【各務原市】「那加デザインミーティングVol.3 <関わりたくなるまち>」開催レポート
2025年2月26日(水)、各務原市にあるTOUAMACHI KAIKANで「那加デザインミーティングVol.3 <関わりたくなるまち>」が開催されました!

各務原市民公園や学びの森、その周辺の那加商店街を含む「那加公園エリア」は、さまざまなお店やプロジェクトが始まり、新しい賑わいが生み出されているエリア。「那加デザインミーティング」や「なかなか良い日」など、まちづくりの取り組みを加速するイベントが定期的に行われています。
▶︎那加デザインミーティングVol.1の様子はこちら:前編・後編
▶︎那加デザインミーティングVol.2の様子はこちら
▶︎なかなか良い日の様子はこちら

今回の「那加デザインミーティングVol.3」は、<関わりたくなるまち>がテーマ。全国の様々なローカルプロジェクトに関わる『ソトコト』編集長の指出一正さんから、新著『オン・ザ・ロード 二拠点思考』にまつわるお話を聞き、まちの関係人口創出の方法を探る、というものです。



会場では、那加公園エリアにある本屋「カクカクブックス」さんが『オン・ザ・ロード 二拠点思考』をはじめ、まちづくりに関する書籍を販売!そして同じくこのエリアにある“まちの交民館”「十‘|TEN [テン]」さんによるドリンクの販売もあり、イベント開始前からゆるやかな賑わいが生まれていました!
第1部:『オン・ザ・ロード 二拠点思考』の出版記念トーク

イベントが始まる19時には、60人の定員がほぼ満席に!第1部は、指出さんによる『オン・ザ・ロード 二拠点思考』の出版記念トークです。
本のタイトルになっている“二拠点思考”やキーワードとなる“リジェネラティブ”について、自身の経験や全国各地のさまざまな事例を交えて語りました。

現在、東京と神戸で2拠点生活を送っている指出さん。東京では大企業にヒアリングを受ける一方、神戸では地元の方々とカラオケに行き「意外とうまいやん」と褒められる…とそれぞれの土地で異なる顔を持って暮らしています。
二拠点思考はそんな指出さんの生き方にも関わる言葉で、「自分の住む地域と思いを寄せる地域を頭の中に複数持つことで、一つの基準ではない複眼的なものの捉え方ができる」という考え方。「実際に2拠点に暮らさなくても、一つの場所や思考にとらわれないことで、生き心地がよくなるんです」と指出さん。

一方“リジェネラティブ”は農業がルーツとなった「再生させる」という意味の言葉で、社会やまちづくりの分野では、「従来の場所や仕組みを改善し、人がより幸せになるように取り組んでいく行為」という意味で使われています。
「各務原も、もともとあるものを生かして、よりよい暮らしを作っているリジェネラティブなエリアですよね」と指出さん。

そして、“二拠点思考”と“リジェネラティブ”にまつわるローカルな取り組みを次々と紹介。栃木県宇都宮市の「ビルトザリガニ」、埼玉県草加市の「シェアアトリエつなぐば」、群馬県前橋市の「マチスタント」、神戸市の「NATURE STUDIO(ネイチャースタジオ)」、横浜市の「せとさんち」…。
「ローカルプロジェクトで大切なのは“よくわからない、混沌としたものであること”です。答えを求めたり、人を追い詰めたりせず、喜びをもたらすものであること。それこそが、ローカルプロジェクトのゴールなのではと、僕は思います」。

それぞれの魅力的なローカルプロジェクトについて、取り組みの意義や心惹かれる理由が指出さんの言葉で編集されることで、より納得感が生まれます。できるだけその言葉をとりこぼしたくない!と、熱心にメモを取る姿も多く見られました。
第2部:指出さんと那加公園エリアのプレイヤーのクロストーク

第2部は指出さんに加え、「matane HERB&SPICE」の山田真代さん、「花と喫茶 karakuru」の高垣茜さん、ゲストハウス「ato」の原田麗奈さんという、那加公園エリアでお店やプロジェクトを始めた3名をゲストに迎え、クロストークが行われました!

各務原市出身の山田さんは、愛知県江南市でカフェを営む中、2号店としてより広い場所を探す中でTOUAMACHI KAIKANと出会い、2024年11月に「matane HERB&SPICE」をオープン。
「元々地元ということもあり、母親の友人など、ふだんあまり外出しない世代の方も通ってくれています。まちに出るきっかけとなれているのが嬉しいですね」と山田さん。
指出さんは「ウェルビーイング(Well-being)(=よりよく暮らすこと)は短中長の移動の繰り返しで高まると言われますが、このまちで暮らす人にとって、mataneさんはそんな移動の目的地になっているんでしょうね」と返します。

時計屋だった建物をリノベーションし「花と喫茶 karakuru」を営む高垣さんは、まだ構想段階だったときに「地元でお店を開きたい」とかかみがはら暮らし委員会のメンバーに想いを伝えたところ、協力してくれる人が次々と現れ、力をもらえて開業につながった、と語ります。
指出さんは、こうした現象を“軽やかなたらい回し”と表現。多くの人とゆるやかなつながりが生まれたり、まちで新たなおもしろい動きが始まったりするきっかけになる、と教えてくれました。

原田さんは、宿泊施設が少ないこのエリアに、ゲストハウス「ato」を開業予定。郡上や伊豆のゲストハウスで働いたことをきっかけに、「各務原のおもしろい人たちと出会えたり、さまざまな人と知り合える場所をつくりたい!」と決意し、現在、建物を絶賛改修中です。
そんな話を受け、指出さんが例に挙げたのは、台湾の高雄にあるカフェと宿が併設した「銀座聚場」。地域と訪れた人をつなぐ“関係案内所”的な宿がまちにあることで、“撮れ高ではない旅”が楽しめる、と伝えました。
3人の話を聞き、那加公園エリアを“やわらかなインフラ”が整ってきている、と指出さん。さらに、「各務原はすでに面白いことや場所はたくさんあるので、今後は“素”を楽しめる場所になっていくといいですね」と助言しました。

こうして、今後の那加公園エリアのまちづくりにとって刺激になる内容が満載だった「那加デザインミーティングVol.3 」は、白熱した空気の中、終了の時間に。最後はみんなで記念撮影をして、イベントは幕を閉じました!
***
次回の那加デザインミーティングの開催は、2025年8月頃の予定。ゆるやかにおもしろい取り組みが次々と始まっていくTOUAMACHIKAIKANや那加公園エリアに、ぜひ今後も注目ください!
【終了しました】那加デザインミーティングVol.3 <関わりたくなるまち>
開催日時:2025年2月26日(水)19:00〜21:00(18:30〜受付開始)
会場:TOUAMACHI KAIKAN(各務原市那加東亜町106)
※JR高山線 那加駅より徒歩3分、名鉄各務原線 市民公園前駅より徒歩6分
共同駐車場:約40台
※満車が想定されるため、各務原市民公園付近の市営駐車場(3時間無料)をご利用ください
トークゲスト:
《第1部・2部》
指出一正(『ソトコト』編集長)
《第2部》
高垣茜(花と喫茶 karakuru)
原田麗奈(ゲストハウス「ato」)
山田真代(matane HARB & SPICE)
進行:長縄尚史(一般社団法人かかみがはら暮らし委員会 代表理事)
定員:60名(予約優先)
ご予約:各務原市公式サイト
さかだちブックスをフォローする