【岐阜】おとなの学校「僕の屋号のひみつ〜話せばわかる!?トークセッション〜」/カンダマチノート
月に一度だけ、岐阜市のカンダマチノートで開校する「おとなの学校」。
様々な分野で活躍されている方が一夜限りの先生となり、ご自身の活動や考えについて授業を開きます。
この日の先生は「デザインとコミュニケーション」という屋号で活動されている小川晋平さん。
対話形式の授業ということで、大きな机を囲むようにして20人ほどの生徒が集まりました。
デザインとコミュニケーション
小川さんの屋号がそのままこの日の授業テーマ。
そのことばの通り、「デザインとコミュニケーション」を核にした事業を展開されています。
大学卒業後、東京に就職した小川さんですが、大きな企業の看板を背負っていては、やりたいことがやりきれないと独立し、地元京都にUターンしました。
「デザインとコミュニケーション屋号というですが、大事なのはコミュニケーションで、デザインはおまけみたいなもの」と小川さんはいいます。
デザインとは人との対話によって生まれるもので、かっこいいかきれいかということではなく、想いをかたちにするという点に、その本質があるというのが小川さんの考えです。
コミュニケーションが基本になるのは、なにもデザインに限ったことではなく、どんな仕事においても共通すること。これまでの小川さんのコミュニケーションのあり方に触れることで、生徒も自身のコミュニケーションや働き方に考えを巡らせる。そんな授業のはじまりです!
Facebookの投稿を見てみよう!
教室のスクリーンに映し出されたのは、小川さんのFacebookページ。これまでに投稿した写真がずらりと並んでいます。
生徒が気になる写真を見つけたら自由に質問や感想を述べていく対話形式で、小川さんのコミュニケーションのあり方に迫ります。
前職の会社の最終日、鴨川での待ち合わせ、単身赴任中のお子さん、ヨーグルト…
日常の何気ない写真から、忘れられない出来事まで、1枚の写真からストーリーが紡がれていきます。
最初は発言の少なかった教室も、時に笑いを交えたトークで、だんだんとあたたまってきました!
名刺は人をあらわす
ひときわ話題が広がったのが、きれいに整列された名刺の写真。
ご本人の顔写真が入ったデザインは独立された頃から変わっていませんが、ひとつだけ変わったことがあるそうです。
それは、当時はイラストと一言メッセージを手書きで入れていたということ!
せっかく初対面の方に渡すのだから、自分の屋号を説明するのにもちょうどよいということで作っていたそうですが、さすがに1枚1枚手を動かすのは大変すぎて(たまに英語の綴りを間違えることもあったとか…)、今は印刷になっています。
どんな紙を使っているのか、どんなコミュニケーションをうませようとしているのか…名刺はその人があらわれるすごく重要なもの。
小川さんが実際に名刺の制作を依頼されたときには、密な対話を惜しまず、納得のいくまで相手を引き出します。
お店のまわりのストーリーまで設計したい
「ブランディングのときのやり方はありますか?」という生徒さんの質問に、
そもそもブランディングということばはあまり好きではないという小川さん。
ロゴや袋などのツールを使って、ブランディングだと言っているデザイナーが多いのがおもしろくないといいます。
そうではなく、デザインを納品したその先をイメージして、オーナーさんが思い描くお店造りをコミュニケーションによって理解する必要があります。ロゴはあくまでも表面的なもの。お店のまわりのストーリーまで設計したいというのが小川さんの想いです。
まずは、相手を好きになること
最後に生徒さんから「初対面の人にする定番の質問や行為はありますか?」という問いが投げかけられました。
少し考え込み、「その人を好きになること」と小川さん。
教室からは「なるほどなぁ」という声がこぼれます。
相手を好きになることで、その人に気が向き、真摯に話を聞けるようになります。
きっと、これはデザインの仕事に関わらず、どんな仕事にも共通すること。いや、もっといえば仕事に限らず人と関わるうえでとても大切なことのような気がします。
コミュニケーションの価値はお金ではかれるものではありません。だからこそ、欲を出さずに実直に相手と向き合うしかありません。
気がつけば、授業冒頭の「コミュニケーションはあらゆる仕事の基本である」という話題に戻ってきました。
授業が終わってからも、みんなまだまだ話足りない様子。
「デザインとコミュニケーション」というテーマから、生徒それぞれが「自分とコミュニケーション」を考える2時間になったようです!
おとなの学校
と き:毎月最後の水曜日 19:00〜21:00
場 所:カンダマチノート2F
授業料:800円(1ドリンク)
定 員:約20名
Facebookページ:https://www.facebook.com/imanarakikeru/?ref=ts&fref=ts
デザインとコミュニケーション
HP:http://www.design-communication.jp/
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