【岐阜・郡上八幡】寒ざらし
先日、車で岐阜の郡上八幡に行ってきました。
この日はとても快晴!青空がとても澄んでいて、絶好のドライブ日和です。
郡上八幡は、岐阜市から国道156号線を1時間ほど北上したところにあります。
その日に思い立っても行けるくらいの近さです。
この吉田川は、長良川の上流であり、奥美濃の山々から湧き出た水が流れてきています。
とても水がきれいで、橋の上からでも魚が泳いでいるのが見えるほど澄んでいます!
さすが、水のまち。
今回郡上八幡を訪れた目的はこの水の町ならではの行事、
岐阜県の重要無形文化財で、郡上本染めの技法を使って描かれた鯉のぼりの「寒ざらし」です。
ちなみに「寒ざらし」とは、一般的には寒中の空気や水にさらしておくことを意味し、
その手法を用いた作業を見る事ができる行事です。
今回、一緒に行ったのは、
“やながせ倉庫”のさなちゃんと“八百屋のにしがき”の西垣君。
二人とも、郡上には何かと縁があって、土地勘もあります。
寒ざらしの案内チラシに記載されていた「宮の瀬橋」に着いて、
川をのぞくと…。 あれ、何もない。
前日からライトアップが行われているはずなのに…。
と迷っていた時、後ろから声をかけられました。
声の主は、糸cafeのあやかさん。 郡上八幡でカフェをされている郡上八幡の有名人。
系カフェさんでは、こだわりの“食”が集まった糸CAFEマルシェというイベントも開催しており、
八百屋のにしがきという店名で西垣くんも出店されています。
おまつりでレモネードを配りに向かっていたところに、ばったり会ったみたいです。
「場所が今年は違うんだよー!」 と教えていただき、
近くまで案内して頂きました。
今回、鯉のぼりの「寒ざらし」は、“宗祇水”の場所の近くで開催しているらしいです。
“宗祇水”とは、環境省が選定した「日本名水百選」の第1号に指定されたことで有名になった湧水です。
郡上八幡を訪れると誰しもが訪れる風情があるスポットです。
“宗祇水”を少し超えて、石畳を歩くと…。
おっ!!やっています!
沢山の鯉のぼりが水に浮かんでいました!
水に流されないようにおもりが付けられています。 それにしても、きれいな水。
まずはじめは、地元の小学校の子達が「寒ざらし」をしていました。
寒い川の中に入っての作業、“頑張れ”と応援したくなります。
作業が終わったものは陸にあげられます。 川に流れている時にみるより、なんだか大きい!
天日干し。発色がとても良いです。
郡上本染めの一つの手法「カチン染め」により染め上げられた鯉のぼりは、
冷たい川の水にさらす事により、生地を引き締め鮮やかな色彩になるんだそう。
小学生の子達の作業が終わり、大人が作業するものが運ばれて来ました。
おたまのようなものでうっすらとした線をなぞると、白い線が出てきました。
「カチン染め」は、白い木綿布にもち糊で輪郭を描いて、もち糊を乾燥させます。
大豆のしぼり汁を加えた顔料で色付けを行って2日程乾燥させた後、
このように冬の冷たい清流でもち糊を流す「寒ざらし」という作業を行うのです。
要するにこの白い線は、もち糊がついていて染まらなかった部分ということ。
全ての白い線がでたら、ハケできれいに洗い流します。
水しぶきがカッコいいです!
大人数で作業されている様子は、圧巻です!
発色を出すには冷たい水でなくてはいけないらしく、
このような大変な作業があるから、綺麗な鯉のぼりが出来上がるんだなと思いました。
ちなみに今年の1月20日の寒ざらしは、雪が積もっている中での開催だったらしいです。
「寒ざらし」の作業風景は昭和45年から一般公開しており、郡上八幡の冬の風物詩として定着しています。
毎年、一年で一番寒い「大寒」を含む2日、見る事が出来ます。
ぜひ行ってみてください。
『郡上本染め 鯉のぼりの寒ざらし 2016年』
開催日:1月20日(水)13時〜14時
2月 7日 (日)11時〜12時
※前日17時から翌朝までライトアップ
開催場所:郡上八幡宗祇水付近 吉田川・小駄良川合流付近
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