【岐阜・揖斐川町】さざれ石公園/岐阜観光名所
岐阜県内の神社に行くとさざれ石に出会う確率が高いなと
個人的に思っていましたが、どうやら理由があったようです。
岐阜県揖斐川町春日(いびがわちょうかすが)に「さざれ石公園」という公園があります。
その名の通り公園には大きなさざれ石があるのですが
なんと国歌の元になったさざれ石なんだそうです。
さざれ石とは雨水で溶けた石灰石が小石を巻き込んで固まり、川によって削られてできた大きな石のことを言います。
『さざれ』は漢字で『細』と表され、つまりさざれ石とは細かい石で出来た石なのです。
私は『さざれ』とはもしかすると『さざれる』という動詞があるのではないかと勝手に予想していたのですが違っていました。
土手に座って川を見つめている男子中学生に同級生の女の子が
「なにさざれてんのよ」と背中を叩く光景もありえるのかなと思っていたのですが
無いと分かってしまい、調べたことを少しだけ後悔しました。
公園にあるさざれ石の由来を要約すると、平安時代初期の朝廷に関わりある歌人が春日の地で偶然に見つけたさざれ石を見て
「わが君は、 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで」
という短歌を詠んだそうで、それが今の国歌になったようなのです。
由来を保証するようにさざれ石の隣にはさざれ石を超える存在感で「国歌君が代発祥の地」と刻まれた記念碑が時の総理大臣の名前と共に建てられていました。
国歌の元になったさざれ石が岐阜県にあったなんて知りませんでした。(※注)
それも千年も前から残されていたなんて驚きです。
ただ動かしにくかっただけのようにも思えますが今もあるという事には価値があると思います。
と、以上のように貴重なさざれ石なのですが、
大きいと言えば大きいけれど、それほどでもないと言ったらそれほどでもないと感じる
微妙なサイズです。
記念碑に負けている気がしなくもありません。
水晶のようなきらびやかな鉱物が凝結している訳でもないので
色は石の色合いにところどころ苔の緑色があるくらいで、わびさびと表現すれば聞こえは良いですが地味な印象です。
また、さざれ石の後ろの石垣が同系色なので正面から写真に撮ると葉っぱにまぎれたカメレオンのようにどこからどこまでがさざれ石なのか分からなくなります。
公園内には岐阜県出身の芸術家である日比野克彦氏の壁画がありますが
風雨にさらされた結果だと思うのですが何が描かれているのか把握しにくいです。
滝があったり、広場があったり、人里から離れて静けさに包まれた心が安らぐ雰囲気のある公園なのですが、なんというかメインが歯がゆいのです。
愛石家(あいせきか:石を愛する人のことをこう呼ぶそうです)からすると垂涎ものなのかもしれません。
しかし、写真は撮りませんでしたがこの公園つくまでに見る揖斐川町春日の町並みは「岐阜のマチュピチュ」と形容されることもあるぐらいの景観を誇っています。
愛石家でなければ、さざれ石公園を中継ポイントにしたドライブをおすすめします。
(※注:ふと気になってさざれ石のことに触れた神社の回を読み直してみたら、
御首神社の回で紹介したさざれ石の写真にバッチリと揖斐川町春日のことが書いてありました。全く気が付きませんでした。)
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