シルクスクリーン印刷のGIグランド/さかだち社会見学

岐阜県郡上市を発祥とする印刷技法、シルクスクリーン印刷。

シルクスクリーンという言葉は、ワークショップの流行などで、近年よく耳にするようになりましたが、実際それがどのような印刷技法であるのか、詳しくは知らない方も多いのではないでしょうか?

今回見学させていただいたのは、岐阜市に工場を構える印刷会社「株式会社GIグランド」さんです。

この日は社長の戸田さんに工場内をご案内していただきました。

工場に一歩足を踏み入れると、インクの独特のにおいがほんのりと漂います。

まず初めに見せていただいたのが、「シルクスクリーン」という言葉の由来であるスクリーンの部分。

もともとスクリーンが絹でできていたことから「シルクスクリーン印刷」と呼ばれるようになりました。

触らせていただくと、とても滑らかな指触り!

 

これを枠にはめて印刷する文字や柄を光で焼き付けたものが印刷の版になります。

かつては木枠を使っていましたが、現在はほとんどがアルミ枠。

スクリーンには細かな孔が空いており、ここにインクを通して印刷をするというとてもシンプルな仕組みです。

こちらは、枠にスクリーンを張るためのストレッチャーと呼ばれる機械。

空気を送ると、機械が作動して、スクリーンがたるまないようピンと張る仕組みになっています。

この工程は「紗張り(しゃばり)」と呼ばれています。

 

続いて、光に当てると硬化する乳剤をスクリーンに塗り、そこにポジフィルムと呼ばれる、印刷する柄や文字が描かれたフィルムを被せます。

そこに強い光を当てることで、黒く影になっている文字や柄の部分だけが硬化せずにインクが通る状態になります。

こちらの写真のように、ポジフィルムは透明なシートに印刷する柄が色ごとに印刷されたもの。

例えばCMYKならシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの4色を、オフセット印刷と同じように重ねて印刷することで色の表現をしていきます。

版画をイメージするとわかりやすいかもしれません!

 

2階では版を使ってTシャツの印刷が行われていました。

シルクスクリーンの特徴のひとつが、色の数だけ版が必要であるということ。

1つの版には1色しか使えないので、何度も重ねて印刷して完成させていきます。

職人さんはみな、手早く器用にこなしていますが、これも長年の経験を要する技です。

 

「水と空気以外であれば何にでも刷れる」ともいわれているのが、シルクスクリーン印刷の強み。

紙、布、プラスチック、金属など、GIグランドさんではあらゆるものへの印刷をしています。

お客さんからの依頼は様々で、やったことがないこと依頼されることもしばしば。

やったことがないからできないと判断するのではなく、「やったことがないからこそ、チャレンジしよう!」というのが戸田社長の考えです。

お客さんに「ここに来ればなんとかなる!」と思ってもらえたら嬉しいと言います。

最近では、ビルの壁面に印刷するという前代未聞の印刷にもチャレンジしたのだとか……!!

看板や、傘、スクラッチシートなどなど、気が付いていないだけで、私たちの身近にはシルクスクリーンで印刷されたものがたくさんあふれています。

もしかすると、みなさんが普段目にしているものの中にはGIグランドさんで印刷されているものもあるかもしれません。

これからも進化し続けるシルクスクリーンの印刷現場が楽しみです!!


株式会社GIグランド

住所:岐阜県岐阜市西鶉6-53-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2018年05月05日作成
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