義春刃物/関の工場参観日おすすめモデルコース⑤

いよいよ申し込み開始(7月23日)目前の「関の工場参観日」。

今年で5回目を迎える関の工場参観日は、関のものづくりの現場を肌で感じることで、製造業への興味関心を深めてもらおうと関市が毎年夏に行なっているイベントです。

今年の参加事業所は41企業。

刃物の工場をはじめ、関牛乳さんや濃飛西濃運輸さんなど、私たちの生活に馴染み深い企業や工場の舞台裏を特別に見学・体験することができます!

開催期間中、参加者は41ある参加企業のなかから気になる企業や工場を選び、各々オリジナルのコースで工場を巡ります。

41箇所もあると、どこから回ろうかが迷いどころ。土地勘がないとコースを決めるのにも一苦労です。

そこで関の工場参観日とかかみがはら暮らし委員会が申し込み開始に先立ち、2種類のおすすめのモデルコースをご提案していきます!

お申し込みの際にぜひご参考にしてください。

前回までにご紹介した記事はこちら↓

濃飛西濃運輸/関の工場参観日おすすめモデルコース紹介①
関SA〜キッチングラート/関の工場参観日おすすめモデルコース紹介②
関牛乳〜フェザーミュージアム/関の工場参観日おすすめモデルコース紹介③
杉山製作所
/関の工場参観日おすすめモデルコース紹介④

 


今回ご紹介するのは、洗練された鉄加工の技術を活かしてデザイン性の高い鉄家具を制作されている「杉山製作所」さん、学習用彫刻刀のシェア日本一の「義春刃物」さん。香り高い自家焙煎コーヒーが楽しめる「カフェドギャラリーアダチ」さん。印刷のデザインからプリントまで全てを手がける「協同印刷」さんを巡るおすすめコースです。

 

【義春刃物】

学童向け彫刻刀シェア日本一!

前回の記事でご紹介した杉山製作所さんから徒歩5分。

2件目に訪れたのは学童向け彫刻刀シェア日本一の「義春刃物」さんです。

日本の小学生の2人1人が使っている義春刃物さんの彫刻刀。

なんと東京の小学生だった杉田さんも使っていた記憶があるそうです!!

 

義春刃物さんは彫刻刀の他にも、ハサミやキッチン用品など、切れ味抜群の刃物を作っている創業100年の老舗メーカー。

最近では「小さな刃物を切れ味よく」という得意分野を活かして新商品の開発にも積極的に取り組まれています。

創業以来、熟練の職人が一本一本手作業で刃物を生産しており、その加工技術は日本トップレベル。

ここだけのノウハウが受け継がれてきており、工場参観日では企業秘密の部分もあるほどです。

 

出荷量は年間300万本。彫刻刀ができるまで。

彫刻刀の製作はまず、材料の鋼板から刃の形を抜き出す「抜き」と呼ばれる工程から始まります。

小気味よいリズムで小さな刃が抜き出されていく様子は見ているのが快感!

難なくこなしているように見えますが、こうして乱れなく抜いていくのは長年培ってきた職人技です。

抜き出される刃の数は職人1人あたり実に10000本、年間300万本!

抜き出された刃は目的の形にプレスする「曲げ」の工程へと送られます。

焼き入れ前の鋼は柔らかいので、丸刀や平刀など、彫刻刀の種類に合わせて曲げていきます。

 

その後、熱処理工場へ送られ900度にも上る高温の炉で「焼き入れ」され、硬度が高まりより丈夫な刃になります。

そしていよいよ彫刻刀の命である「刃入れ」へ。この過程は非常に重要な技術を要するため、企業秘密です!

円形の砥石を回転させ、水で冷やしながら材料を砥石に押し付けることで、刃が付けられていきます。

 

彫刻刀は「切れ味」と「長持ち」が天秤の関係。

一般的には切れ味をよくしようとすると、寿命が短くなり、長持ちさせようとすると切れ味は落ちてしまいます。

義春刃物さんではその両者が生きるように刃の角度を徹底的に研究し、切れ味がよく長く使える彫刻刀を実現しています。

 

手作業だからできる、繊細さと正確さ。

刃付けを終えた刃はまだ「バリ」と呼ばれる異物が残っており、切れ味がよくありません。

羽布(バフ)というやすりのようなもので、職人が一本一本磨いて、バリを取って仕上げていきます。

少しでも力加減を間違えると余計に削ってしまい、切れ味を悪くしてしまったり、磨き残しが出てきたり、とても繊細な作業。

その細かな作業ができるのは人の手だけ。機械化することはできません。

バリ取り前と後の刃でダンボールを切らせていただくとその違いが本当によくわかります!

 

そして、最後に「柄付け」と同時に「検品」をして、箱に詰められ全国の小学生の元へと届けられます。

ここでは女性の細やかな視点が大活躍。

義春刃物さんの検品の基準は非常に厳格で、職人さんでも見落としてしまうくらい小さなキズや刃の欠けを一瞬で見抜きます。

職人さんも検品にかけられる時が冷や冷やするくらいなんだとか!

 

何気なく使っていた彫刻刀が、こんなにもたくさんの職人さん手によって作られていたとは想像もしたことがありませんでした。

職人さんの姿や、モノができるまでのストーリーを知ると、道具の使い手の気持ちにも変化が出て、より一層モノを大切にできます。

みなさんもぜひ自分の目でモノが生まれる過程を見学してみてください!

 

次回は、幅広い世代に人気のカフェ「カフェドギャラリーアダチ」さんで、ランチ&焙煎の見学の様子をお届けします。

 


義春刃物

住所:関市旭ヶ丘3-17

工場参観:8月22〜25日

ワークショップ:8月22~25日 ※要予約

宝石には無い手作りの輝き。SNS映え抜群の”シャインカービング”体験

参加費 1000円 1回10人まで

場所:インフォメーション会場(関市文化会館)

 

 


関の工場参観日2018

開催日:8月22〜25日
※お申し込みは7月23日からを予定しています。

HP:http://kojosankanbi.jp/

Facebook:https://www.facebook.com/kojo.sankanbi.seki

2018年07月22日作成
関連記事