【関】二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場/関の工場参観日
2019年11月14〜16日にものづくりの街、岐阜県関市の工場を見学・体験できる「関の工場参観日」が開催されます。
工場参観日はものづくりの現場を肌で感じることで、製造業への興味関心を深めてもらおうと関市が毎年開催しており、今年で6回目。過去最多の43社が参加します。(今年の参加企業はこちら)
参加者は見学したい工場や体験したいワークショップを探して、各々オリジナルのコースで工場を巡ります。
40社以上もあるとなると、どこに行こうか迷うところ。
そこでさかだちブックスでは、工場見学の楽しみ方をみなさんにお届けするために、かかみがはら暮らし委員会のメンバーといっしょに一足先に工場見学をさせていただきました!
工場選びのご参考に、ぜひお付き合いください。
10月17日には予約受付もスタートし、すでに満席の枠もでてきていますのでご予約はどうぞお早めに……!
\関の工場参観日事前ツアー/
①佐竹産業「刃物工場見学&職人直伝!包丁研ぎワークショップ」
②MIF「シーグラスのビー玉で、ボードゲーム制作」
③二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場「室町時代から続く刀鍛冶の職人技」
今回ご紹介するのは、室町時代から続く「二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場」さん。関が刃物のまちとして知られるようになった原点ともいえる鍛錬場で、日本刀づくりの「鍛錬」の工程を見せていただきました!
まずは関市の刃物の歴史を少しだけご紹介。
刀を作るのに適した土と、美しい水、そして炉に使う松炭。岐阜県関市は刀鍛冶にとって最適な条件がそろっていたのです。
最盛期の室町時代には300人以上もの刀匠が刀をつくり、全国へおろしていたといいます。
今では刀匠は10人ほどとなりましたが、700年以上にわたって受け継がれた職人技で、美術品やお守りとしての日本刀を作り続けています。
「本物を持ってみますか?」とお弟子さんに日本刀を渡され、恐る恐る構えさせてもらいました!
刃先はとても薄く、そんなに重そうには見えないのですが、実際に持ってみるとずしっとした重みが感じられます。
美しくまっすぐ構えるのさえも意外と難しい…….!
武将たちはこれを振りかざし、闘っていたなんて信じられません。
工場参観日当日も触らせていただけるとのことですので、武将気分で記念撮影をしてみてくださいね。
さて、お待ちかねの「鍛錬」の工程の見学。
日本刀は、日本古来の製鉄技術である“たたら”によって作られた「玉鋼」が原料になります。「鍛錬」とはこの玉鋼から不純物を取り除き、粘りのある鐵(くろがね)をつくるために行われます。
じっくりと温めた炉で、玉鋼を1300度にまで熱し、カンカンとリズムよくたたくことで、不純物が取り除かれるのです。
これを15回ほど繰り返すことで、どんどん強度が増し、丈夫な刀ができあがります。
師匠が状態を見極め合図をするとお弟子さんが交互に大鎚を振りかざし、勢いよくたたいていきます。
まばたきするのも忘れるほどの緊張感ある光景です。
日本刀は分業制が基本のため、鍛錬所での工程が終わると、次は研ぎ師の元にわたり、少しずつ日本刀のかたちへと進化していくのです。
ちなみに、日本刀は法律で1人の刀鍛冶の制作本数を年間24本までと決められているため、1ヶ月に2本程度しか作れません。それだけ1本1本時間をかけて丁寧に作られているのですね。
工場参観ではなんと、鍛錬も体験させていただくことができます!
まず、大鎚持ってびっくり……!
女性だと高く振りかざすことが難しいくらい重いんです。その重量は6〜7kg。
職人さんのようにリズミカルに勢いよくカンカンと叩けたら、さぞかし気持ちがいいだろうなと思いますが、実際にはのっそりのっそりしか動けませんでした…….。
ちなみに、現在は鍛錬をする機械も整備されています。
機械とはいえ、お弟子さんが肌感覚を研ぎ澄ませ、刀に向き合う光景は、こちらも自然と背筋がすんと伸びるような緊張感がありました。
当日は予約なしで見学することができますので、ぜひ実際に見て、感じてください!
さかだちブックスとかかみがはら暮らし委員会による事前ツアーのレポートはこれにて終了!
今回ご紹介した事業所さんはほんの一部で、他にも魅力的な事業所さんが43社も参加されています。
この秋は関の工場参観日にぜひお出かけください!
「職人に弟子入り」クラウドファンディング実施中!
二十五代藤原兼房日本刀鍛錬場
住所:関市小瀬1332-2
関の工場参観日
2019年11月14日〜16日 9:00〜17:00
会場:アピセ・関および参加事業所
Facebook:https://www.facebook.com/kojo.sankanbi.seki/
Instagram:@seki_kojosankanbi
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