【岐阜】「みんなー!ニューヨークへ行きたいか〜〜〜〜!」/おとなの学校

毎月最終水曜日に岐阜市のカンダマチノートで開校する「おとなの学校」。

様々な分野で活躍されている方が一夜限りの先生となり、ご自身の活動や考えについて授業を開きます。

8月は主催のミユキデザインさん自ら教壇に立ち、特別編の開校です!

ミユキデザインさんは建築事務所でありながら、建物の設計だけでなく「サンデービルヂングマーケット」や「暮らしDIYリノベ」、おとなの学校の会場である「カンダマチノート」の企画運営など、幅広い事業を手がけられています。

7月の終わりにニューヨークに社会見学に行かれたミユキデザインの大前さんと三樹さん。

今回の授業は、いわば社会見学レポートの発表会です!

教室にはニューヨークへ行きたい(?)生徒たちが30人ほど集まりました。

 

「ニューヨークに行ったことがある人ー?」との質問に挙手したのは1名だけ。

ほとんどの人が行ったことがないので、まずはイメージをつかむためざっくりとしたニューヨークの概要を見ていきます。

 

アメリカ最大の都市であるニューヨーク。今回ミユキデザインさんが訪れたのは、ニューヨークの中でも「マンハッタン」と「ブルックリン」という都市です。

スライドに映し出された青く囲ってある部分は、日本のある地域と同じくらいの範囲なのだそうですがわかりますか?

ヒントは「東京のどこか!」ということですが……

 

 

そう、答えは「山手線」!

だいたいの規模のイメージがつきますね。

 

街を歩いていてお二人が最初に気がついたのが、2kmくらいごとに緑地が点在していること。

2kmというのは、人間が歩いてまわるのにちょうどよい範囲なのだそうです。

地図で見てもポツポツと緑が散らばっているのが分かりますが、この感覚というのは日本ではなかなか得難いもの。

何気ないことですが「たしかにな〜。」と生徒たちは納得の反応でした。

 

さて、ここからはお二人が訪れて印象的だったポイントを場所ごとに見ていきます。

まずはブルックリンの街並みから。

背の高いビルは少なく、新しいビルでも古い建物との連続性を保って建設されているというところが特徴です。

もう一つ特徴的なのが、至る所に描かれているウォールペイント

広告になっていたり、純粋なアート作品だったり、街中で日常的にライブペイントが行われています。

景観の問題など日本では規制が厳しいですが、こんな風に街中にアーティストの作品が溢れていたら、歩くのが楽しくなりそうですね!

 

リノベーションの事例も多く見られます。

大きく「HOTEL」の文字が入った建物は倉庫をリノベーションしたホテルで、外壁だけが古いままで、内装が新しく作られているそうです。

写真で見るだけでもかっこいい外観なのですが、さすが建築事務所のミユキデザインさん、リノベーションの仕方に着目。

例えばレンガ積みを見てみると、本物のレンガが使ってあって、職人さんが昔ながらの方法で積み上げていったそうです。レンガが表情としてだけでなく、仕事としてもしっかり残っているところに感心、うらやましかったといいます。

たしかに、今は日本なら費用などの問題もあって、本物のレンガではなく、レンガ風タイルが使われてしまうところ。

見た目の問題だけではなくて仕事や文化としても残していくという視点も大切なことです。

 

お二人が宿泊されたのはマンハッタンとブルックリンのちょうど間に位置するウィリアムズバーグという都市。

個性ある個人店が多く、外観もかわいらしいので歩いているだけで楽しかったといいます。

歩道とお店の敷地の境界線が曖昧なので、ついつい立ち寄りたくなる気持ちにさせるのが魅力的なところ。

大抵は軒先にテラス席があります。確かにこの光景はすごく外国らしい印象!

 

アメリカというと食に関してはジャンキーなものが多く、日本の繊細な料理を食べ慣れているとなかなか口に合わないイメージがある方も多いのではないでしょうか?

しかし、個人店が多いせいかウィリアムズバーグでの食事は料金は高くても、おいしくて意外だったと大前さん。

産地や農家さんについての情報が書いてあり、ローカルフードの流れも見られたそうです。

 

マンハッタンのブライアントパークは治安が悪かった公園を再生した事例。

着目すべきは「公共のものだけれど運営が民間である」という点です。

貸し出し用のイスには企業の広告やロゴが入っていたり、テナントとして飲食店が出店していたり、卓球台や本棚が設置されていたり、コンサートなどの催しものも盛んだったり…かなり自由度の高い公園。

周りの環境はビジネス街で、働く人々の憩いの場ともなっているようです。

 

 

さて、今回の社会見学の一番の目的である「ハイライン」。

ハイラインは廃線の高架部分に建設された線形の公園です。

10年ほど前から工事が始まり少しずつ拡大させながら現在に至ります。

ここでも至るところに緑地があって、芝生で寝転ぶ人の姿も。

三樹さんが驚いたというのは、音の感じ方について。

街なかにあるのに、高さがあるため、車の気配を全く感じないそうです。

見えている景色は街なのに、静かな自然のなかにいるような不思議な感覚だったといいます。

 

「歩いている人が穏やかで雰囲気がよく、大声で話すような人はいなかったのは、場所が人を選んでいるというのもあるのかな?」

 

なるほど、そういわれてみると、日常にも思い当たる場面があるような気がします…!

 

直線的な公園だけれど、ところどころ枝分かれしていて、ひと休みしやすくなっているなど、目に見えないデザインが施されていたり、材料も自然のものが使われていて歩行感が心地よかったり、たまに遊び心あるデザインがおもしろかったり…「とにかく秀逸でした!」と大前さんも大絶賛!

気軽に行ける場所ではないのが残念……授業を聞いているとますますニューヨークにいきたくなってしまいます…!

 

続いて、ハイラインと同じエリアの「チェルシーマーケット」。

飲食点を中心に様々なお店が集まったマーケットで、ここも工場をリノベーションして20年ほど前に作られました。

たくさんのハンドメイド作家さんの商品が販売されているスペースもあり、岐阜で言うとやながせ倉庫のような感じだそうです(笑)。

飲食店はほとんどがスタンド式で、仕事帰りに立ち寄った方がさっと食事を済ませて行く場所としても使われています。

今ではそう珍しくない空間に感じられますが、これが20年前に作られたというのが驚くべきこと!

 

 

この他にもミュージカルや美術館など文化的な話も聞くことができて、始業前よりもさらにニューヨーク熱が高まった教室!

 

「今すぐにでも岐阜で実践したいアイディアや、うらやましい文化がたくさんありました。」と三樹さん。

今回の社会見学で、公共空間のおもしろい使い方や個人店の多様さに特に刺激を受けたそうです。

それから、もう一つ印象的だったのが、お店での“生身のサービス”に触れたこと。

「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」というマニュアル化されたサービスではなく、気軽に話かけてくれる気持ちのよいサービスが日本ではなかなか感じることが出来ないこと。

当たり前の文化も、外の世界に触れることで見方が変わってきますね!

 

 

今月は来週8月30日(水)にもおとなの学校が開校します!

次回は大垣の本物の学校「情報科学芸術大学院大学IAMAS(イアマス)」との合同授業!

おもしろそうな2時間になりそうです。

詳細はFacebookイベントページよりご覧下さい。

 


おとなの学校

と き:毎月最後の水曜日 19:00〜21:00

場 所:カンダマチノート2F

授業料:800円(1ドリンク)

定 員:約20名

Facebookページ:https://www.facebook.com/imanarakikeru/?ref=ts&fref=ts

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年08月26日作成
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