【東京】東京都美術館「Walls & Bridges」展、増山たづ子さんの展示を観に行ってきました!
東京都上野にある東京都美術館。1926年、日本初の公立美術館として誕生したこちらでは、毎年たくさんの展覧会を開催しています。今回は、岐阜ホールからも徒歩数分のこの美術館で、2021年7月22日〜10月9日まで開催している「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」展を観に行ってきました!
この展示では、東勝吉、増山たづ子、シルヴィア・ミニオ=パルウエルロ・保田、ズビニェク・セカル、ジョナス・メカスという5人の作家の作品を展示しています。絵画、彫刻、写真、映像ー。国籍も表現方法も異なる5人の共通点は、“表現へといたる情熱の力によって、自らを取巻く障壁を、展望を可能にする橋へと変え得た”ということ。
“生きるよすがとしてのアートの魅力にふれる”展示として開催されていますが、どの方の作品も想いが重なり力強く、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。
中でも今回、焦点をあてて観覧したのは、岐阜県徳山村出身の増山たづ子さんの作品。
増山たづ子さんは、徳山ダム計画によって村民が移住し、村がダムの底に沈んでしまうことををきっかけに、“ピッカリコニカ”というフィルムカメラで村と村民を撮影し始めます。その時、すでに増山さんは還暦。そこから20年以上にわたって、約10万カットに及ぶ写真を撮影されたのです。
暗めの展示室には、約400枚に及ぶ増山さんの写真がずらり。一枚一枚に増山さんの村や村人、自然への想いがつまっていて、それが並ぶ様子は、圧巻。
写っている村の写真はごく当たり前な日々の瞬間なのですが、どこか愛おしく、懐かしい。増山さんの温かみのある言葉や抑えきれない想いを綴った言葉も一緒に展示してあり、見る人、一人ひとりに語りかけてきます。
どの村人も増山さんのカメラに笑顔で応えているのは、村人みんなが仲良しで日々の営みを大切にしていたからこそ。そして増山さんのあたたかな人柄も伝わってきます。そんな増山さんの人柄は、村人だけでなく、花や植物を撮影する眼差しと姿勢にも表れていた…と言われています。
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今回は、この展示の企画担当者である中原淳行さんに、この企画展の説明や、増山たづ子さんの作品を選ばれた理由、そして増山さんの作品から感じたことや、ぜひ見ていただきたいポイントを伺った動画を撮影させていただきました。インタビューの中では、この展示室の工夫も明かされていますよ!
また、今回展示された写真を提供してくださっている「増山たづ子の遺志をつぐ館」の野部博子さんにもメッセージをいただいています。
この空間で増山さんの写真を見ていると、“ふるさと” というキーワードをきっかけに、私たちの”記憶”とも曖昧に重なる不思議な感覚に陥りました。心がギュッとつかまれるけど、どこかじんわりと温かくもなる感覚です。
展示は2021年10月9日まで開催中です。機会がある方はぜひ一度、展示を観に行ってみてくださいね!
東京都美術館 「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」
住所:東京都台東区上野公園8-36
開室時間 : 9:30~17:30(入室は17:00まで)
休室日 : 月曜日、9 月 21 日(火) ※ただし9月 20 日(月・祝)は開室
観覧料:一般 800円 / 65歳以上 500円
(学生・80歳以上の方・外国籍の方は無料)
HP:https://www.tobikan.jp/wallsbridges
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