【INTERVIEW】ミツバチ食堂

岐阜市、柳ケ瀬商店街の日の出町通りにお店を構える「ミツバチ食堂」さん。

心も身体も満たされるやさしいお料理の人気店です。

今回は店主の岡田さんに、お店を営むことへの想いや柳ケ瀬についてお話を伺いました。

自然のエネルギーを感じて

杉田:まずミツバチ食堂をオープンするにあたった経緯や想いを教えてください。

岡田:今年でお店をはじめて21年目に入るのですが、もともとはチェーン店としてお店を店舗展開していくことが目標だったので、最初はファーストフード的なワッフル屋をやっていました。その頃、狂牛病問題が起きて、食に対する不安をお客さんだけでなくて私自身も感じていました。例えば業者さんから何かを仕入れたとしてもそれが大丈夫なのかとか、漠然とした業界的な不安です。飲食業はこれからどうなっていくんだろう…と、なんとなく悶々としている時にたまたまスタッフにマクロビオティックを勉強していた子が入って来て、彼女がお弁当を作ってくれたんです。そのお弁当にすごく自然のエネルギーを感じました。これが本来の「食」なんだろうなと。自分にとってはすごく衝撃的なことで。

杉田:それが食堂を始めるきっかけになったのですね。

岡田:はい。そこから、自然食というのを自分なりに感じて、最初は完全菜食主義のオーガニックカフェをやりました。その頃は法的に認定されているものではないとこわくて買えないという時期があったのですが、カフェを5年間くらいやる中で、なんとなく自分なりの判断基準ができてきました。例えば、味噌ひとつとっても有機認定されているものではなくても、生産者さんがちゃんとした作り方をしていればそれでいいなと思えたりとか。体に良いものは使うけれどがちがちに自然食というのではなくて、もっと自由に、時にはお酒を飲みながら食事を楽しめるような場所にしたいなと思ってミツバチ食堂を始めました。

杉田:ミツバチという名前の由来はどこからきているのですか?

岡田:店名を決める時に、わかりやすい名前にしたいなというのが一番にありました。子どもでもわかる名前ということで、なにがいいのかなって考えた時に、環境破壊で、ミツバチが減っていっているという話をニュースで聞いたので、自然環境とともに存在できるような食堂になりたいという気持ちを込めてミツバチ食堂になりました。

コンセプトは「食・農・街」

杉田:お店のコンセプトや大切にしていることを教えてください。

岡田:私がやるお店は全部に共通しているのですが、「食・農・街」というのがうちのお店のコンセプトです。「食」というのは丁寧に作られたご飯だったり、体に良いもの、添加物を使わないだとかそういったこと。「農」というのは、生産者さんとの繋がりを大事にしていきたいということです。お互いプラスになるような関係でいたいなと。最後に「街」というのは、商店街でお店をやっているので、やっぱり商店街とともに存在していきたい。自分たちのお店だけど好き勝手やっていてはいけないと思います。だから、私にとっては街づくりも店づくりも本当に同じ感覚です。うちは街の一部だと思うし。そういう街との関係も大事にしていきたいです。

杉田:お店のメニューはどういう風に決められているのですか?

岡田:店のメニューは大雑把なところは私が決めていて、方向性だけ。ただ私は料理人ではないので、具体的に細かく決めるのは現場のスタッフがやっています。ランチは肉と魚と野菜がありますが、全部日替わりです。それ以外にメインメニューは季節によって変わります。

店が街をつくる

杉田:名古屋など大都市に出店することもできるなかで、岐阜、柳ケ瀬でお店を続けられていることに対してはどのような想いがありますか?

岡田:私は柳ケ瀬から一度は出て、戻ってきた立場なのですが、岐阜はコミュニティが発達していると思います。それはいい部分でも悪い部分でもあって、苦手な人は息苦しいと感じるだろうけど、みんな仲良くて人との繋がりがすごくあります。店もそうで、誰が経営者かというのはすごく見られるだろうし。例えばお金儲けという観点でみると、はっきりいって岐阜って厳しいと思うんですよ。さらに飲食業界としては全国でも上位に入るくらいの厳しい地域だと思いますが、その分やりがいがあって楽しい。私は店がその街をつくると思っています。どんな店があるかによってそこに集まる人も変わるし、店というのはその地域を変える力があると思うので、そういう意味ではすごく存在意義を感じています。

杉田:最後に、お店や柳ケ瀬の今後の展望を教えてください。

岡田:店はどんどん地味になっていきたいと思っています。地味というか地域に根付いていきたい感じですね。柳ケ瀬に関しては、私が20年前に柳ケ瀬に店を出したいと思ったように、若い人の色々な店が増えればどんどんおもしろくなると思っています。今でもそういう空気はあって、出店の問い合わせをもらうんですけど、意外とちょうどよい物件がないというのが現状で、そういった環境を整えていきたいです。昔からの老舗が商店街にあるのですが、そこに若い人のお店が増えてくると、コントラストでおもしろくなると思うので。商店街はすごくおもしろい場所だと思います。

杉田:これだけ大きな商店街は全国的にもなかなかありませんよね。岡田さん、ありがとうございました!


ミツバチ食堂

住所:岐阜県岐阜市日ノ出町2-5

営業時間:ランチ  11時~14時半/ディナー  18時~22時

定休日:月曜

HP:http://mb-cafe.net/

2017-06-11 | Posted in 新刊の取材Comments Closed 

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