【東京】国立国会図書館 国際子ども図書館

東京の「上野駅」から徒歩10分ほどの所に佇む「国立国会図書館 国際子ども図書館」。ルネサンス様式の洋風の建物で、白丁場石とベージュ色のごま掛けレンガや見事な装飾に思わず見惚れてしまいます。

この建物は、明治39(1906)年に「帝国図書館」として開館されたのが始まりで、その後、昭和24(1949)年からは「国立国会図書館支部上野図書館」として親しまれ、平成12(2000)年に国立の児童書専門図書館「国際子ども図書館」へと生まれ変わりました。長年、その時代の人々に “図書館” として親しまれた深い歴史を持つ建物です。

「国際子ども図書館」は、東京都の歴史的建造物に選定されているこのレンガ棟と、平成27(2015)年に完成したアーチ棟から成ります。

レンガ棟の中に入ってまず驚くのは、目の前に現れる高さ約20m以上にも及ぶ吹き抜けの優美な大階段!(なんと、あの宮沢賢治さんもこの階段を歩いたのだそう…!)

天井から吊り下がるシャンデリアは、設立当初のものが今も現役で使われています。チューリップのような形がロマンティックで可愛らしい…!

レンガ棟には、児童書専門図書館らしい名前がついた部屋がいくつかあり、その一つが、まるいテーブルを囲むようにまるくカーブを描いた本棚が印象的な「子どものへや」です。内側の棚にはフィクション、外側の棚にはノンフィクションの本がずらりと並んでいます。本棚は子どもが手に取りやすいように4段までの高さになっていて、表紙が見えるように並べられている絵本も多く、ぱっと見て「これ面白そう…!」と、どの絵本にも興味が惹かれます。

こちらは「世界を知るへや」。世界の国や地域を紹介する本や、さまざまな言語で書かれた絵本など、約2,000冊の本を閲覧することができます。帝国図書館時代に貴賓室として使用されていたこの部屋は、天井の “鏝絵(こてえ)” や床板の “寄木細工” など、創建時の内装が復元・保存されています。

自分の知っている絵本が日本語以外の言語で書かれていて、いろんな国の子どもが同じおはなしを違う言語で読んでいるんだなと思うと、なんだか嬉しくなります!

「児童書ギャラリー」では、明治から現代までの日本の子どもの本の歩みを紹介しています。
下地として割竹が入った、緩やかな曲線を描く“竹小舞の柱” や、明治時代に使用されていた書庫から本を届けるための “本のエレベーター”跡 など、帝国図書館時代に「特別閲覧室」として使用されていた面影があちこちに見受けられるのが趣深く、時間を忘れてゆっくりと過ごしたくなります…。

ほかにも、漆喰(しっくい)彫刻が残る「本のミュージアム」など、随所で思わず見惚れてしまうような美しい建築を楽しむことができます。

レンガ棟と向かい合ってそびえるアーチ棟は、透き通る一面のガラス窓が印象的。先進的なアーチ棟とレンガ棟をぐるりと眺めることができる中庭も素敵です。

子どもはもちろん、さまざまな視点から大人も楽しめる国際子ども図書館。本の魅力に触れられるだけでなく、建物の歴史も感じることができます。上野公園や「岐阜ホール」からもすぐ近くなので、ぜひ訪れてみてくださいね!


国立国会図書館 国際子ども図書館

住所:東京都台東区上野公園12-49

開館時間:9:30〜17:00(土・日曜は整理券による入館制限を実施しています)

休館日:月曜、祝日(5月5日のこどもの日は開館)、年末年始、第3水曜(資料整理休館日)

TEL:03-3827-2053

HP : https://www.kodomo.go.jp/

2021年11月11日作成
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