【石川県】9/23〜11/12「奥能登国際芸術祭2023」開催!
石川県珠洲(すず)市全域で、2023年9月23日〜11月12日に「奥能登国際芸術祭2023」が開催されます!
“最涯(さいはて)の芸術祭、美術の最先端。”と謳うこの芸術祭は、国内外のアーティストが”珠洲”という場所に向き合い、土地に根差した作品表現を行うアートフェスティバル。
2017年から3年に1度開催され、3回目となる今回の「奥能登国際芸術祭2023」には、14の国と地域から61組のアーティストが参加する予定です。
開催地である石川県珠洲市は、能登半島の最先端で、三方を海に囲まれた最涯の地。
荒々しい岩礁海岸の外海と波穏やかな砂浜の内海という2つの海をもつ美しい自然景観や、黒瓦と板壁の家が軒を連ねる町並みが今も残り、「奥能登珠洲の秋祭りとヨバレ」に象徴される「祭り」と「食」の文化、農耕儀礼「あえのこと」といった伝統的な文化も受け継がれています。また、揚げ浜式製塩や炭焼き、珠洲焼、珪藻土などを使った七輪などの伝統的な生業も大切に受け継がれています。
こうした伝統的な技術や農耕儀礼が残る豊かな「能登の里山里海」は、平成23年に世界農業遺産にも認定されています。
海上交通が盛んな時代には、日本海から大陸に向かって開かれ、まさに最先端だった珠洲ですが、陸上交通の発達とともに人口減少が進み、現在では本州で1番人口が少ない市となっています。「しかし、珠洲には美しい里山里海、最涯だからこそ残る豊かな食や祭文化がある。この地の潜在力をアートの力で活かしたい、本当の豊かさをここから発信したい」。そんな思いで始まったのが「奥能登国際芸術祭」です。
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能登半島の「岬めぐり」をテーマに、国内外のユニークなアーティストたちが地域の潜在力を活かした作品を展開する今回の「奥能登国際芸術祭2023」に、岐阜県出身のアーティストが2名参加されるので、ご紹介します!
《覗いて、眺めて、/竹中美幸》
1人目は岐阜県出身で、現在は東京を拠点に活動するアーティストの竹中美幸さん。
竹中さんの作品「覗いて、眺めて、」は、大谷エリアの「スズ・シアター・ミュージアム」に展示されています。
珠洲の家々の蔵に代々残されていた民具や地域の宝を記憶とともに集めて整理する「大蔵ざらえ」で収集された40 年分の日記。 竹中さんはその日記に、人に読ませるつもりで書かれていないからこそリアルな生の表情を感じたのだそう。半透明のガラス小屋の中で、日記からインスピレーションを得て形となったモビールが灯台をイメージした光に照らされながら回転。日記を通して触れた珠洲の過去と現在が重なり合う作品です。
竹中美幸さん
岐阜県生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業後、同大学大学院美術研究科修了。東京を拠点に活動。主に透明な素材を用いて制作しており、光や影を取り込んだ平面作品やインスタレーションに展開。
近年の個展に「都市のさざめき」(2019 新宿パークタワーギャラリー1/東京)「新たな物語」(2018 アートフロントギャラリー/東京)など。近年のグループ展にクインテットⅣ五つ星の作家たち(2018 SOMPO美術館/東京)、シェル美術賞アーティスト・セレクション2017(国立新美術館/東京)など。 主な受賞歴に2020年清流の国ぎふ芸術祭/篠原資明賞、2012年シェル美術賞/島敦彦審査員奨励賞、トーキョーワンダーウォール2010/ワンダーウォール賞など。
Photo by Shinada Hiromi
《『The missing shade 59-1』『Seascape (Suzu)』『Untitled』/三宅砂織》
2人目は岐阜県出身で、現在はフォトグラムの制作に挑む三宅沙織さん。
三宅さんの作品『The missing shade 59-1』『Seascape (Suzu)』『Untitled』の3点も、大谷エリアの「スズ・シアター・ミュージアム」にて観覧できます。
「大蔵ざらえ」をした家の船小屋で見つかった、木造船の部材と海にまつわる写真に触発された作品で、木製の小屋に船の廃材を並べ、塩の結晶が降る映像を投影。そこに現在の風景を映したフォトグラムを組み合わせることで、時代とともに変化しながらも守り伝えられてきた珠洲の人々の営みが、多声的に浮かび上がります。
三宅沙織さん
2003年ごろより、透明シートに複数のドローイングを描き、印画紙の上に重ね合わせて露光し、ドローイングの影を現像するというフォトグラムの制作を開始。人々の眼差しに時代を超えて内在する「絵画的な像」を多声的に抽出するという試みを展開している。
近年の展覧会に 2019年「MOTアニュアル2019 Echo after Echo:仮の声、新しい影」東京都現代美術館(東京)、2018年「第 20 回 DOMANI・明日展」国立新美術館(東京)、2017年「ArtMeets04 田幡浩一/三宅砂織」アーツ前橋・ギャラリー1(群馬)などがある。
「奥能登国際芸術祭2023」の作品は、全作品を1回ずつ鑑賞できる「作品鑑賞パスポート」を購入するか、作品ごとに「個別鑑賞券」を購入することで鑑賞できます。
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会期中は珠洲市全域にて展示される作品が鑑賞できるだけでなく、田中泯さんの場踊りや、常盤貴子さんを招いた朗読会、劇団三毛猫座+熊田悠夢さんの舞台、ひびのこづえ×島地保武×小野龍一×スズによるパフォーマンスなど、イベントも多数開催されます!
※イベント情報はこちら
岐阜県のお隣・石川県の奥能登で開かれる「奥能登国際芸術祭2023」へ、アート三昧の旅に出かけてみませんか?
奥能登国際芸術祭2023
会期:2023年9月23日(土)〜11月12日(日)※木曜定休
会場:珠洲市全域 247.20㎢
料金:
◆作品鑑賞パスポート
※芸術祭の会期中すべての作品を1回ずつ鑑賞できます。
料金:一般 3,300円(前売2,750円)、大学生 1,650円(前売1,320円)、小中高生 550円
※前売は2023年9月22日までの販売価格
◆個別鑑賞券
※作品ごとに個別鑑賞券を購入して鑑賞できます。
料金:一般・大学生330円、小中高校生220円、未就学児無料
スズ・シアター・ミュージアムは一般800円、大学生600円、小中高校生400円
WEBサイト:https://oku-noto.jp/
お問い合わせ:奥能登国際芸術祭実行委員会事務局 TEL.0768‐82‐7720 (平日8:30〜17:00)
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