている。

今年で創業55年目。水栓金具部品だけでなく、空調機器の部品やマイクなど多種多様な製品を手がけられているのが特徴の会社です。

早速第2工場の中に案内していただくと、職人さんが手作業で黙々と「ろう付」の作業をこなしていました。ろう付は小学校の時に習ったハンダ付けに似た作業です。
その起源は古く、なんと紀元前3000年ごろにはすでに使われていたのだとか……!

金属部品同士を、高温で熱しながら合金(ろう)で接合するという技法で、金属部品同士を溶かさずに接着することで、高い強度を保つことができるのです!

水回りの部品ということで少しの隙間が漏水につながるため命取り。一つ一つ丁寧にろう付していきます。

炎が緑色なのは、ガスに特殊な液体を混ぜているからで、この液体がろうを行き渡りやすくさせているのだそうです。

職人さんはボッと炎を点火させてから、720〜730度の温度に達するのを目で見極めて、絶妙なタイミングでろうを流し込んで。研ぎ澄まされた感覚で作業をするため、素手で作業されていることに驚きました!

通常ひとつの工場では決まった種類の部品しか製造できないそうですが、ヤマウチさんのものづくりは「小ロット多品種型」。お客さんのニーズを伺って、その状況に合わせた部品や商品を常に新しく生み出す「提案型」です。

さらに部品の調達から組み立て、箱詰めに到るまで、一貫して行なっていることも会社の強みです。

30名ほどの従業員さんの中には、ベトナムや中国など外国籍の方も多い。

続いて案内していただいたのは第1工場の「バフ・研磨」の現場。
ここではろう付けした部品の表面を美しく磨き上げる作業を行なっています。

高速回転するバフに部品を当てて磨くと、輝きのなかった金属の表面が自分の姿が映り込むほどピカピカになりました! 磨き上がった部品には、さらにメッキをかけてコーティング。箱詰めをして出荷という流れになります。

多品種を生産するヤマウチさんでは、多品種をつくられているためこのバフ磨きにも様々な種類のものがでてきます。素材が違えば磨き方のコツも違うため、職人さんには非常に高い技術が求められるのです。

「これは水道の部品。見たことあるでしょう?」

「納得したものをつくりあげたいから妥協は許されない。常にやったことがないことに挑戦して、他社には真似できない商品を目指している。」

案内してくださった職人さんはそう熱く語ってくださいました。

普段わたしたちが生活の中で何気なく目にしている水栓金具やバルブ、テレビで見かける音響マイクも、もしかするとヤマウチ工業所さんから誕生したものがあるかもしれません!

現在、オリジナル商品の制作とブランディングにも積極的に取り組まれているヤマウチ工業所さん。商品が完成したら、またご紹介させいただきますので、お楽しみに!


ヤマウチ工業所

代表取締役:山内典明
住所:岐阜県山県市青波275番地1
HP:http://www.yamauchi-mfg.jp/content02.html

2019年07月07日作成
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