【本巣市】淡墨の宿 根尾 住吉屋/岐阜ランチ
樽見鉄道樽見駅から徒歩すぐの場所に建つ「淡墨(うすずみ)の宿 根尾 住吉屋」さんは、江戸末期創業という老舗旅館です。
大正・昭和・平成にかけて多くの小説や随筆を手がけた女流作家の宇野千代さんが、この宿に滞在して小説「薄墨の桜」を執筆し、以降も淡墨桜が咲く頃には定宿にしていたことでも知られます。
そんな住吉屋さんで、こだわりのお蕎麦が味わえると聞いてランチに伺いました!
入り口には、「根尾産 うすずみ豆乳蕎麦」と書かれた立派な看板が。
中に入ると旅館の立派な受付カウンターがあり、建物の奥に客室が続いています。
館内には宇野千代さんの直筆の色紙などが飾られています。
建物内の食事スペースでは、7代目を継ぐ小野島史郎さんが腕をふるう四季折々の懐石やランチがいただけます。中でも、ぜひ味わいたいのが「うすずみ豆乳蕎麦」。根尾産の蕎麦の実と皮を石臼で挽き、豆乳を練り込んでつなぎを使わずに打つ、十割蕎麦です。
小野島さんは蕎麦に並々ならぬこだわりを持ち、仲間と根尾の休耕地を耕して蕎麦を栽培していたこともあるほど。「蕎麦打ちは難しいね。でも〝簡単にできないこと〟こそ面白いんだよ」と笑う小野島さん。「最初の頃は10回打つと10回違うし、十割で打つとすぐに蕎麦がばらばらになっちゃって。どうしてなんだろうって何度も打ってるうちに、どんどんのめり込む。それで、打てるようになると楽しくて、また余計にのめり込んで」。
蕎麦の生地を捏ねる菊練りは200回〜300回も行うのだそう。「そうすると、木綿豆腐みたいだった肌が、絹ごしみたいになるんだよ。張りや艶が出てね」。
小野島さんが打った蕎麦を見せてくれました。本当に蕎麦一本一本が美しく、味わう前から美味しいのが分かります。
そこで早速、自慢のお蕎麦をいただくことに!
テーブルに運ばれてきた途端に、ふわりと蕎麦のいい香りが広がります。笹の上に盛られたお蕎麦は艶やか。「根尾は水もいい。きれいで冷たくて。水温が13度くらいだから、蕎麦を締めるときも氷がいらないんだよ」とのこと。
みずみずしいお蕎麦をまずは少し、わさびでいただいてみると、程よい歯ごたえと弾力が感じられて、噛むほどに蕎麦の旨みと甘みが口に広がります。つゆにつけてすするとコシがあって喉越しも良く、格別の美味しさ!この蕎麦を目当てにわざわざ根尾へ足を運びたくなります!
しかも、これほどこだわった手打ちの十割蕎麦が盛りそばで770円なんて…!「儲かるより、お客さんの”美味しかった”が励みになるし、やりがいなんだよね」と小野島さん。
うすずみ豆乳蕎麦は、とろろ蕎麦やにしん蕎麦、冷たい蕎麦か温かい蕎麦に日替わりの小鉢とご飯が付くランチなどでも楽しめます。また、冷たいぶっかけ蕎麦と温かいあんかけ蕎麦がセットになった名物の「一食二杯」も好評なのだそう。次はこちらも味わってみたい!
ぜひ、みなさんも「うすずみ豆乳蕎麦」を味わいに「住吉屋」さんへ出かけてみてくださいね!
※「淡墨の宿 根尾 住吉屋」さんは、本巣市の「広報もとす」のさかだちブックスの連載コラムでも、2021年11月号でご紹介しています
淡墨の宿 根尾 住吉屋
住所:本巣市根尾市場127
営業時間:7:00〜9:00、11:00〜14:00、18:00〜21:00
定休日:火曜
TEL:0581-38-2008
WEBサイト:https://www.sumiyoshiya.com/
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