【岐阜】ミラノ・サローネ「CASA GIFU」展/岐阜県美術館

8月27日(土)、岐阜の老舗油屋・山本佐太郎商店の山本さんと一緒に岐阜県美術館へ行きました。

山本佐太郎商店は、岐阜の料理屋さんに油などを卸している他、和菓子職人まっちんさんと、柳ケ瀬にある和菓子屋・ツバメヤさんと一緒に、「大地のおやつ」シリーズを全国に販売してみえます。

大地のかりんとうや、ツバメサブレ、おいも泥棒など、天然素材を使った身体に優しいおやつを作っている、良い子の味方です!

 

DSC_1554

この日、岐阜県美術館開催していたのは、昨年2015年に館長に就任した日比野克彦さんがディレクションを行っているインスタレーション「アートまるケット」と、「ナンヤローネNo.1」。

 

そして今回の目的であるミラノ・サローネ「CASA GIFU展」です。

DSC_1559

“ミラノ・サローネ”とは、イタリアのミラノで開催されている、世界最大級の国際家具見本市のこと。

家具やインテリアデザインにおける世界最大規模の国際見本市と、ミラノ市街各所で行われるメーカーやデザイナーの電磁界や展覧会を同時に開催するもので、ヨーロッパ中・世界中から約30万人訪れるという、いわゆる「デザインの祭典」です。

 

そんな“ミラノ・サローネ”に2016年、「岐阜県」とスイスの一流デザイン事務所「アトリエ オイ」とがタッグを組んで、「CASA GIFU」というギャラリーを展示しました。

 

「CASA GIFU」はイタリア語で“岐阜の家”という意味。

“ミラノ・サローネ”期間中に、ミラノの中心地“プラハ”地区にあるギャラリーを貸し切って、飛騨の家具、美濃焼き、美濃和紙、関の刃物といった岐阜が世界に誇れる「岐阜ブランド」を世界に発信されてきたんだそうです。

 

展示場所の“多目的ホール”を横目にみて、会場へ。

 

DSC_1570

今回は、そのタッグを組んだ「アトリエ・オイ」のパトリックレイモンさんが岐阜県美術館の講堂で講演会をされるということで、お話を聞きに行ってきました。

スイスの人口約4000人程の都市に構える事務所。

MOTELを改装して作ったそうですが、なんだか映画のポスターみたいでカッコイイです。

 

ブルガリ、B&Bイタリア、アルテミデ/ダネーゼ、ルイヴィトンといった世界の一流ブランドをクライアントとしているこちらの事務所は、1991年から3名で設立されここまでご活躍されたんだそう。凄いです!

 

DSC_1573

この講演で特にパトリックさんがおっしゃっていたのが、デザインとは「素材を生かすこと」。

モノづくりを料理に例え、「美味しい食材を得たら、それに一番合った調理方法を考えるように、素材をみて、触って、感じることで、どのようにすれば最も輝くのかを考える」ということを常々考えているといってみえました。

とても面白いです。

 

DSC_1578

パトリックさんの講演が終わり、今回“ミラノ・サローネ”で一緒に商品企画・開発を行い展示をされた、飛騨産業株式会社さん、株式会社オゼキさん、株式会社浅野商店さん(左から順)とのトークセッションが行われました。

 

 

DSC_1577

浅野商店の浅野有誠さん。

先ほどのパトリックさんのお話をふまえて、「提灯に描かれる絵師の技術の高さが求められていると考えていたところ、何も書かれていなくても和紙の素材自体が特別な物だと気づいた」ということをお聴きしました。

 

DSC_1582

パネラーの方や、パトリックさんのお話をきいた後、会場からの質問も沢山飛び交いました。

デザインの道に歩もうとしている学生の方から「どういった視点でこれから取り組むと良いかアドバイスがほしい」だったり、「伝統的な素材ではないものも、このように売り出して行くにはどうするといいか」、それから「このような“素材を生かしたデザイン”をし始めるきっかけは何かあったのか」など。

 

興味深い話が聴ける素敵な時間は早く過ぎ去ってゆき、講演は終了しました。

 

この講演で聴いたお話をふまえて、改めて多目的ホールの展示を見に行きました。

DSC_1588

浅野商店の「Minoi Lamp」。

こちらは「伝統的な日本提灯を裏返す」をコンセプトに、紙のシェードを守るように金属ワイヤーを周囲に巻いています。

 

DSC_1585

株式会社オゼキの「FUSION Collection」。

伝統、モダニズム、日本の匠の技、イタリアのデザイン文化が一つに融合した、新しい照明。

内側2つある手透き和紙製シェードを、外側のシルク製シェードが囲っていて、光の繊細さが引き立たれる構造になっているんだそう。

 

 

 

DSC_1557

本美濃和紙を使ったインスタレーション「Honminoshi Garden」なども飾られていて、岐阜の文化を感じることができるとても素敵な空間でした。

 

この展示はもう終了していますが、今回分かったように、岐阜には沢山の素敵な工芸や技術力があるので、これからも国内外問わず「岐阜ブランド」が発信されていってほしいです!

 

 

 

 

 

ミラノ・サローネ「CASA GIFU」展/トークセッション

「スイス人デザイナーと作り手が語る岐阜ブランドの魅力」

開催日時:2016年8月27日(土)15時〜

場所:岐阜県美術館

【スペシャルトーク】

15時 講師:パトリック・レイモン氏(アトリエ・オイ社共同代表)

【トークセッション】

15時25分

パネリスト:

パトリック・レイモン氏

浅野有誠氏(株式会社浅野商店 代表取締役社長)

尾関守弘氏(株式会社オゼキ 取締役社長)

森野 敦氏(飛騨産業株式会社 取締役)

ファシリテーター:桑田善晴(岐阜県観光企画課海外戦略推進室長)

 

2016年09月01日作成
関連記事