「社会人1年目による、ためにならない就活論」開催しました!/さかだち談話室

2017年11月24日(金)にKAKAMIGAHARA STANDにて、「さかだち談話室第一夜 社会人1年目による、ためにならない就活論」を開催しました!

この日が初回の新企画、「さかだち談話室」はさかだちブックスの杉田さんとゲストが様々なテーマについて考えるトークイベントです。

初回のテーマは「はたらく」「就活」ということで、さかだちブックスの杉田さんと同じ社会人1年目をゲストにお迎えしました。

 

ゲストは会場であるKAKAMIGAHARA STANDの運営をしている、一般社団法人かかみがはら暮らし委員会の戸髙翼くん(写真左)と、可児市のNPO法人縁塾の竹村ふみさん(中央)。全員岐阜県内で社会人1年目をスタートさせたことは共通していますが、お互いがどんな文脈で現在の仕事に就いたのかはほとんど知らずにトークがスタート!

 

頼もしいファシリテーター務めてくださったのはニッシーこと西田知佳さんです。普段から就職を控えた大学生や、転職を考えている社会人の相談に乗ったり、セミナーの講師をされているニッシーさん。軽やかなトークで3人の就活時のエピソードや考え、価値観を引き出します。

 

まずは3人がどういう経緯や想いで今に至るのか大学時代を振り返ります。

「思い返せば僕の就職活動は1年生の冬くらいに始まっていた気がします。」と戸髙くん。当時読んだ『里山資本主義』という本に影響を受け、実際に本の中で語られている現地広島を訪れたのだとか。その後周りより一足先に就職が決まってから、戸髙くんの目の前に現れたのが「かかみがはら暮らし委員会」。もともと「将来的には地元のために何かしたい」という想いを持っていたため、悩んだ挙句内定を辞退してかかみがはら暮らし委員会で働くことを決意しました。

「1年生の頃は、地元のために何かやりたいけど、新卒の若僧が突然何かできるわけがない。だから経験を積むために修行してからでないといけないという固定概念にとらわれていたんだと思います。」

3人のなかで、地元で働くという選択をしたのは戸髙くんだけ。続く竹村さんは実は兵庫県出身、大学は大阪という生粋の関西人です。

 

竹村さんは大阪の大学を卒業して、NPO法人縁塾に就職。午前中はアルバイトをしながら、地域と家庭と学校をつなぐプロジェクトに携わっています。実は可児市の隣の御嵩町に住みたかったという竹村さん。小学生の頃に父親の仕事の関係でオランダに住んでいた経験から、国際系の道に進むんだろうというぼんやりとした将来の道を描いていましたが、学生時代のインターンで関わった御嵩町での暮らしや人に惹かれて、就職先をその周辺で探していたところ縁塾とご縁があり、現在に至ります。

「一旦は就活の波に乗っかったけど、1ヶ月でこれは無理だと思ってやめました(笑)。でも、親には就活していると嘘をついていて……本当に親不孝なんですけど、スーツを着て家を出て、ミスドにいたりしましたよ(笑)。就職が縁塾に決まってからも、立ち上がったばかりの地方のNPOなんて怪しくて反対されるに決まっていたから、親がそこそこ安心してくれそうな会社に内定をもらったことにしていました。引越しの時にバレましたけど!」

会場からは「えー!」と驚きの声が!

ニッシーさん曰く、親御さんの説得というのは多くの学生につきまとう問題だそうです。一方、親の干渉はほとんどなかったという杉田さん。

「私は始める前から就活に対する違和感はあったけど、初めから離脱する勇気がなかったんですよ。とりあえずみんなと同じようにやってみたけれど、竹村さんと同じように1、2ヶ月でやめました。みんな型にはまってやれば内定が出るなんておかしい! と思って。やめたとはいえ、何もしないわけにはいかなのでインターンとかしていました。そうしたら、たまたま11月にさかだちブックスの求人が出ていて、それが私のためかと思うくらい自分にぴったりな求人だったんです(笑)!」

迷いに迷った進路選択のなかで、杉田さんが唯一決めていたことは「地元東京には戻らない」ということ。地元のためになにかしたいという戸髙くんとは対照的です。大学時代を長野で過ごしたことで、自分には地方での暮らしの方が合っていると感じたのだとか。

 

紆余曲折を経ながらも、側から見ればやりたいことをやっていて楽しそうに見える3人ですが「ぶっちゃけ働いてみてどうなの? しんどいこともあると思うけどどうやって乗り越えているの?」とニッシーさんから本音に迫る質問が飛び出しました。

それに対して「今日社長が来ているから言うわけでは全くないんですけど、リトルクリエイティブセンターは本当に人がいいんですよ。だからたしかにしんどいこともあるけど続けられます。あと、自分はわりとタフなので生活が乱れたり精神的に落ち込んでも体調は崩さないんです(笑)。でも、まだ本当の辛いことに出会ってないだけかもしれませんね。」と杉田さん。

また、「私はNPOのなかで自分だけが専属で他の方は別の仕事を持っている方なので、立場で悩むことはあります。あとは、立ち上がったばかりの団体なので、誰かから教えてもらうということはできないというので大変な時もありますね……。」という竹村さんの意見に戸髙くんは深く頷きます。場所は違えど、近しい立場にいる2人ならではの悩み。

でも、そのお陰で戸髙くんは今までは目の前に壁が立ちはだかったらそれを回避して生きてきたけれど、暮らし委員会に入ってからは、ちゃんとどうやったら乗り越えられるか挑戦するようになったといいます。

 

3人の本音を聞いたところで、イベント後半はお客さんも交えた交流会。3〜4人1組で3グループほどに分かれ(写真は開始直後で人数が少ないですが、最終的に12名ほどが集まりました。)、ゲストが各グループをローテーション。トークでは聞ききれなかった部分や気になる部分がお客さんから次から次へと投げかけられ、ゲストは質問攻めに!

2時間はあっという間に過ぎていきました。

イベント終了後も会場では参加者同士が名刺交換をしたり、交流会が自然と続いており、会場は最後まで賑やか。

就活生や社会人1年目に止まらず、様々な背景の方にお越しいただき、充実した会になりました。

ご参加いただいたみなさまありがとうございました!

 


【さかだち談話室次回予告!】

初回を終えたばかりですが、早速第二夜を開催します!

さかだち談話室第二夜「本の処方箋公開診断。それと、これからの本屋のこと。」

本屋を通して若者に様々な「学び」や「問い」を届けてきた
ツルハシブックスの西田さんが岐阜にやってきます!
今や西田さんの定番企画となった、お客さんの悩みに対してセレクトした本を処方する「本の処方箋」を開催。
さかだちブックスの杉田のもやもやをみなさんの前で「公開診断」していただきます!
どんなお悩みが飛び出すのかは、当日のお楽しみ。
そんなかたちで西田さんの活動の一部を見ていただきながら、
これからのまちの本屋に必要な役割や、可能性についても考えていきたいと思います。

開催日|12月1日(金)
時 間|19:00~21:00
open 19:00 talk start 20:00
※20:00までは希望する方に「本の処方箋」を行います。
会 場|喫茶 星時(岐阜市神田町3-3加藤石原ビル2階/カンダマチノート2階)
参加費|500円(1drink)
ゲスト|西田卓司(ツルハシブックス)
2011年に新潟市西区に「ジブン発掘本屋 ツルハシブックス」を開業。地域の人から寄贈された本を中高生が懐中電灯を片手に発掘する「地下古本コーナー HAKKUTSU」など、若者と地域が本を通じてつながる仕組みを作る。その取り組みは、「暗闇本屋ハックツ」(練馬)、「新城劇場」(川崎)、「カリカリブックス(仮)」(長野)、「こめつぶ本屋」(大阪)など、各地に広がっている。
Facebook|https://www.facebook.com/events/862777770563199/

 

 

 

 

 

 

2017年11月28日作成
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