【岐阜】ひな人形大特選会「雛遊」/美術の森

岐阜県本巣市にある「美術の森」さんで、3月3日の雛祭りで飾る雛人形の販売会「 ひな人形大特選会「雛遊」」が開催されています。

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「美術の森」とは、掛軸・絵画などの製造卸業として1970年に創業された偕拓堂アートさんのお店。

ひな人形や五月人形の販売の他に、日本画や陶芸などのカルチャー教室も開かれているお店です。

 

では早速、店内へ。

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ズラリと並べられた雛人形、一体どんなものがあるのでしょうか。

 

こちらの美術の森には「節句人形アドバイザー」が在籍されています。

「節句人形アドバイザー」とは、その名の通り、節句行事や節句人形について制作工程から人形の歴史的背景まで余すところなく熟知している、一般社団法人日本人形協会が認定したプロのアドバイザーのこと。

そんなプロのアドバイザーが、美術の森にはなんと5名も在籍中! 1店舗に5名というのは、全国的にみてもかなり多い人数です。

豊富な知識を持つプロの方に丁寧に教えていただけるので、どういうものを買うと良いのか不安な時は、ぜひご相談してみてください!

 

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美術の森が取り扱っている雛人形のほとんどは「東玉(とうぎょく)」というブランドのもの。

「東玉」は “人形のまち” と呼ばれている埼玉の“岩槻” で、江戸時代( 1852年)に創業された日本人形界の老舗中の老舗です。

岩槻が “人形のまち” と呼ばれるようになったのは、桐の木と水に恵まれた立地の岩槻に日光東照宮の職人が多く住むようになり、人形の文化が発展したからなんだとか。

 

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こちらが偕拓堂アートの岡崎社長。

雛人形を取り扱うお店として、ただ販売するだけではなく、“日本の伝統文化”を後世に残したい、職人さんを大切にしたい、という気持ちから「大量生産で作られている雛人形ではなく、職人が一点ずつ心を込めて作っている “本物” の雛人形をお客さんに届けたい」と、東玉さんにこだわってみえるんだそう。

 

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現在の住環境の変化により、七段飾りを飾る場所が少なくなってしまったため、現在では一段飾りや三段飾りが主流になっていますが、やはり一段飾りでは物足りないので、三段飾りの方が丁度良いとのこと。

「 “一、二の三段” っていう、段数を変えられる三段飾りがあるんですよ」

そう、なんと今は状況に応じて、一段、二段、三段と変えることができるひな壇があるんです。

初めてのひな祭りは三段で豪華に、次の年からは二段、一段、と段数を減らしてコンパクトに飾ることもできるのだそう。逆に、アパートの頃は一段、一軒家では三段と増やすなど、引っ越し予定の方にもいいですね!

大きさの問題を難なくクリアできちゃう「一、二の三段」は、美術の森がとくにオススメしているひな壇です。

 

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岐阜を代表するファッションデザイナーの “山本寛斎” 氏が監修したものもありました。

月をモチーフにしたひな壇です。渋くて格好良い!

 

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また、ひな壇には毛氈(もうせん)をかけるタイプもあり、中身が木製段になっています。

こちらのタイプも畳めるので収納に良いですね!

 

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「お客様は飾り台や屏風の豪華さなど、全体の雰囲気を見てしまいがちですが、雛人形自体の“細やかさ”を見ていただきたい。」と岡崎社長。

 

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例えばこちらの雛人形。

一点一点丁寧に、本当に些細で細かいところまで、職人さん達の気配りがされているんです。

 

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こちらのお姫様は、着物の一枚ずつの重なりを綺麗に見せる為に、少しずつズラす工夫がされています。

 

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こちらのお殿様にも注目してみてください! 息をのむ美しさです。

通常はお殿様の正面の華やかさに目が行きがちだと思いますが、その後ろ姿の見えないところにも丁寧で繊細な刺繍が施されています。

身につけている物まで、しっかりと制作されていました。

「職人の技」を目の当たりにすると、やっぱり感動しますね。

 

 

ほかにも、岡崎社長に面白い事を教えていただけました。

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こちらの親王飾り(平飾り)。

京雛と呼ばれる雛人形です。実は、お殿様とお姫様の位置が反対なんです。

雛人形には「京雛」と「関東雛」の二種類があり、京雛は向かって右側、関東雛は向かって左側の位置がお殿様と決まっています。実は昔の日本は「左が上位」とされていました。これは「支配者は南を向いて国を統治するべき」という考え方からきています。

南を向いている支配者から見ると太陽は東側から昇るため、東側=左側の方が尊いとされるようになりました。

つまり、その支配者を眺める人々からすると、向かって右側が偉い位置にあたるというわけです。

その考えから「京雛」では、お殿様は向かって右側、お姫様が向かって左側に並んでいます。

 

それに対して「関東雛」は西洋の文化を取り入れているため、国際儀礼にならって「右が上位」になりました。

皇居が東京に移ったこともあり、今では向かって左側がお殿様の「関東雛」が一般的となっています。

決して間違っているわけではないのでご注意を!

 

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雛人形は職人さんが一人で全て制作するわけではなく、「頭師」「髪付師」「手足師」など、一つの雛人形に対して複数の職人さんが関わって制作されています。すごく手間ひまがかかっているんだそう。

 

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もちろん、美術の森では七段の雛人形も販売されています。

すでにご存知の方も多いかと思いますが、ひな壇の並びは宮中の結婚式を表しています。

上段から「親王(男雛・女雛)」「三人官女」「五人囃子」「随臣(右大臣・左大臣)」「仕丁(怒・泣・笑)」の順に並び、六段目と七段目には嫁入り道具が飾られます。

 

 

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“雛人形” とは女の子の一生を守る役割をもつ重要な人形のひとつ、「守り神」として女の子の今後の健やかな成長を願い贈られるもの。

そして、「雛人形」は子どもに贈られることで初めて「お雛様」という呼び方に変わります。

生まれてきた赤ちゃんの一生を守る雛人形、職人たちの想いが込められた雛人形を、ぜひ一度お店に行ってご覧ください!

 

 

 

 

美術の森 偕拓堂ギャラリー

http://bijyutunomori.jp/

〒501-0462 岐阜県本巣市宗慶557-1

10:00-18:00 水曜定休(年末年始は12/30〜1/1まで休み)

TEL.058-323-8018  /  FAX.058-323-8021

 


ちなみに、この『ひな人形大特選会「雛遊」』のポスターやフライヤーなどのデザイン制作は、さかだちブックスを運営するリトルクリエイティブセンターで担当させていただきました。

 

株式会社リトルクリエイティブセンター

名刺やショップカードから、ロゴ、WEB、商品企画、ブランディングなどのデザイン制作から印刷、納品まで、ご希望や用途に合わせ制作しています。ぜひお気軽にご相談お待ちしております。

web:https://licrce.com

mail:design@licrce.com

tel:058-214-2444(営業時間:9時〜18時)(日曜定休)

2016年12月16日作成
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