【INTERVIEW】gift & wear tRonchi

岐阜市長良の古民家にお店を構えるTRONCHI(トロンチ)さん。どこか懐かしい雰囲気が漂う店内には、セミオーダーのオリジナルウェアと、セレクトされた雑貨が並びます。

雑貨は「作り手の人柄や雰囲気がにじみ出ているものをお客さんに紹介していきたい。」という想いでセレクト。自分が実際に使っているものと、誰かに大切な人に贈りたいと思えるものを紹介している。

お店を営むのは、石田さんご夫妻。ファッションデザイナーの理江さんと、漫画家の意志雄先生です。

おふたりにお店をはじめられた想いや、大切にしていることについてお話をお伺いしました。

はじまりはこども服から

杉田:まず、お店をオープンしたきっかけや経緯を教えていただけますか?

理江:もともと子どもを育てながらだったので、イベントへの出展とウェブショップでやっていました。

意志雄:子どもが生まれて、子ども服を作るようになったんですよ。それがわりと楽しいというか、いっぱい作って売ってみようということになって、小さなクラフト展とか、そういうのを中心に最初は店を持たずに販売していました。

理江:だんだんお客さんが増えて、受け取りなんかも近くの方は直接来たいということで自宅に来るようになりました。

意志雄:自宅だと色々問題もあって、場所が欲しくて、やながせ倉庫に出店することにしました。

杉田:それはいつくらいのことですか?

理江:2013年です。そこがリトルの今尾さんとの出会いです。今尾さんのお店があったところにトロンチが入った。まだ子どもが幼稚園だったし、毎日は開けられないので。

杉田:子ども服は、ご自身のお子さんにつくっていたものが拡大したということですか?

理江:そうそう。赤ちゃんの服って生地が50cmもあれば1着できちゃうんですよね。で、布を1m買うと同じのが2着できる。そうして出来た息子とお揃いの服を売り始めたらお客さんから色々とご要望をいただくようになって… 下の子(現在8歳)が生まれた年から通信教育で学びつつ、洋裁の先生のところに3年通いました。それで想像した服が自由に作れるようになった! あの頃が人生で1番頑張っていたような気がします。

立体ポケットのスリムジーンズは看板商品で、何100着とつくった思い入れの強い服。

意志雄:お陰様で子ども服の評判がよくて、未だに子ども服ありますか?と聞かれます。残念ながら2015年で子ども服の制作・販売は終了しておりまして… お店としての出発地点にやながせ倉庫を選んだのは当時の我が家の家庭環境に一番適している場所だと思ったんですよね。小さなクラフト展の主催をされていた上田さんがオーナーだった事も大きな要因です。

杉田:やながせ倉庫時代は毎日は開けていなかったんですね?

理江:息子たちがまだ小さかったことと制作場所が自宅だったこともあって開けられるのは週に3日がやっとでした。2年前、下の子が小学校入学のタイミングで今の場所(長良)に移転をしました。今のお店は生活圏内なので何かと便利です。

理江:tRonchiはこれまで、子育ての環境の変化に応じてその時の状態でできることをひとつひとつ進んで来ました。子ども服を作り始めたのは息子の誕生を機に。お店という場所を持ったのはお客さん方との出会いを機に。これからもその時の環境と気持ちに向き合い変化し続けていくのだと思います。

杉田:お話を伺っていて、トロンチさんは仕事と生活がすごく近いような感じがします。

理江:そうですね。やりたい事は山ほどありますが家族あっての事なので。 昨年、主人が脱サラをしてトロンチと石田意志雄の二本で食べていかなければならなくなったので今はお店をいつまで続けられるかという事すら不安!(笑) 常連さん方はそのあたりもご理解くださっていて支えてくださっていてありがたいです。

意志雄:時代は個人からものを買うようになりつつありますよね。ふつうのブランドでも苦しいわけだから、人が何から服を買うかっていったら、石田さんの服がいいとか、個人から買うわけです。

理江:私にできることがあればやっていきたいと思います。

意志雄:最近はお客さんの年齢層もかなり広がったしね。80代くらいかな、お孫さん…もしかしたらひ孫さんをお持ちの世代の方が自分の服を探しに来てくださる。 嬉しそうに服を選んでいるのを見るといい役割になれたなぁ、と思います。

理江: おばあちゃんに選んでもらえるのは本当に嬉しいです。 私は服飾の学校出身ではないし、アパレル業界の事もわからない。 ただ自分が好きなものしか作れないのですが、縫い子さんが技術のある方なので仕立ての丁寧さや着心地を褒めてもらえると自信になります。

杉田:アパレルのお仕事をされていなかったのですか?

理江: 服飾の道へは進まなかったのですが、実家が縫製業をしていたので幼い頃から服作りは身近な事でした。今、ここにあるミシンも全て両親から引き継いだものです。 岐阜は縫製業が盛んな土地なので技術のある縫い子さんや加工屋さんにも恵まれています。 縫製屋さんと加工屋さんが仕事を受けてくださる間は大人服もバッグもたくさん作っていきたいと思っています。

大人になっても忘れないような存在に。

杉田:「TRONCHI」という店名はどんな由来ですか?

理江:これです。『まじょっこトロンチ』。これが小さい頃からの思い出の絵本で。大人になっても忘れないくらい。実家には無くなってしまっていて、10年くらいネットや本屋で探して、京都の古本屋やっている人がネットに出品していて、やっと買えました。それ以来見つけるたびに買っています。親戚のお兄ちゃんのお古でもらったんですよ。誰も知らないくらいの絵本。でも、私の中では大事な存在。大人になっても忘れないよな存在、そんな服になったらいいねって。服だけでなくものつくりの屋号として使っています。

杉田:ちなみにロゴのモチーフのトナカイはどんな意味ですか?

意志雄:それはね、北欧が好きなんです。

理江:あとから知ったんですけど、トナカイはお父さんも子育てをするみたいなんですよ。そこは理想としていたうちのかたちで。なんかすごいちょうどいいじゃんって。そういう偶然にはすごく恵まれているんです。トロンチのつづりもいい感じだなと思って選んだんですけど、イタリア語で切り株という意味らしくて。切り株もイメージに合う。気に入っています。かわいいよね。森の中大好きなので。好きなものが集まってくるんですよね。

杉田:色々な環境の変化のなかでここまで洋服作り、そしてお店を続けられてきたということですが、今後の展望はありますか?

理江:ここはすごく気に入っているんですけど、狭いなと思って。

意志雄:それと一軒家なので、ハードルが高いんですよね。門構え立派だったでしょ。

理江:隠れ家的な感じも好きですが、もう一歩ステップアップするならもう少し広いところへ。理想は色々あります。

杉田:ありがとうございました。

TRONCHIさんでは、2017年6月2日(金)〜10日(土)にセミオーダーバッグの受注会を開催しています。2017年の新作もセミオーダーできますので、ぜひこの機会にお店に足をお運びください。(https://www.facebook.com/tRonchi-282896675148577/


gift & wear tRonchi

住所:岐阜市長良159

営業時間:11時〜18時

定休日:木・日曜

HP:http://tronchi.net/

2017-06-05 | Posted in 新刊の取材Comments Closed 

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