【岐阜市】岐阜祭奉賛 第11回岐阜まち歌舞伎

2024年4月4日(木)に、岐阜市の伊奈波神社参集殿で「岐阜まち歌舞伎」が開催されました!

かつて伊奈波神社の境内に芝居小屋があり、地域に歌舞伎の文化が根付いていたことから、岐阜町若旦那会が「もう一度歌舞伎で地域を盛り上げよう」と2012年から主催している岐阜まち歌舞伎。今年も、岐阜祭前夜である4月4日に奉納されました!

*過去の岐阜まち歌舞伎の記事はこちら

開場時間より少し前に到着すると、すでに参集殿のらせん階段には長〜い行列が!

階段には、役者さんの写真もずらりと飾られていて、お客さんは眺めながら開場を待ちわびていました。

開場すると、すぐに客席は超満員に!前方の座敷席を詰めても座りきれないほどの人で、立見をしている方もいらっしゃいました。

受付では、演目や役者さんが紹介されているパンフレットをいただけるので、初めて歌舞伎をみる方にも安心です。

パンフレットには「おひねり」のための色紙も入っていました!作り方も丁寧に書いてあるので、早速作ってみます。こんなふうにお客さんも一緒に舞台を盛り上げられるのも、地歌舞伎の面白さですよね。

18時半を回ると幕開けを知らせる拍子木が鳴り、いよいよ開演です!

最初に披露されたのは、「岐阜町お囃子教室」による幕前演奏の素囃子。元々若旦那会が歌舞伎とともに始めた素囃子ですが、だんだんと地域の若者たちにも受け継がれるようになり、2023年に「岐阜町お囃子教室」が立ち上げられました。

今年は、小学2年生から中学3年生の子どもたちが「末廣狩」、岐阜のまちで活動する若い方々が「舌出三番叟」という演目を披露。子どもたちは真剣な表情で可愛らしくも堂々と演奏し、若い方々は「ヤ」「ハ」「ヨーイ」という掛け声に合わせてリズミカルに笛、太鼓、小鼓を奏でます!

続いての演目は「大原女」。仮面を被った女方の役者さんが花道から登場し、子どもたちの囃子に合わせて軽やかに舞い踊ります。演奏の中盤、仮面と着物を外し現れたのは…

岐阜まち歌舞伎の指導振付をされている鳳川伎連(ほうせんぎれん)の幇間(ほうかん)の喜久次さん!

繊細かつ迫力のある舞に、会場からも感嘆の声がもれます。さらに喜久次さんは芸妓さんや舞妓さんを紹介。鳳川伎連さんの芸は、お座敷遊びや、今年も5月から始まる鵜飼観覧での船上お座敷遊びで楽しむことができます。

続いては、岐阜町若旦那会の4代目会長の就任披露と口上が行われました。

2年間会長を務めてきたヱビスの古田浩紹さんから会長を引き継いだのは、山本佐太郎商店の山本慎一郎さん!ユーモアのあるトークを交えた口上に会場は大盛り上がり。これからの岐阜町若旦那会の活躍がさらに楽しみになりました。

***

そしていよいよ拍子や太鼓の音がなり、歌舞伎がスタート!

…と思いきや、花道に登場したのは姉輪平次を演じる愛護坊秀之乗(松枝秀乗さん)と、笹目忠太を演じる電網屋嘉右衛門(矢野宇太郎さん)。

物語の鍵にもなっている赦免状と間違えて持ってきた公演の番付を読み上げ、演者を1人ずつ紹介します。

今年の演目「有難恵景清(ありがたきめぐみのかげきよ)」は、天照大神(アマテラスオオミカミ)の岩戸隠れと手力命男(アメノタヂカラヲ)の怪力伝説を元に作られた「岩戸景清」という歌舞伎の演目。2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の主役だった江間小四郎泰時や畠山重忠も登場します。

物語の舞台は、三日三晩光が失われる天変地異が起きた鎌倉時代。江ノ島の岩屋に怪しい光があるという陰陽師のお告げにより、頼朝公の名代として家臣や巫女が江ノ島に到着したところからストーリーが始まります。

まず口火を切ったのは、畠山重忠を演じる司屋正治郎こと岐阜市長の柴橋正直さん。2011年にも岐阜まち歌舞伎に出演する予定でしたが、東日本大震災の発生のため公演が中止となり、それから13年の年月を経て、ついに今年、本番の舞台に立つことになったんです。

初舞台とは思えない、堂々とした振る舞いと、迫力のある言い回しに、早速、客席からは役者名の「司屋〜!」という大向こう(掛け声)と、おひねりが飛び交います!

遊君阿古屋に扮する紡屋源一郎(吉岡源一郎さん)は、鮮やかな赤い着物で登場!

女方ならではの独特の抑揚がある台詞回しもお見事。立ち姿もしなやかで、本当に女性のようです。

岩屋の前で神楽を披露するのは、巫女千草を演じる安乗院杏和(松枝杏和さん)と、巫女真砂を演じる愛護坊紗良(松枝紗良さん)の二人。

鈴の音をシャン、シャンと響かせ舞う様子は春の妖精のような可愛らしさ!可憐に踊る姿に、観客も思わず目を細めます。

そして、この舞を見たおかげか、岩屋を塞ぐ大きな岩戸がかすかに動きます!

そこで登場するのは、江間小四郎義時を演じる麩屋兵右衛門こと川島徹郎さん。怪力と言われる義時が岩をこじ開け現れたのは…

今回の主役、俵屋角三郎(大平雅章さん)が演じる悪七兵衛景清(あくしちびょうえかげきよ)!なんと、闇の原因は源氏調伏を目論む景清の仕業だったのです!

景清が持つ名刀小烏丸を鞘から抜くと、世界はたちまち光に満ちるのですが、鞘を収めると再び真っ暗闇の世界に。

そこから始まるのが、今回の見どころである「だんまり」です。       

「だんまり」とは、暗闇の中でお互いを探り合う歌舞伎独特の演出。互いに目を合わせず、ぶつからないようにそろり、そろりと動く姿は言葉はないからこそ滑稽です…!

景清を捕らえようとしたら間違えて阿古屋を捉えてしまう場面も。会場からはクスクスと笑い声が聞こえてきます。

演者が横一列にならび見栄を切るシーンでは、ここぞとばかりにおひねりもたくさん飛んできます!

そして、物語もいよいよ佳境に。義時が持参した頼朝公からの赦免状を拾った景清は、自分が罪を許されたと気づいて岩に隠れるのをやめ、無事に世界に光が戻ってくるのでした。

最後は景清と義時が花道に出て、「明日は伊奈波の神祭」「げに栄ある」「世の中だなぁ」という言葉で締めくくられ、舞台は幕を閉じました。

***

終演後、壇上に現れたのは、柴橋市長に招かれて観劇されていた岐阜県知事の古田肇さん!岐阜県知事と岐阜市長が揃い踏む様子はなかなか貴重です。

「岐阜は地歌舞伎日本一のまちなので、今年の秋に行われる『清流の国ぎふ総文2024』でもアピールしていきたいと思っています。岐阜まち歌舞伎の皆さんは、どうぞこれからも稽古に励んでください」と激励が送られました。

最後は恒例のおさめ唄「おばば」を演者と観客のみんなで唄い、三本締めで全演目が終了となりました!

こうして、今年も大盛況で幕を閉じた岐阜まち歌舞伎。

演者と観客が一体となって作り上げる、まさに地域に根付いた芝居をまた来年も見られることが、今から楽しみです!岐阜町若旦那会や演者の皆さん、今年も楽しいお芝居を見せていただき、ありがとうございました!


第11回 岐阜まち歌舞伎

開催日:2024年4月4日

時間:18:00(開場)18:30(開演)

会場:伊奈波神社参集殿 稲葉座

入場:無料(予約不要)

2024年04月16日作成
関連記事