【岐阜市】柴田飴本舗
岐阜市大宝町で昔ながらの手作り飴を製造する「柴田飴本舗」さんへ、取材に伺いました。
閑静な住宅街の中にあり、大きな看板もないので、ここに飴屋さんがあると知らなければ通り過ぎてしまいそうな佇まいです。ちなみに柴田飴本舗さんの創業は1931年。もともとは名古屋市昭和区鶴舞で始まり、戦時中の疎開や空襲などで2度の移転を経て、この場所にたどり着いたのだそう。
建物の中には飴を作る工場があり、甘い匂いが漂っていました。
年季が感じられる大きな地釜や鍋が並んでいます。まさに、砂糖と水飴を炊くところから、手作業で飴を作っているんですね。
ここで、飴が出来上がるまでの工程を見せていただきました。
まずは、鍋で溶かした砂糖に水飴を加えて直火で炊くところからスタート。柴田飴本舗さんでは20種類以上のオリジナルの飴を作っているため、常備している砂糖や水飴の種類も多く、作る飴によって使う種類や配合を変えるのだそう。
煮詰めた状態の飴生地を冷却板に流して、冷やし固めていきます。
100℃以上の熱い飴生地を専用のヘラや手で何度も返しながら、適度な固さになるまで冷やします。飴の味を決める原料や香料、着色料などは、飴生地を煮るときに液状のものを、冷ますときに粉末状のものを加えるとのこと。透明だった飴生地が見事にムラなくオレンジ色に染まりました。
続いて、冷やし固めた飴生地を伸ばして、型に流していきます!さて、これはどんな飴を作っているのでしょうか…?
型も昔から使われているものをずっと大切に使い続けているんですね。ちなみに一番左の型は…いちご?そして、今回は貝殻のような形の型に飴生地を流していますが…もう、みなさんお分りですよね?
そう、可愛らしいみかんの飴を作っていたのでした!さらにお砂糖をまぶして完成です。普段、何気なく口にしている飴も、こんな風に手間をかけて作られているんですね。
柴田飴本舗の次男として生まれ育ち、当初はデザイナーの仕事に就いていたという柴田幸芳さん。しかし、こうした手作り飴のように、誰もやらなければなくなってしまうような仕事こそ大切にするべきではないかと考えて、3代目を継がれたのだといいます。
「道具も飴の作り方も本当に昔のままで、時代に乗り遅れています。でも、最近はうちのような“手作りの価値”が見直されて、逆に注目されるところもあるのかな。“周回遅れの先頭”なんて言われたりします」と笑って話してくださいました。
そんな柴田飴本舗さんの代表銘菓といえば「信長有平糖(あるへいとう)」!
戦国時代に南蛮より渡来したといわれる飴菓子の「有平糖」を再現したもので、砂糖と水飴だけのシンプルな味わいが楽しめる「純糖」、スッとした後味の良さが特長の「ハッカ」、ミネラルを多くを含んだ国産黒砂糖を使った「黒糖」の3種類の飴が入っています。どれもつい手が伸びる素朴な美味しさです。
通常の飴に比べて砂糖の比率が高い有平糖は、江戸時代にはとても高級なお菓子だったのだとか。製造過程で鍋の周りにできる砂糖の結晶を水で溶かしながら作らなくてはならず、手間をかけて手作りだからこそ作れる飴だといいます。
床屋さんの前にある「有平棒」のように3色の飴がらせん状になっているのも可愛いですよね。
そして、構想から10年を経てついに商品化にたどり着いたという新商品が「こんこん生姜のど飴」。国産有機生姜の粉末や有機黒砂糖などこだわり抜いた原料に、岐阜市内で作られている「大根」と羽島市産の「蓮根」、岐阜県産のはちみつといった岐阜ならではの素材を使って作ったのど飴なんです!
味わってみると、大根の果肉もそのまま入っていて、ピリリと生姜が効いていかにも喉の調子がよくなりそう!花粉症でお困りの方にもおすすめです。
ちなみに、こちらの「こんこん生姜のど飴」は、THE GIFTS SHOPでも販売させていただいていますよ!
柴田飴本舗さんの飴は直接、工場で買うことができるほか、リニューアルされたWEBサイトのオンラインストアからも購入できますので、ぜひWEBサイトもご覧くださいね!
(柴田飴本舗さんのWEBサイトは、さかだちブックスを運営する株式会社リトルクリエイティブセンターが制作させていただきました。)
柴田飴本舗
住所:岐阜市大宝町3-4
営業時間:9:00〜17:00
定休日:日曜、祝日、土曜不定休
TEL:058-252-0209
WEBサイト:https://www.aruheitou.com/
Instagram:@shibataame_honpo
※季節によって商品が品薄になることがありますので、事前にお電話でご確認ください。
※飴の製造中は小売販売や電話などにすぐ対応できないことがあります。
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