【岐阜】岐阜まち歌舞伎公開稽古

2018年3月22日、この日は「岐阜まち歌舞伎」の公開稽古が行われていました。
今年も伊奈波神社では、4月4日(水)に「岐阜まち歌舞伎」が上演されます。


岐阜まち歌舞伎とは、「岐阜町若旦那会」のメンバーによって上演される歌舞伎のこと。今年で7回目を迎えます。
その昔、伊奈波神社の境内には芝居小屋があり、歌舞伎の文化が根付く町でした。その頃の岐阜祭りの宵宮では、町衆による「にわか芝居」(いわゆる素人による即興芝居)が演じられ、夜が明けるまで祭りを彩ります。
そんな歴史のある町だということを現代の人たちに伝え、歌舞伎をきっかけにもう一度この町を盛り上げたいという気持ちから、岐阜町若旦那会は「岐阜まち歌舞伎」を上演してきました。

昨年は落語が元になっている「人情噺文七元結(にんじょうばなし ぶんしちもっとい)」が披露されましたが、今年の演目は「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」。

「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)」の一場面で、源氏と平家の争いを一條大蔵長成卿(いちじょうおおくらながなりきょう)を主人公として描いた人気の演目です。(チラシより参照)

……とのこと。
人気の演目といわれても、若い人たちには聞き慣れない言葉ばかりですよね。
でもご安心ください。チラシの裏面にはしっかりとお話の筋が書かれております。
歌舞伎のことを全く知らない自分でも楽しめるのか、お話についていけるのか不安だという方でも、ちゃんと楽しめるところが岐阜まち歌舞伎のいいところ。

演じるのはもちろん「岐阜町若旦那会」のメンバーです。
岐阜町若旦那会は、お寺や仏壇屋、米屋など老舗の跡取りが集まり、岐阜町を盛り上げるべく結成されました。
その中から今回は4名の方が出演されます。
まずは今回出演するメンバーを、役名とともにご紹介いたしましょう。

・一條大蔵長成/彩多屋喜十郎さん
・八剣勘解由/亀甲屋隆之進さん
・鬼次郎女房お京/焙豆屋明右衛門さん
・吉岡鬼次郎/油屋佐太次さん
・常磐御前/旅客屋十八介さん(特別出演)です。

さぁ、誰が何屋さんかお分かりでしょうか?

お芝居といえばまずは台詞を覚えるだけでも大変ですが、歌舞伎となればその苦労は計り知れません。
言葉の言い回し、声の出し方、目線、動き方、どれをとっても普段の生活の中にはないものばかりです。
それぞれがお店をもっているため、なかなか時間の合わない中でのお稽古。
数少ない時間で完成させなくてはならないため、少しでも空いた時間は各自のお稽古にあてられます。
イヤホンで音を聞きながら言い回しを練習したり、お互いに動きの確認をしたりと、歌舞伎と向き合う姿は真剣そのもの。

それにしても、これは過去6回上演してきた実績でしょうか。
みなさんは本当にお芝居の素人だったのか…本当は昔どこかの劇団にでも入っていたのでは…!?なんて思わず疑いたくなるほどのクオリティです。
老舗を背負っている跡継ぎの、底力を垣間みた気がします。

また、岐阜まち歌舞伎のお話は、オリジナルを元に地元ネタを取り入れ、「岐阜町若旦那会」らしさが出るようにアレンジされています。
そのため、それぞれのお店や周辺のお店について事前に知っておくと、面白さ倍増です。

ちなみに、なんと今回はこのお二方も冒頭にご出演。夫婦息の合った掛け合いが見所です!

どんな掛け合いかは見てのお楽しみ。

 

そして、実はずっと気になっていた若旦那会の方々が着ているこのTシャツ。

メンバーそれぞれの似顔絵が描かれており、どれも特徴を捉えていてよく似ているのです。
この似顔絵は誰が描かれたんですか?と聞けば、「ここを見てごらんよ」とTシャツの右端を指差します。
どれどれ…

アッ!
石田意志雄先生ではありませんか!(興奮のあまりピントが合いませんでした)
サンビルなどでたまに「やや似顔絵」を描いているところを見かけますが、これは完全に「似顔絵」です。

「オリジナルの手ぬぐいも作ったんだよ」

Tシャツと同様に岐阜町若旦那会メンバーの似顔絵が描かれた手ぬぐいは会場で販売されるそうです。
会場についたら、まずはこちらをゲットしてくださいね!

そうこうしているうちにお稽古はおしまいの時間を迎え、ふっと息の抜けた演者さんたちはちょっとリラックスモード。
かと思いきや、終了時刻を過ぎた後にも気になっていたところを練習している姿が。
来てくれた人たち全員に楽しんでもらえるように…そんな岐阜町若旦那会の熱意が伝わってきます。


本番は4月4日の水曜日、午後六時半から開演です。
皆さまと一緒にこの熱意を感じられることを楽しみにしております!


岐阜祭奉賛 岐阜まち歌舞伎
日時:2018年4月4日(水)18時30分開演
場所:伊奈波神社参集殿「稲葉座」

 

【岐阜町若旦那会】
会長 藤居進一(藤井佛壇)
副会長 松枝秀晃(善光寺安乗院)
牧野浩之(長崎屋総本舗)
高橋秀太(高橋製瓦)
川島徹郎(麩兵)
大平雅章(米角大平米穀店)
古田浩紹(ヱビス)
金森正親(伊奈波商會)
寺澤隆浩(亀甲屋本舗)
蒲勇介(ORGAN)
矢島明(Yajima Coffee)
山本慎一郎(山本佐太郎商店)
住公輔(住工業)
田代達夫(十六銀行)
山田知幸(ゆば勇商店)
市川智己(市川葬典)

【特別参加】
伊藤豊邦(十八楼)

 

 

 

2018年03月26日作成
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